1話 増える家臣は敵か味方か
セシル「さぁやりますか♪」
三歳「もう俺に自伝書かせてるんじゃねぇか?」
リア「寒い夜はやっぱ鍋じゃの♪」
三歳、セシル「リア?!」
クレア「始まります♪」
悪魔族の襲撃からは...大きな出来事は無く世間的には無事に年を超え、平和な時を過ごしていたのかもしれないが...
「嬢ちゃん!いい加減カンベンしてくれ!!」
ゲビックは今日も元気そうだ。
『おい...ソレ...我にしか通じんぞ...』
「そう言って...面白かったから声に出せなかったんでしょ?」
私は元からゲビックの不平不満を聞く気は無かったので、リアをおちょっくてみたのだが...
「ッ・・・・・!?」
爆笑中である。なんで笑いの沸点低いのだろう?それよりも...
「ホレホレ♪ホレホレ♪」
「馬鹿野郎!もう入れるなっちゅうとるんじゃ!」
悪魔族が仲間?になった事だ。
コイツは他の悪魔族と違って物理的に悪魔の姿から人の形に自分を変質させる事が出来るのだ。本人曰く「機械工学の知識もある」のだそうだ。
「さて...なぜマルバスが此処に居るのか?何だけど「ちょっと待つのじゃ!」なによ?」
私の状況説明にリアが待ったをかけた。
「先にゲビックをどうにかせい!気になってしかたあるまい!」
私は後でも良いと思ったが...「仕方ないわねぇ」と言って
「マルバス!その辺で止めて。気が散るらしいの」
「へぇ〜い姉御」私の言う事に素直に従う悪魔族...父には見られたくない...
しばらくしてゲビックが「ひでぇ目に合ったぜ」と言うが今は...
...どこから説明しようかしら...「はぁ...とりあえず」
「サクヤ?」「ハイ!」私が呼ぶと同級生は家の使用人の服を着ていた。
「貴方、その格好...」「まぁまぁ良いじゃないですか♪」「良くないですぅ〜」
クレアの不満が入ったが
「まぁ良いわ...今貴方が見ていたのは昨日貴方が帰る前に見た物に付ける物よ」
そう言って私は細かい所はゲビックに説明させた。要するにタイヤ...に使う為のゴムを作っていたのだが
マルバスの悪戯で作りすぎてしまった。
「今見てる物を作りたい型に流し込んで、酢酸を混ぜると固まるのよ」
「酢酸?」「お酢の事よ」「へぇ〜」
私の説明を聞いてサクヤは素直に称賛しつつ、外にある車のタイヤと目の前にある物を見比べていたが...
「どこからこの知識を?」「ソコは各製品を見れば分かるでしょ?」
私はサクヤに推測させた...まだコイツは信頼出来ない。
「それよりアナタの事を信用して話したい事があるわ」
私は声の声音を落としてサクヤに向き直る。サクヤもコチラの意を汲み姿勢を正した。
「マルバス...来て」「へい!姉御」
私の短い指示に従いマルバスも短く応えやって来る。私は
「マルバス...彼女に自己紹介して。正式の方よ」
「!?いいんですかい?」「構わないわ。私の手駒になりたいらしいから」
マルバスに悪魔族...滅びを齎す者として、互いに自己紹介させる。
「なれば...」マルバスは一拍置き、サクヤを見据え...「人型変容...解除!」
そう言った瞬間...ライオンを少し人に寄せたような...人馬族のライオン版みたいな姿になり...
「「「ひぇぅ!?」」」「ちょっとクレア!脅かさないでよ!」「私のせいですぅ?!事前に言って下さいよぅ!」
サクヤだけでなくクレアも驚いてしまい、まだ見てない(知ってはいた)私も釣られてしまった...と言う事にしておこう。
それよりもゲビックが...驚いていないだと!!
