25.両親に紹介
「お父さーん!お母さーん!」
俺は畑で作業をする両親を見つけ、声をかけた。
声に気付いた二人がこっちを見るが、動かなくなってしまった。
「ん?どうしたの?」
お父さんは頭を抱え、お母さんはふらついて座り込んでしまった。
「ライルってやつは本当に……それでちゃんと説明してくれるんだよな?」
怒り半分呆れ半分のお父さんに言われたとおり説明をした。
前に話した進化したフリードを見せにきたこと、
新しくテイムしたノコのこと、
農業を手伝ってくれるゴーレ達のこと。
ちなみにゴーレ達は『秘密基地』の能力ということにしている。
「ほんとにお前ってやつは、凄すぎて呆れてしまうよ」
「全部、『秘密基地』のおかげなんだけどね」
ゴーレ達の能力を詳しく説明し、植物成長促進というスキルを使えること、水汲みを代わりにゴーレとアオがやってくれることを伝えると、お母さんの目が変わった。
「本当なの?それは」
「本当だよ。大丈夫だよね?ゴーレ、アオ!」
「モンダイアリマセン、マスター」
アオも頷く。
「まあ!ゴーレちゃん、アオちゃん、ありがとね。しっかり見たらみんな可愛いじゃない」
そう言うとお母さんはみんなを撫で始めた。
「ライル、お前が作ってくれた畑なんだが、やっぱり成長がだいぶ早くなる。魔力適性を検査しに行く時、野菜を持っていって商人ギルドに買い取ってもらおうと思っているんだ。少しでも収穫数を増やしたいんだが、ゴーレム達に俺の方も手伝ってもらうことはできるか?」
「ゴーレ、できそう?」
「モンダイアリマセン、マスター」
「本当か。ありがとう、ゴーレ。そして、」
「アカとアオとキーだよ。3人は喋ることはできないけど言ってることは理解してくれるから、なんかあったらお願いしてみて」
「アカ、アオ、キーもありがとう」
お父さんはゴーレ達に頭を下げた。
「マスター!ソシテマスターノオトオサマ、オカアサマ、コレカラヨロシクオネガイイタシマス」
ゴーレが頭を下げると、アカ・アオ・キーも頭を下げた。
▽ ▽ ▽
みんなの顔合わせが終わった後、お母さんはフリードの身体を撫で続けていたので、マジックバッグから高級ブラシを取り出して渡してあげた。
お母さんはモフモフ好きなのだろう。
お父さんはノコをみてうずうずしているようだったので、「ノコのこと撫でてくれる?」と言うと、赤ちゃんを抱くようにノコを抱えて撫で始めた。男は昆虫好きだもんな。
ゴーレ達はいつのまにか家の椅子を人数分持ってきてくれた。本当に気がききすぎて、農業専用ゴーレムなのを忘れそうになった。
3人と1頭と1匹と4体でのんびりした時間が流れた。
「そういえば、魔力適性の検査ってどうやって行く予定なの?」
顔が緩んでいたお父さんはいつもの表情になり答える。
「来週には街の冒険者ギルドに依頼書を送って、冒険者に行き帰りの護衛と馬車のレンタル依頼して、
依頼を受けてくれた冒険者が村に到着したら出発する予定だ」
「そうなんだ、馬車って何台必要なの?」
「冒険者は馬車には乗らずに並走することもあるが、街まであまり時間もかけたくないから馬車は人が乗るのと野菜を運ぶので2台にしようと考えてる」
「そっかーじゃああれが使えるかもな」
「ん?あれってなんだ?」
俺はマジックバッグから、カードを取り出して魔力を注いだ。
ポンッ
目の前に木製の馬車が現れた。
「うわ!びっくりした!って馬車がどこから?」
「ぼくもよくわかんないけど『秘密基地』の能力みたい」
サラッと誤魔化し話を続ける。
「お父さん中入ってみて」
「お、おう。思ったより広そうだな。これがあればレンタルする馬車は一つでよさそ、えー!?!?!?なんでこんなに広いんだ!」
馬車の中は通常の倍のサイズだった。
そういえば、説明書に書いてあった気がする。
俺も馬車の中に入ってみる。
すると目の前に小さいウィンドウが表示された。
[この馬車の所有者を登録いたします。登録者を選んでください]
俺は自分を選択した。
[この馬車の使用可能者を登録いたします。登録者をタップしてください。(複数可)]
ん?これはお父さんとお母さんにしとくか
俺は両親を選択した。
[マジック馬車とゴーレ・鞍が同期可能です。同期しますか?]
【YES】をタップした。
「よし。詳しいことはゴーレに聞こう」
ゴーレに詳細を聞いたが、なかなか便利な品だった。
所有者と使用可能者が乗っていないと動くことができない。
今後、登録者を増やすのはゴーレを通じて可能。
マジック馬車の後ろの部分にはマジックボックス(容量50㎥)が設置されていて、それを使用できるのも登録者のみ。
フリードの鞍と同期したことにより、
鞍と繋いでいる時に収納したいと考えると鞍のマジックバッグに収納される。
同期時は片方のマジックバッグしか使えなくなる。
馬車を出したい時は、鞍に触れた状態で出したいと考えると出てくる。
馬車を引く馬は、馬車の重みを感じない。
魔石を使ってカスタマイズができるみたいだが、ゴーレを通してできるそうだ。
「ライル、お父さんはよくわからなくなっちゃったよ」
「魔力適性検査のときは、護衛の冒険者だけで馬車はレンタルしないでいいってことだね。このマジック馬車とフリードとゴーレがいれば街にも行けるし、野菜もいっぱい運べるってことだね」
「そういうことだよな?はぁー。ここ数日驚いてばっかりで心臓止まっちまうよ」
▽ ▽ ▽
日が暮れてきた。
「じゃあ僕らは家に戻るから、フリードとノコは厩舎、ゴーレ達は拠点の家を自由に使ってくれる?」
ヒヒーン!
ジジジジジジ
「アリガトウゴザイマス」
「じゃあ、みんなまた明日」
フリード達は厩舎へと向かって行った。




