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【五章完結】気付いたら組長の娘に異世界転生していた冷遇お嬢。  作者: 三月べに@『執筆配信』Vtuberべに猫
【第陸章・】

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番外編・吾輩は、希龍である。

明けましておめでとうございます!


 吾輩は、希龍(きりゅう)である。


 雲雀舞蝶が生み出した『生きた式神』である希龍は、黄色のガーベラの眉の下につぶらな瞳を持ち、大蛇のような白く長い身体には、黄色のダリアの花びらが鱗のように散っている。

 見た目は白の大蛇のようであっても、一応龍として作られた式神だ。

 蛇が混入して出来上がった式神だとしても、龍の式神なのである。


 生みの親である舞蝶に、甘えん坊。常に、寄り添っている。


 就寝時は、舞蝶の抱き枕になったり、または枕にもなってそばを離れない。


 元々、式神は召喚主から離れないのだが、『生きた式神』である希龍は自立型。離れて行動することも可能だ。しかし、舞蝶の指示がなければ、離れたりはしない。


 そんな希龍の食事は、花である。

 花から気力を摂取して、活動しているのだ。

 花はいつも新鮮なものを用意してもらっている。


「キーちゃん、朝ご飯は?」


 舞蝶に声をかけられた希龍は、つぶらな瞳を輝かせた。


――もちろん、食べるよ! お花どこー!?


 念話で舞蝶に返事をして、キョロキョロと花を探す。


 今日の希龍と同じく『生きた式神』のサスケの分のご飯を用意したのは、藤堂。

 庭から戻って来て、花束を抱えていた。

 ロックオンした希龍は、ロケットのように突撃。藤堂の額に、頭がクリーンヒット。


「いて!? だから、希龍!! 突っ込んでくるなよ!!」


 なんとか倒れずに踏み止まった藤堂は、赤くなった額を擦りつつも、希龍に花を一つ手渡した。

 希龍は遠慮なく、かぶりと一口で食べる。


「サスケもここ置いておくからな~、食べろよ」


 希龍と違って、サスケは藤堂に飛びついたりはしない。

 月斗だったら、自分から近付いただろう。しかし、藤堂にあまり懐いていない。藤堂だけではないが。

 だから、藤堂はテーブルの上に花束を置いておいた。そもそも、サスケは省エネ。希龍ほどは食べない。

 ちなみに、サスケの容姿はゴシック系のゴースト少年人形の式神だ。


 ほとんどの花を希龍が食べて、二本ほど花を食べたサスケ。これで満腹になった『生きた式神』二人は、これから舞蝶の学校についていく。


 サスケの幻覚操作で、姿を他者から視えなくする。

 そうして浮遊した希龍が、舞蝶を守るようにとぐろを巻く。そんな希龍にしがみつくように乗るサスケ。

 学校に行く舞蝶のならば、もちろんついていく。


 舞蝶の影の中には、月斗も潜んで護衛。


 希龍もサスケも、護衛のつもりでいる。キリッ。


 誰からも視られていない中、舞蝶のそばに浮遊して、周囲を警戒。


 授業が始まると、うつらうつら。気力消費を抑えるために、眠りに落ちる。


 キーンコーンカーンコーン。


 お昼になって、目覚め。シャキッとする希龍。

 舞蝶は給食を食べるが、希龍もサスケもお腹は空かせていない。花がなくても大丈夫だ。

 影の中の吸血鬼の月斗も、同じようなものである。


 午後も、舞蝶は授業。授業の内容なんて、希龍は興味がない。

 なので、暇である。


 ちろちろちろ。


 尻尾の先で、舞蝶の頬をくすぐる。

 掴んだ舞蝶は、もみもみと揉んだ。くすぐったい。

 気分がよくなった希龍は、舞蝶の頭の上に顎を乗せて、すりすりと擦りつけてじゃれた。


――もう少し待っててね、キーちゃん。


 舞蝶が、優しく念話で宥めてくれる。


――待てるよ!

