大人の時間 家族会議1
領地にいた両親に、弟のアルンスト家、ミリアリアの実家のルートガー家に集まってもらった。
特に両親には無理をさせてしまった。
急いできてくれただけでなく、王都に着いてすぐ、情報収集に飛び回ってくれたようだ。
昼食会が終わり私達は子供達とは別の部屋に移動した。
「改めて、忙しいところを集まっていただきありがとうございます」
「そんな他人行儀なことをおっしゃらないでくださいませ、お義兄さま」
「そうですわ。可愛い姪の、セリアテスのためですもの。何をおいても飛んできますわ」
「ありがとう。ソフィティア、ウルリーケ。そう言っていただけると心強い」
私は微笑んでお礼を言った。
「まあ。お義兄さまのそんな顔が見られるのなら、いくらでも協力いたしますわ」
「本当に。お姉様の旦那様でなければアタックしましたのに」
「ウルリーケ。それはないよ」
「あら、もちろん愛してるのは、エグモント、あなたですわよ。でも、お義兄様は憧れの君でしたもの。仕方ないですわ」
「まあ、ウルリーケ様も。実は私も憧れておりましたのよ」
「ソフィティア様も。同士ですわね」
「ウルリーケ。あなたね」
「あら、お姉様。昔のことですわ」
ウルリーケは、悪びれた様子もなく、ニッコリと微笑んだ。
私は溜め息をつくとエグモント達に話しかけた。
「エグモント、ウルリーケ。アーマドから聞いていると思うが、君たちにまず、事情を話したいがいいか」
「はい。ぜひ、お聞かせください」
「私もお義兄様から詳しくお聞きしたいですわ」
私はセリアテスに起こったことを話した。
王妃のお茶会から今日までのことを。
私の話をみんな黙って聞いていた。
両親もアーマド達も2度目の説明になったが、口を挟むことなく聞いていた。
話が終わるとウルリーケがホウッとため息をついた。
「そんなことが起こっていましたのね」
「申し訳ありません、義兄上。把握していませんでした」
「まあ、仕方ないだろう。箝口令が敷かれていたからな」
「箝口令?!ほんとか兄上」
「ああ」
「なんでそんなことになっていましたの」
「今までにない事例だからかのう」
「そうね。髪の色が変わるなんて話は、今まで聞いたことはなかったわね」
「ウルリーケ様、王妃のお茶会に付き添いでいらっしゃりませんでしたの?」
「ええ。あの日はギルベルトが熱を出したので、ビアンカだけを参加させたのですわ」
「まあ、そうでしたの。私もアマリアが招待されませんでしたので、シュレインだけの参加でしたのよ」
二人の会話で、アルンスト家とルートガー家が知らなかった理由がわかった。
「すみません。こんなことなら、私が付き添えばよかったですね」
「いや、今回は不測の事態だったのだから、気に病まないでくれ。それよりも、頼んだことの結果を知りたいのだが」
「そうですね。悔やんでもしかたないですね。それでは、私から報告を。王都の貴族の間に「アラクラーダの神子」が現れたと噂になっています。ですが、セリアテスのことだとはあまり知られてません」
「ええ、エグモントの言う通りですわ。昨日のうちに、我がルートガー家に接触してきた家は3家だけでしたもの。それも子爵家2家と男爵家1家でしたわね。もちろん、知らないふりをしておきましたわ」
それとともに紙を皆に見えるように、テーブルの上に置いた。もちろん、名前が3つ書いてある。
「俺は一昨日親父たちと合流してから、街の様子を探ってみた。「アラクラーダの神子」が現れたという噂が、街にもう流れている。誰かが故意に流したらしい。だが、平民は信じていないようだった」
「信じていないのですか?」
「はい。義姉上。今回の噂も眉つば物で信ずるに値しないと思っているようです」
「たしか、5年前に「アラクラーダの神子」を騙ったやつがいただろう。だからじゃないのか」
「ええ、私もリズリーに確認しましたわ。噂が流れ始めたのは3日前からということですので、王宮に勤める誰かが流したものだとおもわれますわ」
「カルニック商会か。確かに彼らになら、情報も集まるだろう」
「ええ、そう思いましたので、事後承諾で申し訳ありませんが、ある程度のことは話してしまいましたの。もちろん協力してくださるそうですわ。今も情報を集めてくれているはずですわ」
「ありがとう、ソフィティア。もちろん構わないさ。こちらも協力をお願いしようと思っていたからね。これで、王都の動きはわかるというものだな」
「それから、我が家にも接触して来た者がおりましたわ。やはり3家でしたの。ただ、1家がおかしなことを言っておりましたのよ。こちらを見ていただければお分かりになると思いますわ」
ソフィティアも一枚の紙を皆に見えるように、テーブルの上に置いた。名前が3つと、会話が書いてあった。
「これは?」
「我が家では来客があった時には、その会話を記録するようにしておりますの。あとで、言った言わないと押し問答になるのは、嫌ですもの」
「記録の魔道具か?」
「ええ、そうですわ、お義兄さま」
ソフィティアは艶然と微笑んだ。
77話です。
前話の後書きで書いたけど・・・
私の中では、なんで設定を増やしてくれるの?
という話になってます。
よく、他の作家さんが、キャラが勝手に動いて話を進めるよ。
と言っていましたが・・・意味がよーくわかりました。
前の「父と母」でも、セルジアスが勝手に説明してたけど、今回も最初から私が思っていたのと、違う言葉で始まったので、焦りました。
・・・あなたが呼び寄せて協力してもらったのね(予定ではこれからルートガー家に協力要請をし、両親もこき使うとなるはずでした)
ソフィティア、ウルリーケはこんな性格じゃなかったのに(なぜ、ミーハー)
リズリーって誰?カルニック商会って何?(えっ、ソフィティアの従姉妹。叔母が嫁いでる?)
次話でも予定に無い設定を増やされました。
概ね、話の流れは壊れてないけど、未熟な作者に何を要求するかな。
政治に絡むことはわからないからね。
そこんところよろしくね。セル~。
補足・・・しなくてもいいかな?
わかってるかな?
では、一応。
王宮を辞去して帰ってきた日に、アーマドを使いにルートガー家に協力要請しました。リチャードとセレネは王都についてすぐアルンスト家に顔を出して、そのまま情報収集に飛び回りました。
箝口令のことをアーマドが驚いたのは単純にセルジアスが伝え忘れました。
王宮にいる間気を張っていた反動です。
それから、記録の魔道具はまあ、ビデオテープやテープレコーダーだと思ってください。
では、次話・・・。
次話は・・・誰かセルの暴走を止めてください。
次話は、3月11日10時で予約投稿します




