去ってしまった
掲載日:2017/10/23
黒井羊太さま「ヤオヨロズ企画」参加作品です。
おいらの実体はつかめないさ、
あんたがたとえ、月をつかめるとしても。
何よりも足が速いんだから、
おいらの実体はつかめないさ。
おいらがあんたに描かせた絵、
再現できてると思ってるのか?
笑っちまうな。
あんたの再現した絵は、
おいらの描かせたそれじゃない、
まるで違う。
例えるならば、大阪城だ、
想像で建てた、黒くない大阪城だ。
焼け落ちた、天下の城とはまるで違う。
あれはあれで、いい天守ではあるが。
そうさ、
あんたはもう、
……な。
そうよ、
おいらはもう、
……な。
おいらの実体はつかめないさ、
あんたがたとえ、月をつかめるとしても。
何よりも足が速いんだから、
おいらの実体はつかめないさ。
夢で見た絵。
おそらく、夢の中の私が描いたもの。
目が覚めて、夢だったとわかったので、
現実に再現してみました。
なんとなく、形は覚えていたものの、
たぶん夢で見たのとはだいぶ違うのだろうなと思います。
「夢想連歌」という言葉がありますが、あれって本当にできるのかな……?
ちなみに、「夢」はギリシャ神話では「オネイロス」として神格化されていますね……。




