13.両親に報告②
『秘密基地』の報告が済み、両親の愛情を感じた俺は、まだ報告をしなくてはいけないことが2つもあることを思い出した。
「実はまだ二人に報告しなくてはいけないことがあるんだけど」
そう言われた二人は笑顔を向けた。
「もうこんなに驚くことを聞いたんだ、どんな話だってしっかり受け止めてやるぞ」
「大丈夫よ、お母さんも受け止めるわ」
「実は通常スキルも習得していて……」
「おーそれはすごいな。その歳で通常スキルを持っていることは珍しいが、こんだけのことができるライルだ。やっぱり農業関係のスキルなのか?」
俺は手のひらを近くの大木に向けた
「エアショット!」
風の塊は大木にぶつかり、大木が音を立てながら倒れていった。
「「え?ま、ま、まほう?」」
▽ ▽ ▽
二人が落ち着くのを待ち、『風魔法』について説明した。
能力を試したくて森に行ったこと
スライムを倒したこと
他にも風魔法が2つ使えること
お父さんは放心状態から吹っ切れた表情になっていた。
「ライル、お前は天才だ!もうお前がすることは、間違ったこと以外は全面的に受け入れる。俺らはお前の味方だ!しかし」
そういうと、お父さんの表情が変わった。
「なんで1人で森に入ったんだ!お前がいくら天才だろうと、モンスターは危険なんだぞ!なんもなかったからよかったものの!お前は俺らの息子だ!お前が怪我でもしたら俺らが悲しむことも考えられないのか!」
「そうよ、私達にとってあなたは宝物なの。魔法の威力を見たからそこらへんのモンスターにやられることはないのかもしれないけど!いくら、天才だろうと大人びただろうと、私達に何も言わずに危険なことをするかのは許しません!」
怒られている。
俺のことを思って怒ってくれている。
最後に怒られたのはいつだったかな。
前世で引きこもって、プライドと恥ずかしさで両親と全然話してなかったな。
相談とかしたら、親身になってくれたんだろうな。
間違ったことをしたら怒ってくれたんだろうな。
俺が突き放してるから、何も言わずに見守ってくれてたんだな。
俺、本当に前世でなにもやらなかったんだな。
今の両親に怒られていることがうれしくなり、
前世の両親のことを思い出して不甲斐なくなった。
前世でやらなかったことをやろう。
前世の両親にしてあげられなかったことをしよう。
この二人に親孝行をしよう。
絶対に。
俺の目から涙が溢れてきた。
「ご……ご……ごめんなさい」
その様子を見た二人はそっと俺を抱きしめた。
▽ ▽ ▽
「落ち着いたかライル」
「……うん」
前世と合わせて33歳にもなって大号泣してしまった。でも、改めて決心した!二人を必ず幸せにする!
「はぁー疲れちゃったわ。色々びっくりすることが多すぎて」
「そうだな、ライルとは家に帰って今後の相談もしなくちゃな。よし、家に帰ってご飯にしよう!」
二人が家に帰ろうとする。
「あ、あのー。あと一つだけ二人に言わなきゃいけないことがあって。『秘密基地』で作った建物に来てほしいんだけど」
「おい、まだあるのかライル!もうどんなことが起きてもびっくりしないぞ!」
「私はダメかも、びっくりする未来しか見えないわ」
▽ ▽ ▽
「「モンスター!!!!!!」」
厩舎の庭で走り回るフリードを見て叫ぶ二人。
「僕が助けたブラックスターポニーのフリードだよ。モンスターに襲われてたところを助けたら懐かれちゃって」
「それはテイムしたってことか?ということは通常スキルの『テイム』も取得してるのか?」
あーそっか、そうなるよね。詰めが甘すぎた。スキルなしでテイムしたってなるとフリードが危険視されちゃうし、『テイム』をもってると大人でも珍しい通常スキル二つ持ちになってしまう。モンスタースナックの話をするわけにもいかないし
返答に頭を悩ましてるとフリードが柵越しに顔を舐め回してくる。
「食べられてるわけじゃないわよね?」
「大丈夫なのか?本当にそれは」
よし!決めた
「僕は『テイム』のスキルも取得しているんだ」
二人は呆れた顔をした。
「もう凄すぎて、どこを突っ込めば良いかわからないぞ。まあライルのことだと割り切るしかない。
マイア、俺らの息子は本当に天才なのかもしれない」
「そうね、ライルのことは大きい心で見守りましょう。私達は間違った道に行かないようにさせる」
「お父さん、お母さんほんとに受け入れてくれてありがとう」
俺は頭を下げた。
「当たり前だろ。俺らは家族なんだから。あーもう疲れたな、畑仕事より疲れたぞ。二人ともそろそろ暗くなるから家に帰って飯にしよう」
そういいながらお父さんとお母さんは俺に手を差し伸べた。
俺はその手を握り、手を繋ぎながら家に帰った。




