アフター万博の行方
最初はあんまり……だった万博。ミャクミャクも発表当初は、細胞みたいで気持ち悪いと思ってさえいました。
インタビューで、「見慣れたから可愛くなった」というコメントを聞き、激しく同意してしまった私。
今は、万博に行ってみてよかったなと思っています。
そして、私にできるアフター万博は、やっぱり再生可能エネルギーの活用を心がけることなのかなぁと。いや、実際活用となると難しい面もあるかもしれません。だから、心を向けるきっかけに。
今年、海面温度ではなく、海水温度が上がってしまったそうです。
以前、今の気温が後何℃か上がってしまうと、もう元には戻れない(私たちが知っている四季のある日本の気候)スイッチが押されてしまうと言っていた学者さんがいました。
この海水温度が上がってしまうということは、もう元には戻らないというスイッチが押されてしまったということ、なのではないかと思っています。こちらも、海面はすぐに下がってくれるけれど、海水温度が上がってしまうと戻りにくいと聞いたことがあります。
毎年、40度近い夏が来ます。これはもう変わらないのでしょう。
押したのは『私』ではないかもしれません。だけど、きっと、そのスイッチって、個人で押せるほど軽いものではなかったのだと思うのです。
だから、押したのは『私』ではないけれど、私でもある。
私は今も子どもに携わる仕事をしています。
子どもはやっぱり『未来』なのですよね。この子たちが生きる未来。
みなさまはどんな未来に生きていて欲しいですか?
私は今、自身が子どもだった頃には実現できなかったものに囲まれて生きています。とても便利です。
公衆電話に頼らなくても、直接友達に連絡を取ることができます。
文字や紙はなくても、こうして、PCとスマホひとつで、写真付きのエッセイだって書けています。
大人になった私の『今』を作ってきたのは、私が子どもだった頃の『大人』たちです。
だけど、私が子どもの頃は、クーラーをかけずに眠れる夏が普通だったのです。夏に窓を開けて眠って寝冷えをするとまで言われていた時代でした。
『大人』になった私たちは、今、そんな責任があるんだろうな、そんなことを思ってしまう万博でもありました。
……。
答えは出ないと思います。だって、今生きるのだって大変なんだもの。
便利さの面で言えば、あのスマホすらない時代に戻ることなどできませんし、お湯の出ない水道が当たり前にも耐えられないかもしれません。
だけど、ほんの少しでもそんな風に思いを馳せているだけで、それは微力になるかもしれませんよね。
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(アフターではないけれど、たくさんのミャクミャクがいたミャクミャク展/大阪駅・旅立ちの広場)
各パビリオンのスタッフ、シグネチャーの制作者などの作品もたくさんありました。
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では、タイトル通りアフター万博。
実際の万博で使われていたものがどこへ行ったのか、私が見つけた範囲でご紹介してお終いとします。
▶ヘルスケアパビリオンと静けさの森、大屋根リングの一部は、そのまま万博跡地の公園に残るそう。
▶パソナ館・オランダ館→淡路島へ
▶ルクセンブルク館→交野市の子育て支援室に
▶ブルーオーシャン館→モルディブへ
▶ヌルヌル館→関西以外のどこかへ一部移転を考えてらっしゃるそう
▶オーストラリア館の木々→大阪府下の学校へ寄付(どこだったかなぁ、場所は決まっていたと思います)
▶サウジアラビア館→大阪市内のカフェとして再利用されるそう。展示物のサンゴ100種類のサンプルは、関西大学に寄贈されるらしい(万博で関大が発表したサンゴの移植研究からつながったらしい)
▶ウズベキスタン館→屋上に並んであった木々は、ウズベキスタンの学校になると聞きました。
▶命の未来館→展示されていたアンドロイドは京都精華市に移設予定
▶いのちのあそび場クラゲ館→広島に移転予定(公共施設になるそう)
▶ナウル共和国→東大阪でカフェになるそう
▶ノモの国→西門真新棟としてリサイクル
▶NTTパビリオン→名古屋福岡などのNTTの事業拠点になるそうです。
▶関西パビリオンについては、関西一円を巻き込んだ万博を掲げていたので、その地方地方でのアフター万博がなされています。
〇よしもと館のネギ→下仁田市がネギのお祭りで使いたいそう
〇ポルトガル館の綱・ヨルダン館の岩塩、アラブ首長国連邦(だったと思います)の岩塩→セレッソ大阪が譲り受けていました(2025/10/25に行われた川崎戦で展示されていたそうです)
〇アイルランド館のモニュメント→京都知恩院が万博のレガシーとして飾るそう
〇ミャクミャク像は→各地を回りますよね。吹田市の万博公園や大阪市役所(中の島)に12月まで展示
〇二億円トイレ→河内長野市の府立花の文化園に移設(奈良に戻らないんだ……)
〇ドイツ館のキャラクター『サーキュラー』は大阪市立科学館に行くそうです
〇イタリア館のレストランもどこかでしばらく営業するらしく、大阪市立美術館では2026年1月12日まで、あの国宝級の絵画や像が展示されます(チケットは販売後たった2日で完売)
○食べものについては、そもそも日本で展開していた現地のお店が多数あり、新たに万博用に作ったものが多く、探せば様々展開しているようですね。ベルギーだったかな? 東京の方に支店が多いお店もありましたから。
※大屋根リングの解体後木材→石川県珠洲市の復興住宅に使われます
※ウーマンパビリオン・三菱未来館→横浜で行われる花の万博の施設へ転用か、解体後の木材再利用かされると聞きました
他にも解体後に再利用できるもので作られていた建物は、どこかの建設物に転用されるそうです。
日本館やドイツ館も含まれています。
ガンダム館のガンダムは、横浜から来たものらしいので、横浜に戻るんじゃない?という声は聞きましたが、どうなのでしょうね( *´艸`)
あと、ミャク市という物もあるらしく、万博で使っていたテーブルや椅子を蚤の市のような感じで売っているサイトがあるそうですよ。
まだまだ、リサイクルされる施設も増えるかもしれませんが、これでも全体の二割くらいなのだそう。
もっと再活用できると良いなと思ってしまいますね。
それでは、へっぽこな万博エッセイに長い間お付き合い、ほんとうにありがとうございました。
これを以て締めとさせていただきます。