――いつも退屈だよね。

――そんなことないよ!


 舞蝶と一緒にいたいのだ。キリッと気を引き締める希龍。

 しかし、背中のサスケは、再びお昼寝。すぴーと寝息を立てている。

 ちょっと散歩をするか。希龍はサスケを背中に乗せたまま、教室内を浮遊した。


――危険なし!!


 不審者も隠れていないことを隅まで確認して、意気揚々と舞蝶に報告。

 顔を合わせた舞蝶は、フッと優しく微笑んだ。


――ありがとう、キーちゃん。

――えへへ。


 口元を緩ませて尻尾を左右に振り回す希龍は、ご機嫌に定位置に戻った。

 舞蝶に巻き付くように、とぐろを巻く形で浮く。そうして、午後の授業を乗り越えた。


 下校は、登校と同じくお迎え。藤堂が校門まで迎えに来て、駐車場の車まで行く。中に入れば、舞蝶の影の中から月斗も出てくる。

 舞蝶の膝の上に、ポンと希龍は顎を乗せた。そんな希龍の頭の上に、サスケが座る。

 舞蝶は希龍の頬を撫でて、サスケの頭を撫でた。


 中等部の燃太と常盤も合流して、舞蝶の家に帰宅。

 今日も今日とて、新武器の開発などをする。


 そんな子ども達を上から見つめていた希龍は、すいすいと頭上を泳ぐように飛んでいく。


 そうして目につく窓の外の庭。ちょっと小腹が空いた。庭の花を少し食べようと、器用に尻尾の先でベランダのドアのロックを解除して、外に出ようとした。


 そんな希龍の尻尾をがしりと鷲掴みにされた。


「コーラ、希龍。つまみ食いか? 晩御飯の時間まで待て」


 誰かと思えば、藤堂である。見逃してほしいと必死に上目遣いをするも「だめだ、だめ」と藤堂は首を横に振った。コツン、と額を小突かれたのは、今朝の頭突きの仕返しだろうか。


 しぶしぶ、希龍は舞蝶のそばに戻った。


 燃太と常盤が、夕食前に帰宅。


 やっと食事にありつけると、ルンルンと尻尾を左右に振り回す希龍。

 藤堂が摘んでくれた花を、パクパク。隣でサスケも、一本ずつモグモグ。


 そのあとは、舞蝶の入浴。本来式神には必要ないが、一緒に浴槽に浸かる。

 本当にお湯に浸かって温まる必要はないのだが、舞蝶がまったりとリラックスしている時間をともにしたいのだ。希龍もサスケも。


 そうして舞蝶の髪担当の月斗が、ドライヤーで乾かしてしっかり黒髪を梳かす。


 その横で、希龍はゴロゴロと転がった。サスケは、それをぼんやり眺めているだけ。自由である。


 就寝時間まで、舞蝶は宿題を済ませ、術式の研究を優と一緒にした。その間、うとうとして眠る。


 そして、就寝時間。


――おやすみ~!


 ベッドに入った舞蝶の隣に滑り込む希龍は、ぽふんと枕に顎を乗せた。

 反対にも、サスケが潜り込んでいる。


「おやすみ、キーちゃん、サーくん」


 希龍とサスケの頭を撫でて、舞蝶は目を閉じた。

 入浴よりもホクホクする時間。希龍は顔を緩ませて、静かに目を閉じた。


 これが希龍の一日である。



 吾輩は希龍である。ご主人様の舞蝶が大好きだ。






 ※※※※※※

あとがき



明けまして、おめでとうございます!

2026年も、作品ともども、どうぞよろしくお願いいたします!


今年初の更新は、キーちゃんの一日。


『冷遇お嬢』の六章、なんとか新キャラの登場舞台を整えて、書き溜めたいですね! 頑張ります!

舞蝶ちゃんを見守ってくださいね!


皆さんも、健康的なよい一年を過ごせますように!


リアクション、ブクマ、ポイントをぜひくださいませ!

(2026/01/01)

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