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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第八章 聖女、大人になる

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117.予定は大丈夫?

 そうなのか。

 しかし、それほどのものか?

 レイナは自分のスマホにも送られてきている画像データを表示してみた。

 何十枚、いやもっとあった。

 そのほとんどでレイナが画面の中心にいる。

 遠景ですらそうだ。

「みんなよく飽きないな」

「そんな風に思うのはレイナだけだよ」

 よく判らない。

 ただひとつ言えるのは、もうレイナは誰に何を言われようが二度とコスプレなどしないということだ。

 これが誕生日プレゼントだと?

 呆れてしまう。

「レイナは好きにすればいいよ。

 でも」

 シンが肩を落とした。

「嫌な予感がするんだよなあ。

 新しいシステムのリリース直前みたいな感じで」

「何それ」

発表(リリース)の24時間前になって重大なバグが見つかるとか」

 バグというのがよく判らなかったが、その後シンが苦労しただろうことはひしひしと感じられた。

「僕のこの予感、割とよく当たるんだよ」

「気のせいじゃない?」

「だといいんだけど」

 シンが辛気くさくなったのでそこで話を切り上げ、帰宅してすぐに寝てしまった。

 数日後、いつものように夜間中学で日本の歴史の参考書を読んでいたらスマホにメッセージが届いた。

 レスリーやリンにも同時に届いているらしい。

『拙い事になった。放課後集まれるか』

 この場合の放課後は午後9時過ぎだ。

「何だろう」

「予定は大丈夫?」

「空いてます」

 というわけで連れだって指定されたファミレスへ。

 夜も遅いのであまりお客さんはいなかったが、サリは一番奥の目立たない席で待っていた。

 ナオもいる。

 レイナ達が席に着いて、とりあえず人数分のドリンクバーを注文する。

 飲み物が揃ったところでサリがいきなり頭を下げた。

「スマン!

 データが流失した」

 一瞬何を言われたのか判らなかったが、レイナ以外の全員がざわめいた。

「何でそんなことに」

「スマホから私のPCにデータを移したんだが、妹の一人がハッキングしやがって。

 自分のSNSに挙げやがった。

 すぐに気づいて消させたんだが」

 既に拡散していたと。

「どんなデータ?」

「これだ」

 サリが自分のスマホを見せた。

 知らないIDだが確かにレイナが映っている。

 『凄いもの拾った』とキャプションがついていて。

「『#拡散希望』だと?

 この盗人(ぬすっと)が!」

 サリが怒りを込めてタップする。

 画像は何枚もあった。

 どれもレイナのお嬢様姿で、観ている間にも「イイネ!」のカウンターがどんどん上がっている。

「まあ、そうだろうね」

「こっちにもあります!」

 レスリーが違うIDでも同じ画像が表示されていることを見せた。

「拙いわね」

「ああ、拙い。

 とりあえず妹のアカウントは抹消させた。

 損害賠償ものだと脅しておいたから当分はこれ以上動かないと思うが」

「私達を特定されない?」

「どうかな。

 しばらくたてば落ち着くとは思うが」

 サリが意気消沈している。

 ナオが言った。

「これ、やっぱりシンさんに報告しないわけにはいかないと思う」

「そうだよな。

 判った」

 サリが電話する。

 ちょっと話してから言った。

ファミレス(ここ)でそんな話をするのは拙いそうだ。

 今からみんなで来てくれと」

「どこに?」

「シンさんの家」

 そんなに大事(おおごと)なの?

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