39.謎の卵と通常スキル
疾風の斧とリビングで話していた。
「そういえば、色々動揺しててさっき話し忘れてたんですが。
ビッグスライムがいた池の中に水色の卵があったんですけど、何かわかります?」
その問いにリリアンさんが答える。
「みてみないとわからないけど、たぶん魔物の卵ね。スライムの卵とかは聞いたことないけど。確かスライムって分裂して増えるはずだけど、、、」
「一応孵化させないために、時間停止がついてるアイテムボックスに入れています」
「それが正解よ。街に行くとき、ギルドで見てもらいましょ」
「それは鑑定で?」
「そうよ」
「鑑定を持っている人って多いんですか?」
ヒューズさんがその問いに答えた。
「持ってるやつは結構いる。だが、全部を鑑定できるやつは珍しい。植物しか鑑定できないやつだったり、モンスターしか鑑定できなかったり、アイテムしか鑑定できなかったり、条件がついた鑑定が多いな」
「なるほど、ありがとうございます。そういえば、スキルの複数持ってる人が珍しくないってどういうことですか?」
「冒険者には有名な話だが、通常スキルを1つ持ってたら優秀、複数持っていると天才と言われていたのは数十年前の情報だ」
ヒューズさんは詳しく話をしてくれた。
・昔は王族や貴族以外でスキルを複数持つ人は少なかった。
・王族や貴族はエクストラスキルの内容と関係なく、幼いころから家のために勉学や鍛錬をやらされることが多く、複数スキルを所持するものが多かった。
・モンスターの活性化で、冒険者が増えたので鍛錬をする人や死に直面する人が増えた。
それにより冒険者で複数スキルを持つものが増えた。
・冒険者達の検証で、エクストラスキルに頼らず、己の力のみで鍛錬や勉学を死ぬ気でやるとスキルが取れる可能性があるとわかった。そして、若ければ若いほど取得する可能性が高いということがわかった。
・エクストラスキルに頼らないというのがポイントで、
エクストラスキルと関係ない一般職についてる人も複数スキルを所持することが多くなった。
エクストラスキルと関係ない一般職につくことがあまりないため、国民にスキル複数所持の情報があまり広まらなかった。
・一部の貴族はスキルの複数所持を高貴なものと考え、エクストラスキルと関係のある職につくことを推奨した。
冒険者ギルドにも圧をかけて、戦闘や魔法のエクストラスキルを持っているものと、一定基準の戦闘力を持つもののみ登録することが可能になった。
「そうなんですね。若ければ若いほどってことは、5歳の僕が通常スキルを複数持ってることはおかしくないですよね?」
「おかしいんだよ。いやおかしくはないのか?でも前例がないんだよ。
過去、5歳で戦闘向けエクストラスキルを所持した孤児が冒険者登録に来た時に、すぐに死なないような身体づくりや薬草やモンスターの知識を得させる目的でベテラン冒険者とパーティを組ませて10歳になる5年後にやっと『筋力強化』『薬草知識』『解体』を取得したんだよ。
お前はまだ生まれて5年で、訓練も知識も詰め込まれていない。なのに『テイム』『風魔法』を取得してるなんて、もう神童だよ」
「僕は神童になりたくないので、疾風の斧の皆さん、尻拭いは頼みましたよ。尻拭いをしてくれないと、いたたたたたクララさんに矢を射られた傷が、いたたたた」
「矢に当たらなかったでしょ!」
「本当お前いい性格してるわ」




