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黒猫は眠らない  作者: 鳩胸 ぽっぽ
攻城戦
137/137

さっそく一人あがってきちゃった!

 階段を駆け上がってくる音が聞こえる。

 誰か来る。リーダーは誰も上がることはしないと言っていた。となると、敵だろう。取り逃がしたか、あるいはやられてしまったか。

 どちらにせよ、オレが対処しなくちゃいけないのは事実。聞こえる足音は一つ。一人か? 一人でも上にやろうという魂胆か。


「早期決着はさせねえよ」


 オレは銃を構え、階段を上がってくる音を待っていた。

 そして、頭が見えた瞬間、オレは引き金を引く。


「ちっ、防がれた」


 やってきたのは盾を持った男の人。

 盾で銃弾を防がれてしまった。男の人はオレを見据えて剣を構える。先に行かせることはないのだと理解しているのか、万全を期してオレを倒して先へ進もうとしているのか。


「初めまして。俺はナインっていうんだ。よろしくね」

「オレはラピスラズリ。ま、紹介してる暇はねえだろ。下の奴らが来るのを待ってるのか? させねえよ」

「チッ……。倒すしかないか」


 オレは拳銃を構えた。

 引き金を引き、銃弾を放つ。盾で一発目は防がれたが。


「なっ……」

「っし命中。跳弾持っとくべきだったな!」


 二発目が首筋にヒットしたようだった。

 首筋はクリティカルで、結構ダメージが入ったようだ。オレは再び拳銃を構え、銃弾を放つ。跳弾を織り交ぜながら、弾幕を張っていた。

 すると、ダメージ覚悟で突っ込んできた。オレは攻撃をかわし、銃を連射してぶっ放した。


「クソ、的確にクリティカルの位置に当ててくるし、跳弾がすっげえ厄介だな!」

「ん?」


 下から足音が聞こえてくる。

 にやりとナインは笑った。ちっ、仲間が来るのか。オレは仕方ないので隠し玉を披露することにした。あまり使いたくはなかったんだけど。

 オレはチャージを始めた。


「仲間が来るうちにやっちまわないとな」

「もう遅いよ。そろそろ来るさ。一人で手こずってはいたけど、複数人相手の戦闘は苦手だろ」

「……よくお分かりで」

「ガンナーはそういう系統の奴が多いから仕方ないでしょ。さて、俺は仲間が来るまで粘っていればいいわけだ」

「そういうわけにもいかないんじゃない? 1分経ったら下の仲間がキルしたであろうオレの仲間が来るぜ」

「それもそうだ。じゃ、1分以内にケリを付けないとな!」


 そういうと、何か技を使い始めた。

 

「チャージ技!?」

「そうさ! 威力はすごいから、ワンパンだろうね! 範囲も広いから……」

「……」

「俺は防御力には自信があるんだ。あと数発くらいは耐える。さて、終わりにしようか!」

「ナイン!」


 お仲間が上がってきた。

 オレはにやりと笑う。


「悪いな。オレのほうが先にチャージを始めてたんだ」

「えっ?」

「珠玉砲!」


 ぶっといレーザーがお仲間ごと包み込んだ。

 オレの攻撃で城が壊れることはない。上のしゃちほこさえダメージを与えなきゃいいのだ。


 さすがに耐えきれなかったのか、上がってきた仲間とナインがそのまま消えていく。珠玉砲を打ち終わり、オレはとりあえず魔力ポーションを飲んだのだった。


「さて、二度は通じないだろうな……。次来たらどうしようか」


 オレがポーションを飲んでいると、上から二人が下りてきた。


「お、無事倒した?」

「よかったぁ。やられてしまって申し訳ないです!」

「ごめんね。もっと粘るべきだった」

「いいっすよ。ほら、まだイベントはたくさんあるんですから早く持ち場に」

「そうだね。じゃ、引き続き頼んだよ!」

「今度はキルされるヘマはしません!」


 二人は階段を降りていったのだった。








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