表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
憂鬱な天国 Ⅰ 幽霊  作者: 倉木英知
蠱毒 毒と成る。
23/106

妻だった人。


 私には百合ゆりと云う名の妻がいた。いたと云う事は過去形になっている事を示す。そう、彼女は6月下旬頃、2人の子供を残し、此の世を去ってしまったのだ…。何故なら、彼女は《連続婦女暴行絞殺事件》の被害者になってしまったからだ。


 彼女の遺体に立ち会った時の事。


 彼女は、眠っているかに視えた。今にも起き出して、いつもと変わらない笑顔を向けるのだろう。と、そう錯覚しそうだった。生きているのか、其れとも死んでいるのか判別出来ない…。ソレほど迄に彼女の遺体は綺麗だったのだ…。


 ただ1つの箇所を除いて…。


 彼女の遺体の1部は変形していた。首の骨が大部分砕けてしまっているらしく、グニャリと首はネジ曲がっている…。半開きの唇からは、艷やかな舌がチラチラと此方を覗き込んでいた。


 其の姿は、まるで蛇の様だった…。

 妖艶で淫靡的で刺激的だったのだ…。


 彼女は爬虫類が好きだった。特に蛇への愛着は度を越している様にも思えた。死に際に、彼女は蛇にでも成ってしまったのだろうか…。ソレほど迄に蛇への憧れがあったのだろうか…。


 そう思案していた時の事だった…。


 彼女の遺体は、唐突に眼を見開き、ギロリと此方を睨んだのだ。ビクリと私の肉体は反応する。


 「あぁ。気になさらずに…。よくある事なんですよ。」

 隣に居た法医学医は、そう云った。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