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転生先が公爵令嬢だったのでちょっと世直しして来ます♪〜昭和世代の倫理観で勧善懲悪世直し祭り〜アベさん!カイさん!やっておしまいなさい!  作者: 石上 三歳
2章 学生編突入!騎士軍学校は敵だらけ〜高貴な者には義務が無い?〜

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9話 配下たちの思惑

「カイン様」「サクヤか...どうだ?」「予想通りの結果でした」「そうか」


待ち合わせ場所で合流したカーウィン殿と収集した情報を照らし合わすも、結果は同じだった。


「結局、ニス湖(ここ)に来る前から得ていた情報と変わらずですか」


「それも含めて予想通りなんだろう?」「はい♪カイン様♪」


私の呟きに皮肉を込めてくる上官(カイン)ゆとりを持って(満面の笑みで)受け流す。


「何も得るものは有りませんでしたが、仕方ありません。セシル様の元へと向かいましょうか」


「ワザとやっているのか?」「先程クレアが申し、セシル様が承認なさっておりましたので」


提案とも、独り言とも取れるよう言った私の物言いに、カーウィン殿が挑発めいた口調で()いかけてきた。それに応じ、私も同様に答える。


「良いだろう。初見での見栄(みえ)...どこまで張れるか、お手並み拝見といこうか」


そう言ってカーウィン殿は大精霊(リア)様の元へと足を向けた。


(あの緩みきった環境(たるんだ公爵家の中)で唯一気を抜()ない男...)


私の演技を見抜いた上で必要な情報を与え、更に私を試そうとする...


一筋縄(ひとすじなわ)ではいかないわね」


カーウィン殿の背を(うかが)いながら、どうやって(諜報部に)食い込もうか...

私は思案しながら彼の後に続いた。






(サクヤ=リノ=エルフヴェール...出会ったのがヴェルノア様亡き後だったのは、不幸中の幸いかもしれんな)


背中に彼女の気配を感じながら、ふとそんな考えが頭をよぎった。


(覚悟が決まっていなければ...サクヤは(おろ)か軍学校でも、(さか)しいだけの()れ者に遅れを取っていたかも知れない)


だが実際に悪意を感じその対応に追われる事で身に付いた能力(もの)は、所詮対処療法でしかなかったと()()()に知った。

主君と奉じた方(ヴェルノア様)から今際(いまわ)(きわ)に聞いた諜報部の存在。

そこで得た、真なる忠義に殉ずる(決して表舞台に出ない)者たちから託された想い(覚悟)

それらが無ければ今頃、エルフ家(サクヤ)の思うままにされていただろう。

何も知らなければ、それも悪く無かったかもしれないが...


(ヴェルノア様の本懐(ほんかい)姫殿下(セシル様)本懐(やりたい事)が重なった今、私の本懐は忠義そのものとなった)


サクヤの視線に傀儡(かいらい)とならずに済んだ幸運(精霊の導き)に感謝しつつ、私は大精霊(リア)様の元へ向かうべく足を早めた。






「早かったのう。その様子ではあまり(かんば)しく無かったのであろ?」


「はい。申し訳「良い良い。どうせ想定の範囲内じゃろ?」...その通りで御座います」


「ならここに居ても仕方あるまい。さっさと湖畔(こはん)へ向かうのじゃ」「ハッ!」


律儀に報告して来たカーウィンとサクヤに、我はセシルの元へ急ぐよう求めると


「リア様?「様を付けるでない!我はお主の娘であろうが!」へ、へ〜い」


アレクの(やつ)め...我を敬う気持ちは分かるが、周囲の眼がある事を(なんの為の役割か)忘れてもらっては困る。


「そう思うなら()()も言葉遣い直してくれよぅ」


「思った事が口に出てますぜぃ♪」「お主は黙っておれ!」「へいへい」


小声で発したつもりが聞こえてしまったのだろう。じゃが

アレクが萎縮しているのに対して、マルバスは大分(精霊()に)慣れてきたようじゃ...


「それよりマルバスよ。例のモノは無事運んできたのかぇ?」「.........」


()()()()()?」


「来ました!来ましたから!その威圧(いあつ)止めて下さい!」


ちと慣れすぎているようなので、お(きゅう)()えてやった。


「ひでぇ...黙ってろって言ったくせにっ!ひぃいいっ!!!」


反省が足りてないようなのでオカワリしてやった。


「マルバス。今のは余計な事は言わず聞かれた事には答えよと、そう言われていたのだぞ」


「わっかんねよ〜そんな事...?!いや!今、理解しました!」


カーウィンの助言に感謝しないマルバスに再教育を(ほどこ)すと、マルバスは心身共に(こお)りつかせた。そんな中アレクが申し訳なさそうに口を開く。


「湖畔の、どの辺りに向けて出立(しゅったつ)しましょうか?」


どうやら先程のやり取りで、近くに居た人間たちにも悪寒(おかん)が走ったようじゃ。

サクヤが周りを見ながらキョロキョロしており...


