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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第八章 聖女、大人になる

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110.いよいよ大人の仲間入りね

 言われて考えてみた。

 確かに高認に受かってしまった以上、夜間中学に通う必要はないかもしれない。

 丹下先生も扱いに困るかも。

 でもサリも籍だけは置いているし。

「考えてみる」

『それでいいよ。

 どっちみち来年の3月まではこのままだし。

 じゃあ』

 電話が切れる。

 あれでシンも心配はしてくれていたらしい。

 もっともレイナもシンも判ってはいる。

 二人とも、この程度では悩んだりはしない。

 ミルガンテとは違って自分の行動で誰かが死んだりいなくなったりすることがないので気楽だ。

 レイナは自分を納得させると着替えて夜の運動に向かった。

 それからも淡々と日々が過ぎて行った。

 タイロン氏からの連絡はあいかわらずない。

 レスリー情報によれば組織が内紛状態に近いようで、落ち着くまではしばらくかかるだろうということだった。

 ちなみにカラオケで外国人のイケメンが声を掛けてきたようなことはもう起こらないそうだ。

 粛正とかあったのかも。

 みんなでクリスマスパーティという名目の女子会をやったり初詣にみんなでお参りしたりして、気がつけば三学期が始まっていた。

「レイナ、18歳おめでとう!」

「めでたい!」

「いよいよ大人の仲間入りね」

 いつものように夜中のファミレスに集まって騒ぐ仲間達。

 お店に迷惑なのではないかと思ったが、夜中なのでほとんど客はいない。

 店員さんもほっといてくれているみたい。

 そう、レイナの誕生日だ。

 というよりは日本国籍を取る時に設定した誕生日というだけなのだが。

 レイナ自身にも自分の歳が判らないので、便宜上そういうことにしている。

 だが戸籍に登録されてしまっている以上、この日をもってレイナは成人したことになる。

「いや成人と言ってもいい加減なものなんだが」

 サリがパスタを食べながら言った。

 あいかわらずイタリア料理が好きらしい。

「そうなの?」

「こないだまで日本の法律上の成人年齢は20歳だったんだ。

 だが数年前に法律が変わって18歳になった。

 私としてはまだ早い気がするんだが」

 そうなのか。

 ミルガンテってどうだったっけ。

 そもそも、そんな法律はなかった気がする。

「成人とそうじゃない人はどう違うの?」

 リンが聞いた。

 本人も近々18歳になるので気になるらしい。

 その割には知識がないって。

「確か成人年齢って国によって違ったと思う。

 日本は20歳から18歳に引き下げたんだけど、これによって権利と義務が変わったのよね」

 ナオが博識なところを見せる。

「どんな?」

「一番大きいのは刑罰かな。

 何か犯罪を犯した時の罪の重さが違ってくる。

 未成年は責任能力がないということでかなり減刑されるはず」

「ああ、確かに。

 人を殺しても刑務所に行かなくて済むとか。

 でもそれって14歳とかじゃなかった?」

 リンがテレビかアニメかで聞きかじった知識をぶつけてくる。

 サリが言った。

「詳しいことは面倒くさいから省くが、要するに未成年は親か保護責任者の管理の下にあるという認識だな。

 これまではレイナが何かやってもシンさんの責任になっていたのが、本日をもってレイナ自身が責任をとることになる」

「あと、親や保護者の許可を得なくても契約を結んだり結婚したり出来るようになったと思う。

 バイトなんかでも未成年だと親の承諾が必要でしょ?」

 ああ、そういうことか。

 ミルガンテだとそんなの当たり前だから思いつかなかった。

 そういえばミルガンテって未成年者の保護とかしてなかったのでは。

 どんなに幼くても働いていれば一人前だと見なされるし、逆に何もしないでいると半人前扱いされたりして。

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