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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第九章 聖女、悪い遊びを覚える

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123.そういう時の為にアレがある

 リンは生徒手帳しか持っていなかったので仮会員証になった。

 そしてレスリーは驚いた事に既に会員だった。

「ここは日本(ヲタク)聖地(メッカ)です。

 当然、常連です」

 レスリーはやはり遊び回っているらしい。

 それにしてもヲタクの聖地?

 巡礼でもしているのだろうか。

 使用者証が発行されて渡される。

 カードホルダーに入れて首に掛けるようにサリに言われた。

「これがないと共有部分以外には行けなくなるからな」

「具体的には?」

「ドアが開かない」

 ホテルみたいなものかも。

「見て!

 凄いコミックの量!」

 途中に本棚が並んだ部屋があったので見るとリンが興奮して叫んだ。

 レスリーがしたり顔で返す。

「確か3万冊くらいあるはずです。

 新刊も人気があるコミックは大体入ると」

「そんなにあるの!」

 図書館の書棚に似た本棚が延々と並んでいる。

 しかも天井スレスレまで。

 上の方のコミック、よく見えないし手に取れないのでは。

「そういう時の為にアレがある」

 サリが金属製の折りたたみ式踏み台を指さした。

「でも上の方のコミック、よく見えないんだけど」

「目的のブツの場所はそこにあるパソコンで検索するんだよ。

 だが今日は止めておけ。

 止まらなくなって気がついたら夜が明けている」

 確かに。

 3万冊とは気が遠くなりそうだ。

「こっちがトイレで、ここがシャワー室だ。

 後で使い方を教える」

 言いながら使用者証をドアの前についている読み取り機にかざすナオ。

 カチッと音がして鍵が外れた。

 細い廊下を歩いてたどり着いた先は結構広い部屋だった。

「ここが我々の部屋だ」

「カラオケルーム?」

「ああ。

 歌い放題だぞ。

 だけじゃなしにここでゲームしたり勉強したり寝たり出来る」

 そういう施設なのか。

「カラオケは判るけどゲームって?」

「そのスクリーンはゲーミングマシンのディスプレイにもなるんだ。

 一通りのネットゲームが出来るはずだ」

「凄い!」

「ここはまだ使ったことがありません。

 一人では難しいので」

 リンとレスリーはあっという間に順応してはしゃいでいるが、レイナはさっきのコミックが気になっていた。

 カラオケはあまり好きじゃないしゲームにも興味はない。

「レイナ、ここでは何をやっても良いんだ。

 コミックを持ち込んで読んでもいい。

 汗かいたらシャワーがあるし、眠くなったら枕と毛布がある」

 サリが教えてくれた。

「でも」

「一緒に居るからって無理に付き合う必要はない。

 レイナも好きなことをすればいい」

 リンとレスリーは相談の結果、とりあえず一緒にネットゲームをやることにしたらしい。

 サリは何か目的があるらしくてスマホを弄っている。

「それじゃ」

 レイナが出ていこうとしたらレスリーが声を掛けてきた。

「ここはドリンクバーが無料で使い放題ですよ。

 一緒に行きましょう」

「私の分もよろしく!

 とりあえずアイスコーヒーね」

 リンがネットゲームを立ち上げながら言った。

 既に馴染んでいるようだ。

 さすが。

「私はいい。

 後で自分で取りに行く」

 サリには断られたのでレスリーと二人でドリンクバーの所に行って飲み物を選ぶ。

 レイナはコーヒーだったがレスリーは毒々しい色の炭酸だった。

 レスリーがリン用にアイスコーヒーを作りながら言った。

「コミックの新刊はそこの棚だったと思います。

 それ以外はそこのPCで検索すれば棚の番号が判るので」

「詳しいね?」

「ここではないんですが、系列店には行き慣れていますから」

 さいですか。

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