11話 ネスティーの正体
セシル「ちょっと!?他の事に気を取られてランシェに突っ込み入れ損なってる!」
三歳「それ(他の事)を言い出したのもお前だけどな」
サクヤ「今日はさっさと始めますよ!」
クレア「始まります!」
『そんな事を言っている場合ではなかろう!』
リアの言葉に私は現実へと引き戻される。
私がランシェに目を奪われている間に皆は既に臨戦態勢に入っていた。
「散開!恐竜から距離を取って!!」
「もうやってますよ!」
私の号令にサクヤがやや呆れ気味に毒を吐く。
だがそんな私たちを嘲笑うかのように2つの絶叫が重なる!!!
「皆さん!どいて下さい!!!」「Guyaaaaaaーーー―――……!!!」
装甲車の屋根に乗ったランシェが取った行動に
アレが何なのか知っている私たちは戦慄する!!!
「全員全力散開!!!!!」
私の声に従うと言うより...
アレに怯えるように、蜘蛛の子を散らす勢いで離れていく。
そう...先程まで目の前に居た巨大な恐竜に、眉一つ動かさなかった猛者たちが...
〝ヴァーァラ゙ラ゙ラ゙ラ゙ラ゙ラ゙ラ゙ラ゙ラ゙ラ゙ラ゙ラ゙ラ゙ラ゙ラ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ーーー―――ン゙ン゙ヴヴ‐‐〟
・・・・・・・・・・シーーーーーーン・・・・・・・・・・
余りの爆音に思わず耳を塞ぐ仲間たち。私も人のことは言えないが
「・・・・・!」
巨大な恐竜は文字通り、蜂の巣と言う言葉を体現したような姿になった。
それよりも...さっきからサクヤが何か言っているようだが、生憎耳鳴りがしていてよく聞こえない。
それよりも霧の向こうにいた恐竜が気になりそちらを見てみると
「ピニャーァ――」
身体に似合わない可愛い声になっていた。いや、見た目はさっきとは比べ物にならない程おぞましい姿になっていたが
「アレ...なんで動いてんの?ひょっとして、最初からアンデッドだったの?!」
『ちがうぞぇ!アレは傀儡じゃ!!』「クグツ?」
『操り人形みたいなもんじゃ!』
私の疑問にリアが念話で答えるがその意味を今、知ることになる!!
「にゃぴゃ〜」
(ぴゅん)ペシン!(ぴゅん)ペシン!(ぴゅん)ペシン!
風穴が空き喉からも腕からも空気が漏れたりして、たまに笛のような音も聞こえている。
そんな腕でさっきから装甲車を叩いているが
(ぴゅん)ペシン!(ぴゅん)ペシン!(ぴゅん)ペシン!
「ん〜にゃうぅ」
ヤバい...見た目はグロテスクなのに、なんか可愛い?
『はぁ?!可愛いじゃと?アレが?!』
「いや、なんか...ねぇ?」『同意を求めるでない!』
リアがかなり引いたようだが『キモカワ』って概念は『あるわけ無いじゃろ!』無いそうだ。
「ゲビックおじ様!下がって下さい」
ランシェの言葉にゲビックが応えたようだ。ゆっくりだが装甲車が下がってゆく。
その動きを見た仲間たちが「げっ!?」っとでも言ってそうな表情でランシェを見た!
「撃つでない!重機関銃は試作品じゃぞ!!」「?!はい!大精霊様!」
咄嗟にリアが叫んで止めてくれたおかげでランシェが踏み留まった。
『何をしておる!さっさとあの出来損ないを片付けるぞ!』
『え、えぇ...』『...仕方ないのう』
リアが言う事に理解は出来ても具体的に何をして良いか分からず、曖昧な返事をしてしまう。
するとリアは私にやれやれとでも言いたげな態度を示し崩れた恐竜の元に歩み寄る!
「ちょっと!危ないわよ?!」
思わず声に出してリアを制止してしまったがリアは聞く耳を持たず、スタスタと歩みを進め
「ピニャーァ――」
咆哮を上げているつもりの崩れた恐竜にリアは手をかざした。その瞬間...
