さっそく一人あがってきちゃった!
階段を駆け上がってくる音が聞こえる。
誰か来る。リーダーは誰も上がることはしないと言っていた。となると、敵だろう。取り逃がしたか、あるいはやられてしまったか。
どちらにせよ、オレが対処しなくちゃいけないのは事実。聞こえる足音は一つ。一人か? 一人でも上にやろうという魂胆か。
「早期決着はさせねえよ」
オレは銃を構え、階段を上がってくる音を待っていた。
そして、頭が見えた瞬間、オレは引き金を引く。
「ちっ、防がれた」
やってきたのは盾を持った男の人。
盾で銃弾を防がれてしまった。男の人はオレを見据えて剣を構える。先に行かせることはないのだと理解しているのか、万全を期してオレを倒して先へ進もうとしているのか。
「初めまして。俺はナインっていうんだ。よろしくね」
「オレはラピスラズリ。ま、紹介してる暇はねえだろ。下の奴らが来るのを待ってるのか? させねえよ」
「チッ……。倒すしかないか」
オレは拳銃を構えた。
引き金を引き、銃弾を放つ。盾で一発目は防がれたが。
「なっ……」
「っし命中。跳弾持っとくべきだったな!」
二発目が首筋にヒットしたようだった。
首筋はクリティカルで、結構ダメージが入ったようだ。オレは再び拳銃を構え、銃弾を放つ。跳弾を織り交ぜながら、弾幕を張っていた。
すると、ダメージ覚悟で突っ込んできた。オレは攻撃をかわし、銃を連射してぶっ放した。
「クソ、的確にクリティカルの位置に当ててくるし、跳弾がすっげえ厄介だな!」
「ん?」
下から足音が聞こえてくる。
にやりとナインは笑った。ちっ、仲間が来るのか。オレは仕方ないので隠し玉を披露することにした。あまり使いたくはなかったんだけど。
オレはチャージを始めた。
「仲間が来るうちにやっちまわないとな」
「もう遅いよ。そろそろ来るさ。一人で手こずってはいたけど、複数人相手の戦闘は苦手だろ」
「……よくお分かりで」
「ガンナーはそういう系統の奴が多いから仕方ないでしょ。さて、俺は仲間が来るまで粘っていればいいわけだ」
「そういうわけにもいかないんじゃない? 1分経ったら下の仲間がキルしたであろうオレの仲間が来るぜ」
「それもそうだ。じゃ、1分以内にケリを付けないとな!」
そういうと、何か技を使い始めた。
「チャージ技!?」
「そうさ! 威力はすごいから、ワンパンだろうね! 範囲も広いから……」
「……」
「俺は防御力には自信があるんだ。あと数発くらいは耐える。さて、終わりにしようか!」
「ナイン!」
お仲間が上がってきた。
オレはにやりと笑う。
「悪いな。オレのほうが先にチャージを始めてたんだ」
「えっ?」
「珠玉砲!」
ぶっといレーザーがお仲間ごと包み込んだ。
オレの攻撃で城が壊れることはない。上のしゃちほこさえダメージを与えなきゃいいのだ。
さすがに耐えきれなかったのか、上がってきた仲間とナインがそのまま消えていく。珠玉砲を打ち終わり、オレはとりあえず魔力ポーションを飲んだのだった。
「さて、二度は通じないだろうな……。次来たらどうしようか」
オレがポーションを飲んでいると、上から二人が下りてきた。
「お、無事倒した?」
「よかったぁ。やられてしまって申し訳ないです!」
「ごめんね。もっと粘るべきだった」
「いいっすよ。ほら、まだイベントはたくさんあるんですから早く持ち場に」
「そうだね。じゃ、引き続き頼んだよ!」
「今度はキルされるヘマはしません!」
二人は階段を降りていったのだった。




