99.大説教
昼をだいぶ過ぎた頃。
チチチ!!
シモンが俺を呼びに来た。
「やっと起きたか」
俺はT字の支柱の元へ向かった。
「おはようございます!みなさん!」
ヒューズさん達はバツが悪そうに
「ラ、ライル、本当にすまなかった」
「ライルくん、ごめんなさい。反省してるわ!」
「ライルー許してくださいー!」
と謝罪を述べる。
「今だいたいどれくらいの時間かわかります?」
「えーっと昼前とかー?」
「クララさん、太陽の位置を見て時間がわからないようなら冒険者やめたほうがいいんじゃないですか?」
クララさんはわかりやすく落ち込んだ。
「リリアンさん。子供達はみんな時間通りに学び舎に来たのですが、どうしたと思いますか?」
「えーっとその…自主練?」
「どうしたらいいかわからず、僕を呼びに家まで来ましたよ。ここにいる子供達はみんな疾風の斧を尊敬しているのに、ダイニングで醜態を晒してましたよ。リリアンさんを師匠と仰ぐニーナも悲しそうでしたよ」
リリアンさんもわかりやすく落ち込んだ。
「雷虎の拳のみなさん!昨日はあまり話せなかったですね。あなた達は何をしにここにきたんですか?」
「えーアイザックさんの護衛です」
「アイザックさんに雇われているってことですね。じゃあアイザックさんにとって俺ってなんだと思います?」
「えーっと、し、仕事仲間?」
「間違ってはいませんが、正確には取引相手です。そしてまだ取引はしてません」
「あっ…」
「あれ?雷虎の拳という冒険者パーティの今回の依頼って、雇い主の取引相手の家で酒を飲み昼過ぎまで起きず、雇い主の取引相手に醜態を晒すことなんでしたっけ?冒険者ギルドもいろんな依頼があるんですね!」
雷虎の拳もわかりやすく落ち込んだ。
「ヒューズさん」
「本当にすまなかったライル!本当に反省している。だから許してくれ!」
「昨日ゾーイから伝言聞きました?」
「聞いた…」
「醜態をさらさなければ子供達が来る前までなら寝ていていいと、お酒も好きなだけ飲んでいいと」
「はい…」
「それって前者を守らず、後者だけ守るってありえます?」
「ありえないです」
「うちの村の子供達の憧れが、ダメな大人に見えてしまってもいいんですか?ガッカリさせていいんですか?」
「だめです」
「ヒューズさん!1番ガッカリしてるのは僕です」
ヒューズさんはとてつもなく落ち込んだ。
「どうします?みなさん?反省は特に伝わらないのですが」
6人の大人が落ち込み過ぎて、返答がない。
「許して欲しいですか?」
「「「「「はい!」」」」」
「お酒は適量と約束できますか?」
「「「「「はい!」」」」」
「慕ってくれた子供達をガッカリさせないですか?」
「「「はい!!!!」」」
「分かりました。ある条件で許しましょう。シモン、解いてあげて」
チチチチ!
地面に落ちる6人。
「やはり、冒険者パーティっていうのはリーダーが責任取るべきですよね?ヒューズさん、ガッツさん?」
「そ、その通りです!」
「ライル!何をさせるつもりだ!」
「2人には、素手のみで子供達と模擬戦をしてもらいます」
「それで許してくれるのか?」
「子供チームの武器は木製、矢は先端を潰したもの、スキルと魔法は使用可」
「「え?」」
「僕も子供チームに参加します」
「えー!!」
「どうしたヒューズ。子供と模擬戦すれば許してもらえるんだぞ?」
「お前はあの鬼をわかってない。光剣の輝きとの戦いを忘れたのか?」
「あっ」
「どうします?やらないと許しませんけど」
「「や、やります」」
ヒューズさん・ガッツさんvs子供達の模擬戦が決まった。




