35.食べ物チートが始まった
パーティが始まった。
前世でもそうだったが、こういうパーティは始まったらただの飲み会になる。
「うめぇーーー!なんだこの野菜!うますぎる!」
「これ、サラダよね?なんでこんなにみずみずしくて、甘みがあるの!」
「リーダー!わたし野菜嫌いなのに!!すごくおいしい!!」
「おい!この白いソースがかかってるの食べてみろ!なんだこのソース!うますぎる!!!」
パーティ会場は料理のおいしさで騒がしくなっていた。
昨日の夜、お父さんからパーティがあることを聞いていたので、うちからも野菜を提供できるようにゴーレに頼んで、
夜中のうちに一部の野菜に成長促進をかけてもらっていた。
俺の畑の作物は流石に間に合わなそうだったので、
お父さんの畑のキャベツ・トマト・ニンジンに成長促進をかけ、材料として提供した。
そして、異世界転生あるあるのマヨネーズチート!
カリムさんがとってきた、卵を使わせてもらって大量に作った。
味見をしたブライズさんもすごい表情で驚いていたのを思い出して笑ってしまいそうになった。
「「んーーーーーー」」
「うまい!うまい!うまい!」
「いつも食べてるはずのサラダがこんなにうまいなんて!」
「この白いソースはなんなんだ?いくらでも野菜が食えるぞ!」
ローファス村長がブライズさんに声をかけた。
「ブライズ!この野菜はどこの家のだ。そしてこの白いソースはなんなんだ!」
「野菜はカインのところの野菜です。白いソースは僕が作ったわけではないので、名前はわからないです」
「カインのところの野菜か、ライルのエクストラスキルの恩恵なのだろうか。まあいい、白いソースは誰が作ったんだ?」
「白いソースもライルくんが作りましたよ!」
「「「「「え!」」」」」
会場の大人全員が聞き耳を立てていたせいで、みんな驚いて声が出てしまっていた。
「ライル、このソースはお前が作ったのか?」
「こんなおいしいもの作れるなんて、お母さん知らなかったわよ!」
「二人とも落ち着いて。うちの野菜が褒められてるんだから、それを喜ぼうよ」
「それは嬉しい、すごい嬉しいけど。このソースが気になりすぎて!」
「ライル、このソースはなんていうの?」
「これはマヨネーズって言うんだよ」
「「「「「「「マヨネーズ?」」」」」」」
▽ ▽ ▽
異世界マヨネーズチートはやっぱりすごかった。
村長や奥様方が俺のところにきて、質問責め。
村でそれなりの量の卵が手に入った時に、
俺が作って五世帯で分け合うという俺からの提案でみんながやっと落ち着いてくれた。
マヨネーズチートの波乱は少しずつ落ち着いてきたが、俺の食べ物チートはまだ終わらない。
▽ ▽ ▽
質問攻めが終わり、落ちつて食事をしていると、ルークくんとニーナちゃんがやってきた。
「ライルくん、ノコちゃんとシモンちゃんと遊んでもいい?」
「俺もフリードと遊びたい!」
「直接聞いてみて。皆が良いって言えば遊んであげて」
「わかった。ありがとうライルくん」
「聞いてみる!」
二人がいなくなると、カシムくんとシャルちゃんの兄妹がきた。
「ライル、エクストラスキルおめでとう!」
「ライルくん久しぶり。そしておめでとう!」
前世の記憶を思い出してから、カシムくんとシャルちゃんとの初めての会話だった。
「ありがとう。カシムくんにシャルちゃん」
「俺より年下なのにすげぇな。でも、今日のレインボーバードを仕留めたのは俺なんだぜ!!俺もすごいだろ?」
「本当に?すごいよカシムくん」
「ライルは俺と同じくらいすごいと認めた。だから俺のことは呼び捨てで呼べ!」
「ん?」
「俺の方が年上だけどライルはライバルだ、だから呼び捨て呼べ!」
「わかったよカシム」
熱い展開になっているカシムを横目に、あきれたようにシャルちゃんが話し始める。
「もーう、お兄ちゃんカッコつけないでよ。レインボーバードを仕留めたって、お父さんが打ち落としたのにトドメ刺しただけでしょ」
「ばか!ライバルと認めた奴の前で恥ずかしいこと言うなよ!」
カシムとシャルちゃんは本当に仲の良い兄妹ようだ。二人は俺と話しながらそわそわしていた。
「どうしたの?二人もフリード達と遊びたいの?」
「いや、そのー」
「話してみたい人がいてー」
二人の目線の先にはクララさんがいた。
「弓を使ってるクララさんの話を聞きたいのね。わかったよ、クララさーん!」
俺の呼びかけに応えてクララさんがやってきた。
「この二人は村で唯一の猟師の家の子でカシムとシャルちゃん。弓を練習してるから、クララさんの話を聞きたいんだって。話してくれる?」
「本当に!二人とも私なんかの話でいいならずーっと話してあげる!あっちに座ってゆっくり喋りましょ!」
カシムとシャルちゃんがクララさんに連れて行かれた。
やっとゆっくり食事ができると思っていたら、また人が来た。村長の娘のアメリアちゃんだ。
「ライル、おめでと」
「ありがとうアメリアちゃん」
「私、あなたに負けないから。この村を発展させるのは私だから!5歳でエクストラスキルを手に入れたからって、調子に乗らないでね!!」
アメリアちゃんは言うだけ言ってどこかへ行ってしまった。
「なんだったんだ?アメリアちゃんってあんな子だっけ」
アメリアちゃんについて色々考えていると、次はチャールズ兄がやってきた。
チャールズ兄は穏やかな性格で、みんなのお兄さん的存在。
「おめでとうライル!野菜もマヨネーズ?もすごい美味しかったよ」
「ありがとうチャールズ兄」
「ライルはすごいな、スキルを使いこなしてるなんて。僕はまだまだ全然だから羨ましいよ」
「僕もまだ使いこなせてないよ」
「僕も村のためにスキルを使えるようになりたいから、今度スキルの相談をしにいってもいいかな?」
「チャールズ兄ならいつでも来て」
チャールズ兄は嬉しそうに微笑んで帰っていった。
「やっとご飯が食べられる」
俺はサラダを一口頬張る。
「マヨネーズうまーー!」




