52.初収穫
収穫日和の快晴な日だ。
今日は俺が初めて植えた野菜達の収穫だ。
種を植えてからは、ほとんどアカ・アオ・キー・ドリー達に任せていた。
水やりもほとんどやっていない。
だけど、野菜が育つのを待ち侘びていた。
スキルの力で、普通よりものすごく早く育っているが、待ち望んでいたのは事実だ。
解体の方はヒューズさんとゴーレとフリードに任せた。村のほとんどの人が参加してくれるみたいだ。
肉をあげるのが効いてるみたいで良かった。
父さんは参加するみたいだが、母さんはシモンとキリーを全力支援するとのこと。
種を植えた畑は、7DE・8DEに移動させているので、そのエリアに向かった。
到着するとアカ・アオ・キー・ドリーが待っていた。
「ごめん。待たせた?」
アカ・アオ・キー・ドリーは首を横に振った。
「じゃあ始めるか!」
そういって、収穫を始めた。
▽ ▽ ▽
「ジャガイモって、こんなんだっけ?」
取れたジャガイモは、ふっくらと丸みがあり、ずっしりとした重みがある。
前世のジャガイモって、もっとでこぼこしてなかった気がした。
ニンジンも、こんなに大きくて重いものだったか。
トウモロコシも髭が多く、皮がはっきりとした緑色だった。
素人目でもわかる素晴らしさ。
「鑑定!!」
○ジャガイモ
さまざまな土地で育てやすい野菜。
焼く、煮る、蒸すなど調理の幅が広い。
品質:高品質
○ニンジン
栄養が多い根野菜。
葉の部分も食べることができる。
品質:高品質
「おー高品質!でも比較対象がないとわからないな。畑作成前に父さんが作っていた野菜をフリード用の野菜としてカバンに入れてたんだった。鑑定!」
俺はバッグからニンジンを取り出し、『鑑定』をする。
○ニンジン
栄養が多い根野菜。
葉の部分も食べることができる。
品質:中品質
「やっぱり品質上がってるな。よし!売れそうだぞ。いやーこんなにデカくて立派なのが出来てるのはガチャの種のおかげ?」
近くにいたアカが首を横に振った。
「じゃあ、この畑のおかげ?」
アカは大きく頷いた。
「父さんの畑の野菜もこんなに立派なの?」
アカは再度大きく頷いた。
少し懸念していたことが晴れて安心した。
ガチャの種が特別な可能性。俺が植えたということが特別な可能性。
そのどちらも違うことがわかったのは大きい。
「キー。そういえば採種は進んでいるのか?」
キーは大きく頷く。
「芝生とかも採種できたりするのか?」
キーは大きく頷いた。
芝生作成の説明文を見たときに、天然芝生のマットってホームセンターに売っていた記憶がよみがえった。
テレビで芝生の根は毛細血管の様に細かく深くまで根を張るから、
土ごと切ってマットにしてたような。
記憶が曖昧だった。
土と根が絡まってマットの様になってるのなら、硬度を少し変えれば、安定した商品になりそうだ。
酪農家や貴族になら売れる気がする。
金策になると思い、キーに聞いてみた。
「芝生を売ろうと思うんだけど、これくらいのサイズにして土がついたマットにすることって可能?」
キーは微妙な反応をしている。
多分できるんだろうけど、時間がかかるのか、道具が足りないのか、技術が足りないのか。
「うーん、ごめんわかんないや。あとでゴーレに聞いておくね。アカ・アオ・キー・ドリーとももっとコミュニケーションとりたいから、次カタログを引いたらアカ・アオ・キー・ドリーに使うね」
キーは飛び跳ねた。
多分喜んでいるのだろう。
▽ ▽ ▽
農業倉庫に野菜を運び終えた。
時間は昼をだいぶ過ぎていた。
売る用の野菜を木箱に入れた。
売る予定の野菜を全て確認してみた。
•ジャガイモ
•ニンジン
•トウモロコシ
•小麦
•キャベツ
•ネギ
•ニンニク
•トマト
どれもいい状態の野菜だった。
アオが手から水を出し、野菜を洗い始めた。
アカはどこからか鍋を持ってきている。
キー・ドリーが皿に盛られたトマトとキャベツを持ってきて、俺に差し出した。
「あ?食っていいのか?」
差し出された皿からカットされたトマトをつまみ、口に運んだ。
「あまーーい!トマトってこんなに甘いの?酸味もほどよくあるし。うますぎ!!キャベツもみずみずしくてシャキシャキ。パーティのときのサラダにもキャベツは入っていたけど、それよりもうまい。
あのときはゴリ押しで『植物成長促進』を使ったからなのか?『植物成長促進』もほどよくがいいのか?」
アカを見ると、持っている鍋が沸騰している。
『温度調節』で温めたようだ。
その鍋にトウモロコシを入れて茹でている。
「トウモロコシも食べさせてくれるの?ありがとうアカ」
茹で終わったトウモロコシを渡され、かじりつく。
「こっちも甘い!!!!!うますぎないかうちの野菜。大きい分ちょっと味が心配だったんだけど、すげぇいいじゃん」
トウモロコシを食べていると、前世の焼きトウモロコシを思い出した。
「あー醤油つくりたいなー。大豆ができたらチャレンジしよ。異世界転生あるあるで醤油作りはティア高めなんだけどなー、作り方が全然わからん」
トウモロコシを食べ終わり、
アカ・アオ・キー・ドリーにお礼を言い、
解体をしている広場へ向かった。




