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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第十二章 聖女、卒業が決まる

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158.良かった間に合った

 これから出かけるというシンと別れて自分の部屋に戻ったレイナはしばらくアニメを観ていたが、お昼前に出かけることにした。

 今度こそあの漫画喫茶でまともに食事してみたい。

 この間は徹夜明けでよく判らなかったし。

 それに夜間中学が始まるまでは時間を潰せそうだ。

 支度をして出かけるレイナだった。

 ジーンズというゴツゴツしたズボンにスニーカー、セーターの上にフード付きコートを着て部屋を出て駐輪場から自分の自転車を引き出す。

 前回行ったお店ならジョギングで行けるのだが、どうもあの店では変な視線を感じたからあまり行きたくない。

 なので少し遠いけど最初に行った郊外店を目指すことにする。

 自転車は快調に走った。

 時々スマホで位置を確認しながら30分くらいで到着。

 もう慣れたもので、無人の受付でチェックインを済ませて個室へ。

 サリに教えて貰ったが、地球(こっち)には喫煙という葉っぱを乾燥させたものに火を点けて煙を吸い込むという風習がある。

 本人は楽しいかもしれないが、そういう趣味がない人にとっては吐き出される煙が空中を漂って迷惑だ。

 だが吸えないとイライラする人もいるので専用の部屋が用意されている。

 逆に吸っちゃ駄目という部屋もあって「禁煙」と呼ばれる。

 もちろん煙草なんか吸わないレイナは禁煙一直線だ。

 いつものようにまず書棚に行って目を付けていたコミックを十冊ほど引き抜いて部屋に持ち込む。

 引き返してドリンクバーでコーヒーやスープなどを煎れて持ち込んでから、さあいよいよだ。

 前にも注文したはずだがよく覚えていない。

 なので机の上にあった説明を読むとPCの画面やスマホから注文出来るとある。

 指示通りにPCを操作するとファミレスそっくりのメニュー画面が出てきた。

 何だかよく判らないので適当にクリックしていって最後に出てきた「店長お薦め」のものを注文する。

 料金は部屋の使用料に加算されるということだった。

 便利だ。

 ちなみにレイナの場合、ミルガンテを引きずっているので何でも食べられるし何でも美味しい。

 逆に言えば好物というものがないのでいつも適当だ。

 それでも外れがないって日本の食事は凄い。

 しばらくするとブザー音がしたのでドアを開けたらワゴンがあった。

 「お待たせ致しました」と書かれたプラカードがついていて、その下にトレイがあった。

 ロボットか。

 ミルガンテでは考えられない。

 日本の場合、人件費が高いからこういったロボットを導入した方が安く上がるんだろうな。

 トレイを受け取るとロボットは静々と去って行った。

 この辺はファミレスと同じか。

 食事はとても美味しかった。

 焼いた米に豚カツが添えてあるものでワンプレートだ。

 なるほど。

 言ってみればこれ、ルームサービスだけれどロボットが運ぶ以上、お皿やカップがたくさんあったら色々と面倒くさくなりそう。

 だかから基本はワンプレートになるのか。

 食べ終わってどうしようと思ったが、説明を読むと自分で返却しなければならないようだ。

 もちろんしなくてもいいのだが、そうすると狭いデスクの上がトレイに占領されてしまう。

 トレイを持って部屋を出て、どこに行けばいいのか聞こうと思ったが店員がいない。

 ウロウロしていたらドリンクバーの隣に返却口があった。

 なるほど。

 帰りにも誰とも会わなかった。

 この時間は客が少なくて、だから店員も削減しているのかも。

 そういえば誰かが言っていたが、こういう店に来る客はみんな昼間は仕事しているので空いていて、むしろ夕方や夜が忙しいみたい。

 いつでも暇なレイナは助かっている。

 時計を見るとまだ昼前だった。

 夜間中学が始まるまでたっぷり時間がある。

 ドリンクバーでお代わりのコーヒーを煎れ直したレイナは個室でまったりとコミックを読むのだった。

 はっと気づいたら登校時刻が迫っていた。

 慌ててチェックアウトしてマンションに戻り、教科書などを入れた鞄を引っ掴んで飛び出す。

 思いついて自転車で走り出したら5分で着いた。

 これは良い。

 校舎の横にある駐輪場に自転車を停めて教室に駆け込む。

 良かった間に合った。

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