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第60話 『再びコンビニ裏へ』

学校帰り、アコウとミコトは昨日異変が起きた場所へと足を運んだ。

「……無いね。あのコンビニ、丸ごと」

アコウがつぶやく。昨日まで確かにそこにあった建物は、何もなかったかのように消えていた。地面には違和感も残っておらず、まるで最初から更地だったかのよう。

「うーん、夢だった……とか、じゃないよね?」

「そんな都合のいい夢あるわけないでしょ。あの恥ずかしい格好の記憶、バッチリ残ってるし……」

ミコトは若干顔を赤らめて言った。

「でも、どこから入ればいいのか……昨日は、唐突に開いたみたいだったし」

アコウは思案しながらポケットを探ると、小さな石を取り出した。――認識阻害の石。

(昨日の手紙も、この石で隠されてた……なら、もしかして――)

「……最初の、コンビニ。あそこに戻ってみようか」

ミコトが目を丸くする。

「え? でも、あっちは閉じたままでしょ?」

「でも、あそこだけは最初から“場所”が固定されてた。もしかしたら、何かあるかも」

2人は自転車を引いて最初のコンビニ――“裏ダンジョン”の始まりの場所へ向かう。


■最初のコンビニ・裏手

夕焼けが町を包みはじめる頃、2人はその場所に到着した。コンビニの建物はいつも通り、店内から流れるFMラジオも変わりはない。

だが、その裏手。以前と同じように、ごく自然に“それ”は現れていた。

「……ある。扉……」

アコウが声をひそめて言った。

壁の一部がわずかに滲むように、空間が歪んでいる。その中には、赤と緑のモールが巻かれた扉があった。まるで、季節を問わず残ったクリスマスの飾りのよう。

「昨日のと、同じ雰囲気……」

ミコトが息を呑む。

「今度は、何の格好になるのかな……もうケーキとかツリーは勘弁してほしい……」

アコウは笑いながらも、どこか神妙な表情で頷いた。

「でも、行こう。また、ユウに会えるかもしれないから」

ミコトも同じく表情を引き締め、2人はゆっくりとその扉へと手を伸ばす。

――そして、世界が“切り替わる”。


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