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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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4-2 話しをするはずが・・・戦いに?

どう言えば、彼女の話をしなくてすむのか考えながら言葉を紡ぎました。


「貴族的でない・・・とは、どういった・・・ことでしょうか?」

「それは、今朝あなたが公爵に言った言葉もそうですよ」

「お父様にいったこと?」

「はい。あなたは、フォングラム公爵がスクワーレ伯爵に冷たくしたことを、「権力をかさに着た弱い者いじめ」と言われましたよね」

「はい」

「フォングラム家は公爵です。下位のスクワーレ伯爵家に対して強く出るのはあたりまえのことです」

「・・・でも、それは」

「おかしいとおっしゃりたいのですよね」

「・・・」

「そうおもうことが、貴族的でないといっているのですよ。序列をはっきりさせるためにも必要なことなのです」


ウルバーン医師が言いたいことは大体わかりました。

この世界の・・・いえ、この国の権力、支配階級の考え方といったほうがいいでしょう。

・・・わかりましたが・・・彼女の世界を知った私には許容できるものではありません。

気が付くと小声でつぶやいていました。


「・・・貴族・・考え・・・違って・・・・・です・・」

「なんとおっしゃったのでしょう」

「ですから、貴族的な考え方が間違っているとはおもわないのですか?」

「間違っているとおっしゃるのですか」

「はい。・・・いえ、すべてが間違っているわけではありません」

「・・・すべてではないということは一部分ですか?」

「はい。考え違い・・・思い違いです」

「思い違い?」

「・・・お聞きしても・・いいですか」

「・・なんでしょうか?」

「この国には序列がありますよね」

「はい。国王を頂点に、王族、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵、準男爵、騎士爵という位があります」

「序列というのは国の秩序を正すために作られたものですか」

「えーと、・・・はい、たぶん・・そうだと思います」

「では、国とは何のためにありますか?」

「えっ、えっ。国のあり方ですか」

「国というのは民がいてこそ成り立ちますよね。貴族でない方々のことは平民と呼んでいますか?」

「・・?ええ、そうです」

「では、その平民のことをどういう風におもっているのでしょうか?」

「?、どういう意味ですか?」

「平民とは国王や領主が治めるものですか」

「もちろんそうですよ」

「国王や領主は国民や領民にうやまわれるものだと?」

「・・・何が言いたいのでしょうか?」

「すみません。貴族の・・・いいえ、この国の上の方々の考えを確認したかったのです」

「・・・?それで?」


私は冷めてしまったお茶を一口飲んで喉をうるおしました。


「先に言っておきますが、私はこの国のありようを否定するわけではありません。国を治めるために公序良俗がはっきりしているのはいいことだと思います」

「・・・公序良俗?」

「ですが、力あるものがむやみに権力を振りかざすのは違うと思います」


手振りで続きをと促されました。


「この国の序列の頂点が国王だと伺いました。うやまわれるのが当たり前なら、では、もし国王をうやまわない者がいたら、不敬罪になりますよね。国から押し付けられたことでも」

「ちょっと待ってください。なんで、国王をうやまわない者が不敬罪になるという話になるんですか?貴族的な考え方の話ですよね」

「はい。だから、根本的なことを話しているつもりです」

「えっ、なんでそうなるんですか?」

「ですから、この国の頂点が国王だからです。私はこの国の歴史など覚えていませんから間違ったことを言っているのかもしれません。でも、国というのは民がいなくては成り立ちませんよね。この国の民であるなら守らなくてはならないものですよね。その民にうやまうことを押し付けて、うやまわないからって罪に問うのは権力の間違った使い方だとおもいませんか」

「いや、だから、この国はうやまわないからって、それくらいで罪に問いませんから」

「・・・良かったです。まあ、今言ったことは極論ですが」

「極論って・・・」

「ですが、国の方針次第で一番迷惑するのは国民になります。その国民を守る立場の貴族が権力を振りかざして、自分より弱い立場の者に強要するのは違うとおもうのは間違っていますか」


ウルバーン医師は溜め息をつかれました。


「そうですね。その考え方じたいは間違っていないとおもいます」

「わかっていただけたのならうれしいです」

「私は先ほど言いましたよね。どうしてこういう考え方にいたったのかと。セリアテス嬢は記憶を失くしたとはいえ、この国に生まれ育ったのです。その考え方は、誰かに聞かされなければ、この国の人間には思いつかない考え方なのですよ」

「・・・」

「答えられませんか。私達はあなたの様子から一つの疑いを抱いています。あなたは人格を乗っ取られてしまったのではないかと」






44話です。


いつも読んでくださりありがとうございます。


何とか投稿できました。


ふふふっ。

戦いの幕は切って落とされたー。

と、言う気分でこの話は書きました。


では、次話で。

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