14話 ドラゴンなんか蚊と同じですわ
レインボードラゴンは、渓谷の奥底に生息している。火をふき人を食うヤベーモンスター。
一時期は、冒険者たちの苦労あって被害も少なくなったらしいが……
「また、人を襲うようになったらしいですね」
「おなかぺこぺこなんじゃないの?」
「空腹は人を愚かにしますからね」
お肉! お肉! と、ウキウキなアンと、あくまでクールなモモ。ちなみに、当たり前だがドラゴン討伐は初心者向けじゃない。2人がやろうとしていることはメチャクチャである。
クエスト受理がオッケーされたのは、おそらく二人の後ろからけだるげな足どりで歩いてくるこの男……ナズマがいるから、まあいいかといったところか。なぜか敵国の残酷騎士が同行しているというこれまたおかしな状況。
(……いや、でもなぁ、うぅーーン……………)
ナズマは考える。前を歩くポチャポチャした風船みたいな女の子、アン。元王子の婚約者の怪力令嬢。
こいつに興味があってわざわざ乗り込んできたのだが、やっぱり何度見ても何回見直しても、想像の100倍ポチャポチャしている。どしどししている。
(……まあ、まだ信じてやったわけじゃねえし、それこそアッサリドラゴン倒せば信じてやってもいいがーーーー)
☆ ☆ ☆
と、考えていたたった数時間後に、信じられない出来事が起きた。ナズマは信じたくない。
「ぎゃあおおおおおおお!!!」
渓谷にたどり着いた途端、恐ろしい咆哮と共に現れた、レインボードラゴン、それを、
「きゃあああああああああ! いやあああああああ! 噛まれるうううう!!!」
と、
大口を開けたその中にグーパンを叩きつけ、
そのグーパンの衝撃で、
「グギャアアアアアアアアアア!!!」
咆哮→悲鳴にチェンジした雄叫びが、深い深い谷にこだましたのだ。
いや、だって、ドラゴンなのに、
いやいやいや。
パンチの主、アンお嬢様(れっきとしたお嬢様)は、恐る恐る目を開けた。そして、ぱあっと瞳を輝かせる。
「……まあ!? 討伐成功!?」
目の前には口から背中にかけて大穴をあけたドラゴンの死体。
もう一度確認するが、大穴を開けたのは、人のパンチだ。パンチをしたのは、このお嬢様で、
「お嬢様、太ってから威力が凄まじいことになってますよ」
「ドラゴン肉ゲットですわあああ!!」
話聞いてないし、
「…………ん? お、お嬢様! ウロコ高く売れそうですよ!! ひょひょ! 旦那様に連絡しないと!」
メイドもなんかおかしいことを言い出したし、
ただ一人、呆然と立ち尽くすのは同行した暗黒騎士だった。
(なんだこいつら……!? や、ヤバすぎんだろ!?!?)
もはや利用価値とかより、強すぎてこわくなっちゃったのだ。
「わたくし、もしかしてなんかやっちゃいました?」
「お嬢様それ言いたかったんでしょ」
「うるさい黙れ」
暗黒騎士さんはメンタルがズタボロになった。
久しぶりに、投稿します!
すみません間があいて、、
あんまり書けそうにないので、きりがいいところで終わらせて次回作もっとなんか自由に書けたらいいな、、、、カラフルロックに異世界恋愛は早かった、、、わからん、なんかちがうなこれ(自分でも気づいてます)




