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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第十三章 聖女、歴史を学ぶ

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165.ところで何?

 二人ともヲタクだからなあ。

 しかもニートくさい。

 働きたくないというのが本音だろう。

 レイナ自身はよく判らない。

 そもそも働くと言う事自体、何をどうすれば良いのか。

 だって聖力があったら何でも出来てしまう。

 わざわざお金を稼ぐ必要すらないかも。

 そんなことを言っていると駄目人間になってしまいそうだが、レイナの場合はそれが一番世界平和に貢献しそうな気がする。

 ドラゴンと戦えるような化物(モンスター)は眠っているに限る。

 全員が避けたい話題だったのでフェードアウトする。

 リンは数学の問題集に戻り、レスリーはタブレットでコミックに没頭。

 レイナは気分を変えてネットで国際ニュースを見る事にした。

 それにしても地球(こっち)は忙しい。

 世界中で大災害が起きていたり戦争や内乱、そこまでいかなくてもテロなんかが頻繁に発生している。

 人口が多すぎるせいかもしれない。

 何せ日本だけでミルガンテの百倍以上いるらしいのだ。

 世界全体では七千倍だ。

 しかも世界全体をネットワークが覆っていて、地球の反対側で起きた事でもすぐに判ってしまう。

 ミルガンテなら数ヶ月かかるような動きが一瞬だ。

 何て忙しい世界なんだ。

 ちょっとうんざりしたけど便利でご飯が美味しいから許す。

 というよりは欠点をカバーして余りある長所だ。

 そういえば地球からミルガンテに行った名も無き救世主って大丈夫だったんだろうか。

 地球のご飯が恋しくて暴れたりは……あ、そうか。

 聖力持ちなら何とでもなりそう。

 自分の聖力で地球のご飯を作り出せばいい。

 もっとも神官レベルの聖力持ちではそんなことをしたらあっという間に聖力が枯渇して死んでしまいそうだ。

 とりとめもなく考えていて違和感に気がついた。

 そもそも名も無き救世主って何でミルガンテに行けたんだろう。

 一番ありそうなのはシンがそうだったみたいに地球で生まれて生活して亡くなった人が転生したという状況だろうけど。

 でもそれだとちょっとおかしな事になる。

 大聖教の聖書というか記録では、名も無き救世主は突然成人した姿で現れたことになっている。

 どうみても転生者ではなくて転移者。

 だがどうやって生身で地球からミルガンテに行けたんだろうか。

 身体はミルガンテに行ってから聖力で作ればいいとしても行く方法がない。

 当然だけど大聖鏡なんかなかっただろうし、そういった概念すら知られていなかったはずなのに。

 今考えても仕方が無いか。

 ということでレイナはタブレットで「まんが世界の歴史」を読むのだった。

 翌日、朝起きてスマホを見たらシンからのメッセージが入っていた。

 すぐに電話する。

「今連絡読んだんだけど」

『早いね。

 僕も起きたところだよ』

 しまった。

 忙しいシンのことを考えていなかった。

 もっとも日中はもっと忙しそうだからこれで正解なのかも。

「ところで何?」

『タイロン氏たちとの会談が終わった。

 結論から言うと僕たちに英国に来て欲しいって』

 やっぱりか。

 向こうとしても自分たちの存在意義(レゾンデートル)に関わる事だものね。

 一度は現物(レイナ)を見ないと身動きがとれないんだろうな。

「すぐに来いって?」

『いや、向こうも準備があるからね。

 レイナが卒業してからでいいことになった』

 さいですか。

 何の準備なんだろう?

 考える暇もなくシンが言った。

『その件で説明したいんだけど、今日はどう?

 お昼ご飯奢るから。

 ナオさんやサリさんのことについても話したいし』

「私はいつでも」

『そうか。

 準備出来たら連絡する』

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