当のマルバスは少し喜んでいるような気がするが(ニヤリとした!!)サクヤを見据え
〚我は悪魔族が一柱、序列第五位にして変質者...マルバスである。見知りおけ、人間よ〛
ごっつい低くブレた...間違いなく人間では出せない声で、自己紹介した。
「セ、セシル様?!こ、これは、一体...」
「コイツは...私の執事よ!ね♪セバスチャン♪」
〚「「はぁぁぁぁぁあっ?!」」〛
まだ誰にも、本人?にも言っていなかったので予想通りの結果に満足する。
ただ、驚く意味は違えど同じように絶叫したマルバスに私は
「当たり前でしょ!変質者って名前だと一発で怪しまれちゃうでしょうが!」
私の言葉に〚「確かに」〛と納得する二人が言ったが
「マルバス、とりあえず人の姿に戻って。声が聞き取りにくいわ」
私の言葉に「へいへい...」渋々といった感じで戻ってから返事をするマルバス。
「ありがとう、マルバ...いえ!今日からアナタは『セバスチャン』よ♪」
(あくまで執事...悪魔族的笑いの完成よ♪)
そう思っているとリアが『ソレ、もう有るから止めておくのじゃ!』と念話で伝えてきた。
『そうなの?!』『そうなんじゃ!倫理的不可じゃ!諦めい!』
『それなら...こうするわ!」私は状況に追いてきていない二人に、目の前で改めて宣言する。
「もう一度言うわ!アナタは今日から『セバス=マルバス=チャン』マルバスは人前では読まないから『セバス=チャン』よ!決まりね♪ヨロシク!セバス♪」
私の宣言に「あ〜...はい。確かに本名...って、マルバスはアンタらの幼名とは違うッスからね!」と不満を口にしつつもセバスは了承した。
『ヤレヤレ』リアが呆れているのはとりあえず無視して
「サクヤ?アナタは自己紹介しないの?公爵家だけに腹を割らせる気?」
私が少し圧をかけるとサクヤは淑女の礼節でなく、我が諜報部式の礼をしてみせた!
「サクヤ=リノ=エルフヴェールです。公国が王国だった頃から諜報に特化した家柄です。勿論、今もエルフ家はドール家直轄ですよ♪誰も知らないでしょうけどね。それと...」
十分驚いた所へ、更に衝撃的な事をサクヤは言い放った。
「私は単独でセシル様に従きに来ました。初代王族女系女子筆頭...言い換えれば、「止めよ!」...はい♪大精霊様♪」
......沈黙が続く......コイツは...私たちしか知らない筈の事を、どこまで知っている?!
「気になる点がいくつかあったけど...」私はリアを見て『我も知らんが今聞くべきでない』と再度状況を把握し
「サクヤ...貴方をカーウィンの副官に任命します」
「あら?セシル様の子飼いの下ですか?」
私の指示にサクヤは不満気味に答えるが、それに対して私は貴族らしく振る舞う。
「諜報部の長になりたいなら、先に結果を出しなさい」
「その言葉...お忘れなきよう」
だが彼女は不敵に笑って、臣従の言葉を口にした。
セシル「ねぇ?ギャグ路線に行こうとしたのになんでまだシリアスなのよ」
三歳「いや...話には流れってモンがあるだろ?」
セシル「それだけじゃなくて...私が言った事と違うトコあるわよ?」
三歳「セバスチャンのくだりか?そのまんまだよ!(多分著作権的に)使えないの!」
リア「それより...脱線したじゃろ?」
三歳「うっ!」セシル「そうなの?」
リア「お主、自分の話であろ?抜けておるトコに気付かんのか?!」
クレア「未回収の伏線は次のお話で語られます♪尚、脱線したせいで今話のタイトル変わっちゃいましたね♪」
一同「「「...(バラすなよ)」」」
クレア「次回『14話 辛辣な挨拶より陰湿な陰口の方がキツイ』に続きます。今度は変わらないと良いですね♪」
三歳「変わらんわ!ってまだ書いてないのに決め打ち止めて...」
リア「ここではクレアが一番強そうじゃの」
セシル「.........」
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