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ますぷろ 〜ファンタジー世界で量産機しか乗れない俺だけど、プレイヤースキルで専用機やエース機や決戦兵器やドラゴン諸々全部ブッ飛ばす!〜  作者: 紫炎
第二部 雪崩新生の章

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026 優秀な整備士

「あれ、ギンナさん」

「んー。おう、お前か」


 ルッタがアーマーダイバーのパーツ店でラインナップのチェックをしているとギンナが店内に入ってきたので挨拶をした。その様子にメイサがギョッとした顔をして、それからギンナが普通に挨拶を返したのを見て目を丸くする。


「ちょ、ちょっとルッタ。なーにを話しかけてるんですのよ。この方、この間の……その、敵のようなもんですのよ」

「いやー。ギンナさん。そういう人じゃないよ」

「あけすけに言われるとイラっとはくるけどなー」


 眉をひそめるギンナの言葉にメイサが跳び下がってシュッシュと威嚇のジャブを振るう。

 身体強化も発動しているので当たればギンナは吹っ飛ぶ。

 なお、ルッタにしてみればギンナはアドバイスをくれた人で、ギンナにとっては自分の言葉を正しく汲み取って(変則的ではあるが)言うことを聞いて動いている子供である。外野にとっては敵対しているように見えても、当人たちにとっては互いに悪印象があるはずもなかった。

 そしてメイサの反応にため息を吐きつつ、ギンナがルッタに視線を向ける。


「ハァ。まあ、いいや。おいルッタ。あのシーリスってのはいないのな」


 マリアは一緒にいるが、ギンナの知る限りの風の機師団の面々はメイサ以外にはいなかった。

 アンとそれに乗っているタラはよく分からないので無視だ。


「シーリス姉なら船にいるんじゃない? 機体は店に預けてるから暇してると思うけど」

「ああ、そうかい。そりゃ良かった。なあルッタ」

「うん?」


 首を傾げるルッタに、ギンナが口を開いた。


「一応聞くんだがよ。お前さぁ。クランの連中に良いように使われてるってわけじゃあねーんだよな?」


 メイサが「ま゛」と言う顔をするが、ルッタは「まあね」と返した。自分がクランから御輿のように扱われているという噂があることをルッタは知っているし、それが事実無根であるのも当然本人が一番理解している。


「クロスギアーズは自分の意思で出たくてウチのクランリーダーにお願いしたんだよ。ちょっとクランの事情で、ここに来るまでまともに剣闘士(グラディエーター)として動けなかったんだけどね」


 ルッタが肩をすくめて、そう返した。

 ゴーラ武天領軍とやり合っていたことは基本的には隠しているため、詳細はルッタも話せないが、剣闘士(グラディエーター)の試合がここまで組めなかったのはルッタとしても不本意ではあった。乗り手としての実力はどうあれ、戦いとは事前の準備こそがモノを言うのはルッタも理解している。その経験値が不足していたことへの焦りはイシカワと会ったことでいっそう強くなっていた。だから今の状況はルッタにとっても渡りに船であったのだ。

 その様子にギンナが納得した顔で「なるほど」と頷く。それを見たメイサが訝しげな視線でギンナを見た。


「なーんか以前とは態度が違いますわねぇ」

「あん? 俺だって別に誰彼構わず喧嘩ふっかけてえってわけじゃあねーんだよ。今のこいつは剣闘士(グラディエーター)だ。筋さえ通っていれば、何も言わねえっての」


 ギンナが苦い顔をしてそう返す。

 試合は1回、対戦相手は仲間の知り合い、推薦はコネ。なのに上から試合を組めと突きつける。これで良い感情を持てというのが難しいし、最初に会った時のシーリスの態度がギンナの態度をさらに硬化させていたということもあった。


「まあいいや。そんで、テメェは何してんだ?」

「んー。メイサ姉のパーツ見繕ってるのと、アヴァランチ……俺の機体に必要なのをね。探してるとこ」

「は? こっちのガキも乗るのか?」

「こっちのガキとはなんですのー」

「キキーーー」


 メイサと、私も乗ってるーと自己主張したいタラが吠えた。なお翻訳は入らなかったのでデカい蜘蛛が吠えてるだけにしか見えず、ギンナはビビって一歩下がった。


「メイサ姉はランクDクラスの腕はあるよ、ギンナさん。搭乗時間はそこらの乗り手より上っぽいし」

「マジか。ハァー、意味分かんねえ」


 一般的に乗り手は15歳辺りでも早熟と見られ、それよりも前に自分の機体を得られることなどは領主の息子などでもなければ普通はあり得ない。そういう意味ではルッタだけではなく、メイサも相当に例外的な存在なのである。


「それでアヴァランチだったか。アレってあの時、俺が指差した機体だったよな?」

「そうそう」

「ふーん。どうよ?」


 その問いにルッタが少し考えてから「すごく良いね」と返した。


「まあ前のオーナーは欠陥品だって投げ売ったらしいけど」

「ハァ?」

「うーん。多分、元は剣闘士(グラディエーター)の人の機体だったんだろうね。反応が過敏過ぎて慣れないとまともに扱えないし、ハードウェアから弄ってるから設定変えたところで普通の機体には戻せないし。そう言う意味じゃあ売った人も苦労した末の決断だったと思うよ」

「あー、そういうことかい」

「それでも無理に動かしたせいか、表面はぶつけてボロボロ。背骨のフレームが歪んでまともに動かなくなってたけど、そこら辺は直したから今は問題ないけどさ」


 バランの機体は彼の息子に相続されたとギンナは聞いていた。

 とはいえ、剣闘士(グラディエーター)の機体はハンターのように持続的な汎用性よりも機体性能を突き詰める傾向にある。血の繋がりがあろうと、そう易々と扱えるものではない。

 結果として、バランの息子はまともに扱えず、壊れたところで売り払ったようだった。


「直したのか。やっぱり風の機師団には優秀な整備士がいるんだな」

「んー? まあね?」


 その修理した整備士がルッタ本人であることまではギンナも気付いていない。それは表立って見える功績とは違って外に情報が漏れることも少ないための認識の齟齬であった。

ルッタくんは修理屋時代にギンナさんよりも酷いのとも普通にやり取りしてたから慣れてるんだよね。

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― 新着の感想 ―
そこら辺の整備士よりもずっと腕がいいし経験も積んでますもんねー 褒められて悪い気はしないですよね
あの店は荒くれの男達にショタ好きのお姉様達が集まる店やったんか!?そりゃ祖父さんもショットガンぶっぱなすくらいはしてそうだな。
よくよく考えると銀鮭団みたいなのが証拠がなければ許される界隈だから、 ギンナは面倒見の良いツンデレお兄さんだし、ルッタが銃を構えてたのは自然な話って訳か。
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