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黒猫は眠らない  作者: 鳩胸 ぽっぽ
攻城戦
136/137

目視できるのは3人

 双眼鏡をのぞき込み、門のほうを見ると。

 木の影に隠れている人影が見えた。人数は……3人。残り3人はどこにいるんだ? 


 まぁ、このことをオレはリーダーにメッセージで送っておいた。

 ありがとうという返信だけ返ってきた。オレはメッセージを閉じ、銃を構える。こちらの様子を窺っている。

 随分慎重だな。遠距離攻撃を警戒しているようにも思える。


 オレは下の配置を知らない。

 任されたのがここだし、てっぺんに上るんならここはぜったい通る必要があるので、オレは一番要となる場所を任されたことになる。

 すげえプレッシャーだが……。こういう状況のほうが面白い。


 鎧を着た男の人たちは慎重に中へと入ってくる。

 装備から見るに……剣士、魔法使い、魔法使い。魔法使いが2人ってことはどちらかが回復魔法に特化しているヒーラーなのかもしれないな。

 回復しながらごり押そうとしてるのか? 装備だけじゃまだどっちが回復役なのか見分けがつかないな。


 だが、回復役は前線に出ることはまずないだろう。一番後ろを歩いている……いや、オレなら挟み撃ちを警戒して魔法使いは真ん中で守る。

 てなると、狙うは真ん中だな。


 オレは狙いを定めた。まだこちらには気づいていない。


 オレが狙いを定めていると、三人は戦闘態勢をとっていた。

 リーダーが剣を構えているようだ。オレは援護することにしよう。物陰に隠れないこと、それはお前らのミスだ。

 オレは銃弾を放った。解き放った銃弾は真ん中の魔法使いの頭を貫いたようで、一発キル。狙撃に驚いたようで、一瞬隙ができた。その隙にリーダーは剣士を攻撃し、倒していた。

 もう一方の魔法使いは逃げようとしていたが、オレは逃げ道を阻止するように出口のほうを狙い続けた。弾幕を張り続け、逃げ道を阻害する。連射機能はこの銃にはないから撃っては弾込め撃っては弾込めの繰り返しだけどな。ただ、安易に逃げさせはしないという考えを持たせておく。


 リーダーは魔法使いを仕留めたようで、剣を突き上げていた。撃つのやめってことかな。


 オレは銃をしまい、反対側の様子も見ることにした。

 反対側には入り口はなく、水が流れて居る掘りのようになっていた。かぎづめとかで登ってきている様子はない。ここから侵入することは難しそうだ。

 となると、侵入は正面だけからになるのか? 侵入を許さないように正面だけを見張っていてもいいかもしれないけど……。こっから登ってくるやつもいそうだな。


 すると、リーダーからメッセージが届く。


『さっきの援護ナイス。そこから周囲に敵は確認できる? 6人いるはずなのに3人しか来てないのはちょっと不思議だから警戒しておいて』


 ということだった。

 オレもそれが不思議だった。残り3人。どこで何をしている? 何をしているかわからないというのは一番の不安要素だった。

 あっちにもなにか考えがあるんだろうか。


 オレは耳を研ぎ澄ませながら、双眼鏡で周囲に人影がないか確認する。が、木の影に隠れているのか、それともどこか城にうまく忍び込んで息をひそめているのかは知らないが、そういう影は見えない。


 オレはヴァルキリーさんにも確認のメッセージを飛ばした。


『俺んとこにもまだ来てないよ』


 とのこと。

 あがってくる音も聞こえないし、無音の空間。こういう無音状態ならばなにか音がしただけでも気づきそうなものだけど……。


『たすけて』


 というメッセージが届いた。

 ヲタクからだ。


『ヴァルキリーさん、ヲタクが助けてほしいそうです』

『OK。ヲタクは二階。俺も向かう』


 どうやらすでに侵入されていた。

 あっちは陽動か。本命をこちらに侵入させるために集中させるためのフェイク。オレとリーダーですぐに片付いたからまだなんとかなったな……。








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