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【受賞&書籍化】先視の王女の謀(さきみのおうじょのはかりごと)  作者: 神宮寺 あおい@受賞&書籍化


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家名の意味

 『ユエラン国はそもそもルグナシア大陸から海を渡った者たちが起こした国だ』


 トゥレラに関する書物と共にユエラン国成り立ちの本を持ってディアナは閲覧用の机に移動する。

 マレフィクスの言葉が気になりまずはユエラン国について記した本から目を通した。


 そして目にしたのが冒頭の言葉だ。


(ということは、元は同じ国だったということね)


 その割にはルグナシア大陸の国々とユエラン国の繋がりはない。

 信仰する対象の違いもあって相容れない部分も多いのかと思っていたが、そもそもが同じ国だったとしたらなぜユエランの民はルナリアを信仰していないのか。


『かつて女神ルナリアは人の子と恋に落ち、後にその者はフォルトゥーナ国を興した。しかし幸せの時間は長くは続かない。女神よりも遥かに寿命の短い人の子が天寿を全うした後、ルナリアはフォルトゥーナを離れ大陸を見守る女神となった』


 ここまではディアナも祖国の歴史で習った範囲である。

 しかしその後に続く内容はディアナが初めて知ることだった。


『ルナリアが大陸を見守る女神となった後、永き時を経てフォルトゥーナ国で内乱が起こる。どこでも起こりうる権力争いではあったが、国王を討とうとした者たちはルナリアの血を継がない者たちだった』


 つまり、女神の血を引かない者たちが謀反を起こし、結果ルナリアの逆鱗に触れたということだろう。


 反逆者たちを根絶やしにしようとしたルナリアは、しかし神々の誓約に縛られていた。

 

『人の生活に必要以上に介入してはならない』


 それは神が守るべき掟ともいえる。

 かつてルナリアが人の子と恋に落ちたことで結ばれた誓約。


 だから。


 ルナリアは反逆者の中でも小さき者、つまり後継者になる赤子と供だけを許し、ルグナシア大陸から追放した。


 そして追放された彼らは海を渡りユエラン国を興したと伝えられている。


 その際に女神ルナリアから与えられた家名、それが『マレフィクス』である。


「マレフィクスの意味は……」


『邪悪』


 女神ルナリアにとって、内乱という悪しき企みをした者たちは『邪悪』な存在ということだろうか。


 なんとも胸苦しい内容に、ディアナは一つ大きなため息をついた。


 自国の成り立ちを『面白い』と言ったその言葉にはどんな思いが込められていたのか。


 ユグノルは自身の家名を『マレフィクス』だと言った。

 現ユエラン国国王の名前はユグノルではなかったはずだから、彼は王に連なる者、つまり王族なのだろう。


 女神ルナリアと因縁のある家の末裔が先視の夢に現れ、そしてウィクトル帝国はかつての安寧を失いつつある。


(無関係とは思えないわね)


とはいえ、彼にいったいどんな目的があるかがわからない。


(何か他にヒントがあるといいのだけど……)


 そう思いながら、ひとまず思考を切り替えようとディアナは次の本に手を伸ばした。


 それは、マレフィクスが現れる直前に手に取ろうとしていた本。

 ディアナが祖国でも目にした本を書いた者と同一人物が記したと思える本だ。


『女神の愛し子に捧ぐ』


 表紙には手書きでそう書かれていた。

読んでいただきありがとうございます。


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