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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第八章 聖女、大人になる

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120.説明が面倒だから自分で調べてみて

 その日は色々と話し合ったが日が変わる前に解散になった。

 レスリーとリンは一緒にタクシーで帰っていった。

 ナオとサリはもう大人ということで別々に去った。

 二人とも仕事は休むらしい。

「こっちの方が大事だからな」

「今日は徹夜よ」

 随分と熱心だけど、やはり何かあるのかもしれない。

 どうもこの二人とシンの間には密約でもありそうな?

 まあいいけど。

 翌日、リンからのメッセージで検索してみたら例の画像の劣化版が拡散されていた。

 レイナの顔が似ても似つかないものになっていたり、ドレスが歪んでいたりする画像が大量にアップされている。

 一晩で作って拡散したらしい。

 サリってこんなことが出来るのか。

 シンに連絡したらもう知っていた。

「驚いた」

『CGの加工ってツールがあれば割と簡単らしいよ。

 高齢者のおっさんが自分の写真を若い女の子に変えて配信したりしていると聞いたことがある』

「そうなの!」

 それは随分酷い話では。

『だからネットに流れている写真や話はまず疑ってかかった方がいい。

 フェイクニュースも堂々と載っているし』

「そうなんだ」

『ロマンス詐欺とかもあるからね。

 レイナには関係ないけど』

「何それ」

『説明が面倒だから自分で調べてみて』

 無情にも通話を切るシン。

 最近、レイナの扱いがぞんざいになってきているような。

 いや、独り立ちさせようとしているのだろう。

 そう信じたい。

 検索してみたら情報がどっと出てきた。

 何でもロマンス詐欺とはイケメンで大金持ちの独身男が伴侶を募集しているとか、そういうアピールで被害者に取り入ってお金を巻き上げる仕事? のようだ。

 ネットだからいくらでも偽れるわけで、しかも会おうとしても外国に居るとか世界中を飛び回っていて時間がとれないとかいって拒まれるらしい。

 結婚するためには資金が必要だとか、いい投資話があるからパートナーとして一緒にやろうとかいう理由で送金させるそうだけど、そんなの怪しいに決まっている。

 引っかかる人がいることが信じられない。

 夜間中学でリンとレスリーに話したら頷かれた。

「私も信じられないけど、そういう詐欺に遭う人って時々いるらしいよ」

「理解出来ないお話です。

 でもまあ、詐欺師って本当に話が上手いと聞いていますし」

 レスリーは意外にもあまり不思議に思っていなかった。

「会ってもいないのに信用出来るわけないじゃん」

「それがですね。

 底抜けのお人好しとか、逆に疑り深いけどコロッと欺される人っているんですよ。

 むしろ俺は大丈夫だとか思っている人ほど危ないそうです」

 レスリーの親族にもひっかかった人がいるらしい。

「詐欺に遭った人ってよくテレビでもニュースになっているけど」

「統計的に千人居れば3人くらいは引っかかるらしいです。

 日本ではオレオレ詐欺ですか」

「そうなの」

 これだけ文明が発達しても欺される人はいるのか。

 十年以上学校に通っていても駄目だと。

「私も前は不思議だったんだけど」

 リンがなぜかスルメを囓りながら言った。

「いくら教育を受けても全体の半分は平均以下でしょ。

 頭がいいから欺されないとは限らないけど、誘導されて踊らされる人は結構いるような気がする」

 そうかなあ。

 ミルガンテの大聖殿だったらそんな人はあっという間に淘汰されそう。

 もっとも頭が良いのに欺されやすい人がいることはレイナも知っている。

 それに長年の親友に裏切られることなどむしろ普通だ。

 そういうアニメやラノベも多い。

 でもロマンス詐欺とは違う。

 直接会うどころか顔も見た事も無い人をよく信用出来るものだ。

 首をかしげるレイナを見てリンが言った。

「そういやレイナってロマンス方面の興味はゼロだったっけ。

 男の影もないし」

「そういえばそうですね。

 シンさんとも何もないんでしょう?」

 レスリーも容赦なく言ってくる。

「シンと何があるって?」

「そういうことを言うこと自体がレイナの情緒未発達を証明しているんじゃない?

 レイナって男が欲しいとか好きになったとかないでしょ」

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