「湖畔の途中までは街道(かいどう)を行くが良い。進行方向を変えるのは、周りに人影が無くなってからじゃ」


多少申し訳なく思いながら我が言うと、アレクは小さく返事をしてそそくさと行動に移した。

そんなアレクたちを見ながら


「とりあえずどの辺りかだけでも教えて貰えますかい?」


マルバスが野営場所を聞いてきたのでザックリと伝えると


「ザックリ過ぎませんかぃ?!」


「仕方なかろう!あやつ(セシル)も移動中なんじゃぞ?!」


うへぇ〜...とでも言いたげな顔をしてマルバスがコチラを見てくるが、コレばかりはどうしようもない。

結局途中まで付いて来ることでセシルとのやり取りを待ち、ある程度の場所が決まってからマルバスは例のモノの隠し場所へと向かった。






「ふいぃ〜...エラい目に合ったぜぇ」


「どうせまたチョケ(ふざけ)おったんじゃろ?」


「そりゃねぇよ親方!?」


帰って来たマルバスにカマをかけたら、相変わらずの結果に(おさ)まっていたようだ。

そんな事より俺は何処(どこ)に向かえば良いかが気になって仕方ねぇ。


「で、何処に向かえばええんじゃ?」


「まだ早いっすよ。日が沈んでからっすね」


「別に構わんじゃろ?どうせ街道から外れとるんじゃ」


「親方ぁ...この装甲車(パンチャーゲン)って奴、砂埃(すなぼこり)が目立つんですって!」


「むぅ...仕方ないのぅ」「それよりアレ、やっちまうっすよ!」


俺が嬢ちゃんとこに行こうと場所を聞いたら、マルバスの野郎はまだ早いって言いやがる。

しかも目立つからダメときた。その上でアレを完成させたいらしい。


「まぁ実験体(モルモット)も居るし、何とかならぁな」


「そうっすね」「「(ひど)すぎませんかねぇ!!」」


(わめ)二柱(2人)を余所に、俺は魔具(アレ)を完成させるべく作業を始めた。






「今夜は、少し冷えるみたいですね」


精神生命(アストラル)体である悪魔族(トイフェラッセ)には、およそ五感というものが無い。

宿主(しゅくしゅ)を得る事で一時的に五感を得る事はあるが、基本的に自らに(てき)する肉体を持たない我等は五感(ソレ)を感じ得ない。

だが水面(みなも)を見て水蒸気(蒸発霧)が発生するかしないかで、おおよそ(日中と)の気温差を知る位は出来る。


「今夜は、あまり月が綺麗ではありませんね」


そんな事を思いながら、湖に我が分体(自分の魔力を)となる媒体(練り込んだ肉片)を浮かべる。


「往け!」


私の意に従いソレは幻獣となるべく周りに在る、ありとあらゆるモノを取り込んでいく...

やがてソレは小さな丘に長い首のようなモノが付いた、よく分からない物体(幻獣モドキ)となる。


「沈め!」


まだ幻影(げんえい)(まと)ってない幻獣モドキが湖に沈んでいき、やがて見えなくなる。


「今夜も、人間どもはやって来るのかしら?」


あれだけの恐怖を得る為に、下手をすれば心的外傷(心に消えない傷)を負うことになるのに...

私は人が持つ不可解(ふかかい)さが、(いま)だに理解出来ない。まぁしたいとも思わないのだが。


「だから私は【怠惰を貪る者(サミジナ)】と名付けられたんだったなぁ」


宵闇(よいやみ)に沈む太陽と昇り始めた月を交互に(なが)めてから、最後に湖畔を眺め私は気配を消した。

三歳「伺う、窺う、覗う、諜う、どれもシックリ来ないんだよなぁ」

セシル「またなの?!ここは学校じゃないのよ?」

クレア「国語の授業みたいですねぇ」

サクヤ「...で使ったのが『俔う』ですか。普段使わない漢検1級の文字じゃないですか」

三歳「でも忍者(しのぶもの)って意味合いがあるから、サクヤにはピッタリだろ?」

サクヤ「諜報員を勝手に忍者扱いしないで下さい!」

リア「他に気になる事はないのかぇ?」

セシル&サクヤ「???」

三歳「まぁ今まで無かったのが、逆にスゲェんじゃねぇか?」

クレア「(セシルの方を見て)!?続きます♪」

セシル「???」


読んで頂きありがとうございます(╹▽╹)

☆☆☆☆☆評価…可能であれば…

リアクション……お気軽にして頂だけたら幸いです♪

感想、レビュー…ハードル高いと思いますが頂だけたら嬉しいです(≧▽≦)b"

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