第四話
こんにちは、アルだよ!
季節はもう夏!
今が夏の一の月で、エルファ様が学園に行っちゃったのが春の一の月だったから、もう三ヶ月も過ぎたのかぁ……。
時間がたつのは早いね。
(捕捉※この世界の日付は、30日で一ヶ月で、それぞれの月に個別の名称はありません。三ヶ月ごとに季節で呼び分けます。一〜三月:冬、四〜六月:春、七〜九月:夏、十〜12月:秋。言い方は、こちらでいう四月一日の場合、「春の一の月の一日目」といいます。)
そして、嬉しいことに、エルファ様が帰ってきたんだよ!
夏季休暇って言うんだって。
エルファ様に会いに行こうって思い至った日から何回か会いに行っちゃってるけど、今回みたいにゆっくりできるのは久しぶり!
久しぶりにエルファ様が僕の毛をブラッシングしてくれたんだ。気持ちよかったなぁ…。
領地にも戻るんだって。僕も行くよ!
でも、この本来の姿じゃなくて、僕の権能で人化して、御者としていくんだ。特訓をつけてくれた執事長さんも、特訓の成果を見せてもらうよ、って笑いながら言ってたしなぁ…。
人の姿のときに、何人かの侍女さんにあったんだけど、みんな顔を背けたり、顔を凝視したりしてきたんだよね。エルファ様にも何回かあったことがあるんだ……けど、僕が居ることに気がついたら、顔をそむけて逃げちゃうんだよね……。悲しいな。
でも、領地に行くのはワクワクするなぁ!
お母様も領地にいたはずだし、なにより、自然がいっぱいだから、空気が美味しい! 精霊も多い!
精霊が多いってことはいい人が多いってことだし、魔法の補助もしてくれている精霊がいっぱいいるから、魔法も使いやすい!
むしろ、王都にあるお屋敷より精霊が多いから、こっちのほうが僕は好き!
王都全体よりも、こっちのほうが居るよ? って昔、公爵様に話したら、それは良いことだけど、他の人には絶対言ったらダメだよ? って言われたなぁ。
なんでだったんだろう?
まぁ、でも領地に行くのは今から楽しみ!