ベチャ...ドササッ......グチュッ
キモカワは溶け落ちるようにその場で肉塊と化した。
「嘘でしょ?!何でそうなるの?!」
いきなり気配が現れ元キモカワだった物体に歩み寄る一人の女性。だがその気配に覚えがある私が
「セバス!」「分かってる!姉御!」
言うなりセバスと残りの二柱がキモカワの傍に現れた女性を取り押さえる。
「ちょっと!あんたらNULL’sの癖に生意気...ってマルバス?!」
「「誰がヌルズだ!俺にはモールって名前があんだよ!!」」
「はっ?」「まぁまぁ落ち着くッスよ、サミジナ」
悪魔族二柱に取り押さえられた(正確にはセバスがサミジナと呼んだ人を背後からぶっ飛ばし、うつ伏せで倒れ込んでいるサミジナをモールとベックが抑え込んだ)サミジナに、セバスは元キモカワだったモノから何かを(あんま見たくない)汲み取った。
近寄ってきたゲビックが手に持った魔具の中にセバスが持ってるモノを入れて何やら錬金加工し始めた。そして出来上がった魔具をサミジナと呼ばれた柱の首に取り付けようとする。
「大人しくするッスよ」
「ちょっと!?マルバス?!な、何する気よ!止めっ...!?」
セバスが魔具を取り付けゲビックが魔力を送り魔具を起動すると
「ひうっ!?」
サミジナはどうやら身動きが出来なくなったようだ。そして
「嬢ちゃん、コレを」「なにコレ?」「まぁ平たく言えば制御用の魔具だ」
ゲビックが私にサミジナに取り付けた魔具の制御用の魔具を手渡してきた。
「指輪かぁ...」
私はゲビックから手渡された指輪を眺めながら少し...いや、かなり悩んだ。
『ただでさえ指輪を一つ身に付けてるのに、更にもう一つなんて』
『ならこうすれば良かろう』『!?』
そうリアが私に念話で告げるとサミジナに近寄り『むひぃ゙!?』胸を揉んだ。
『なぜ?』『デカい乳に触れた事が無い故、ただの興味本位じゃ』
私がリアの行動を怪訝に思い見つめていると、今度はランシェに
「指輪を身に付けよ。今すぐにじゃ!」「!?はい♪」
指輪を放り投げた。指輪を受け取ったランシェは躊躇なく身に付ける。
『私と同じ指に』『お主を慕っておるからのう』
『直感じゃない?』『ソレはお主じゃろ』
リアの言葉にまぁ妹だし感じ方が似ているだけだろうと思っていたら
「お姉様とお揃い!しかも大精霊様から頂きました♪」
ランシェが指輪を身に着け天に翳しながらウットリしだした。
そして満面の笑顔でこちらを見ながら頭を下げると
「だ、誰?!今の?!」
突然サミジナがキョロキョロしだし、それを皆で訝しみながら目をやると
「えぇ〜!?指輪お姉様とお揃いじゃないんですかぁ〜〜〜?!」
ランシェが嘆いた。
『そんな訳なかろう』『それ直接『イヤじゃ!』あっ、そう』
『ついでじゃ。ソレでサミジナを使役するよう言ってくるのじゃ』
妹との接触を何故か避けるリアに言っても仕方無いので、私はランシェに今リアに言われた事をそのまま伝えた。すると
「あなたは今日から私の専属メイド【サミー】よ!」「はぁ?」
なんかどっかで見たような光景でランシェがサミジナを使役した。
「良かったなぁwサミー」「ちょっとマルバスまで「俺の名はセバス=チャンだ」はぁ〜...ん、あれっ?!」
無事名付けも終わりその事をサミーに触れながらセバスが告げるとサミーもその事に気付いたようだ。
「わ、私...実体になってる!?えっ?!実体化はマルバスの固有能力で他柱には使えないんじゃ...」
「そんな事より他に気付く事無いの?」「なに?この偉そ...(ブルブル)」
実体化したサミーに私がもうアガレスとやらの呪縛から解放されている事に気付いてもらおうとしたが、この様子では無理かな?
「サミジナよ、気付かんのか?先程我が触れた時に、何が起こったのか」
「......!?呪言が消えてる?!私、解放されたの?」
リアの言葉でやっと呪縛から解放された事に気付き涙を流すサミー。
それを見て喜ぶモールとベック。だがそれを見たサミーは
「なんでヌルズが喜んでるの?」
「「モールだ!!」」「そんなのどっちでもいいわよ!」
他柱に普通興味の無い悪魔族がなぜ悦んでいるのか気になっているサミーを見て、ゲビックが真実を述べた。
「そりゃぁ実験から解放されたんだ。悦んでも不思議じゃねぇだろ?」
実験の意味が分からずサミーはゲビックに詳細を聞き
「そういう事なのね!」
ヌルズと呼んだ二柱を追いかけ回した。だが怒った筈のサミーの表情はどこか嬉しそうだ。
ランシェ「(指輪を眺めて)はぁ〜」
セシル「嬉しそうね。右中指意味、分かってる?」
ランシェ「どういう意味なんですかぁ?」
セシル「邪気から身を守るって意味よ」
リア「悪魔族を使役する指輪じゃぞ?」
三歳「むしろ邪気を纏うの間違いじゃねえかw」
サミジナ「私別にそんな悪意とか持ってませんよ」
セシル&三歳「ここに来れんのかよ!!」
クレア「続きます♪」
読んで頂きありがとうございます(╹▽╹)
☆☆☆☆☆評価…可能であれば…
リアクション……お気軽にして頂だけたら幸いです♪
感想、レビュー…ハードル高いと思いますが頂だけたら嬉しいです(≧▽≦)b"




