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徒然なる何らか  作者: 如月ふたば


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31/42

つけられた価値

私は人気作家と世間から呼ばれるようになり、

長らく経つ。


今回も講師を頼まれた。

大きな講堂で行うものだ。


講演の日、控え室で多くの【関係者】という人々から

最新作の綺麗な本を渡され「サインをくれ」という。


要望に応えできる限りサインを書いた。


講義の時間になり袖からチラリと客先を見た。

最前列の真ん中辺りに座る女性。

彼女の手元には、世界中の汚れを拭き取ったかのように汚れた書籍。


あの本のカバーは私はよく知っている。

私を有名にした作品のカバーだから。

思いついたので書きました

お読みくださいありがとうございます

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