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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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9-7 お・・・お兄様が・・・おとな?

お兄様と話しているうちに涙も止まりました。

いつの間にか部屋に居たキュリアさんが、濡らした手巾で顔を拭いてくれました。


「どう、落ち着いた。みんなを呼んでこようか」

「まだ、ちょっと・・・」

「うん。わかった。じゃあ、もう少し僕と話をしようか」

「はい」


ベッドから降りてソファーの方に行きました。

キュリアさんが紅茶の用意してくれました。

一口飲んで気持ちを落ち着かせます。


「何の話をしようか」

「アルンスト侯爵家とルートガー公爵家にも連絡したんですね」

「ああ、うん。おじいさまがね」

「お父様も仕事の途中でしたよね」

「うん?ああ、もしかして、王宮にこのことがばれたと思ってる?」

「違うのですか」

「うん。丁度いい口実があったから、それを使ったよ」


わからなくて首をかしげます。

お兄様はやわらかく微笑んでいます。


「今、隣国の公爵であるキャバリエ公爵がこちらに向かってるよね。それで、トラブルが起こったと連絡がきたことにしたんだ」

「えっ、それは・・・」

「もちろん、うちと親戚ではあるけど、隣国の重鎮であるキャバリエ公爵に失礼があってはいけないから、

外交担当の父上は状況を確認するためにも、帰ってきたのさ」

「いいのですか、それで」

「大丈夫だよ。ちゃんとキャバリエ公爵のもとに迎えをだしたから」


それでいいのでしょうか。

私にはわからない政治的な事でそうしたのでしょうか。


お兄様の手が顔に伸びてきて眉間を突っつくように触りました。


「セリア、そんな顔ばっかりしてるとしわができるよ」

「え、あっ」


お兄様がクスクス笑います。


「大丈夫だよ、セリア。セリアが心配するようなことは起こらないから」

「でも」

「でも、は無しだよ」

「・・・」

「そろそろ、みんなを呼ぶ?それとも、みんなの所に行くかい」


みなさまと顔を合わせるのは、まだ、怖いです。

でも、お兄様が大丈夫だと言ってくれています。

なので、みなさまのところに行きたいと思います。


「みなさまの所に行きます」


お兄様が立ち上がり手を差し出してくれました。

その手に摑まって立ち上がります。

膝がガクガクと震えます。

ベッドからソファーに移った時にはこんなことなかったのに。


「しかたないなぁー」


そう言うと、お兄様は私の手を自分の肩に摑まらせて、軽くかがむと膝の下と背中に手を当てて、私を抱き上げてしまいました。

突然のことに動揺して、私は手足をバタバタ動かしました。


「セリア、動くと落ちちゃうよ」


耳元で聞こえたお兄様の声に私は動くのをやめました。

顔が、ち、近いです。

わたし、お姫様抱っこされてます。

彼女だってされたことないのに。

あの、スチル(より幼い顔)の美しい顔がこんなに近いなんて、心臓バクバクものです。


「首に手をまわしてくれると楽になるんだけど」


言う通りに首に手をまわします。


「じゃあ、行こうか」


お兄様が歩き出しました。

キュリアさんがお兄様に変わりましょうかと言っていますが、お兄様は大丈夫だと歩いていきます。

扉はキュリアさんが開けてくれました。


「なんかおとなしくなっちゃったね」

「・・・」

「もしかして僕がセリアのこと落とすと心配してる?」

「あっ・・・いえ」

「大丈夫だよ。落としそうだと思ったら、下ろすから」

「・・・はい」

「でも、セリアは軽いね。もう少し食べて太った方がいいんじゃないかな」

「う~ん、食欲がないことが多かったから?」

「そういえば、そうだったね。早く体調が安定するといいね」


階段を慎重に降りてくれました。

居間に行くかと思ったら、手前の隣の部屋にキュリアさんが立ち、扉を叩き開けてくれました。

部屋に入るとみなさまが驚いた顔でこちらを見てきました。

お母様は慌てて立ち上がると私のそばに来ます。


「セリア、起きて大丈夫なの」


お兄様が私を下してくれたので立ち上がります。

お母様に抱きしめられました。


「はい。ご心配をおかけしました」


小さな声で返事をしましたが・・・。

私はそこに並べられたものに目を奪われていました。


まさか、これ。

これを、全部?

わたしが?

ほんとうに?


やっちまったい。

いくらなんでもこれは作り過ぎでしょう。


そこにあったのは布の山。

いえ、出来上がった服の山です。

色とりどりのドレスや、紳士服がテーブルの上に並べられていました。

隅の方になぜか、ハサミ・・・。

見間違いでなければ、裁ちバサミと紙を切る用のハサミが!


あははははは、はぁ~。

渇いた笑いしか出てきません。

これ、どうしましょう。


ソフィティア叔母様、ウルリーケ叔母様。

そんな、キラキラした目を向けないでください。



91話です。


はぁ~。

ここにもいました。

年齢詐称疑惑の人が。


いえね。かっこいいんだけどね。

かっこいいんだけど・・・。

ミルフォード、あなた、まだ、10歳ですよ。


何してんのよー!

お姫様抱っこって。


おんぶは?

おんぶじゃダメなの?


さて、次回・・・は、と。


今、調べ物の真っ最中です。

わたし、ドレス、もとい服に、詳しくなくて・・・。

付属品とかもねぇ~。


一応、この世界の服は中世ヨーロッパ風なので、それに準じたドレスや、男性もその頃の服装のイメージでいます。

いますが、よく、分かってないというか?

一応、ルイ14世の時代の服装を参考に考えていたけど・・・。

ボタンが~。


いいの。

この世界はボタンが、まだ、なかったの。


ということで、次回で会いましょう。


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