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ますぷろ 〜ファンタジー世界で量産機しか乗れない俺だけど、プレイヤースキルで専用機やエース機や決戦兵器やドラゴン諸々全部ブッ飛ばす!〜  作者: 紫炎
第一部 強羅業の章

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027 エンゲージ

「あれ、ゴーラが追いかけてこない?」

「キー?」


 ルッタが眉をひそめ、周囲を見渡しながらそう呟いた。

 ラガスを含めたオリジンダイバー部隊を撃退したルッタだったが、その後はすぐさまタイフーン号に追いつこうと動き出していた。

 周囲にはタイフーン号を追わずに残ったゴーラ武天領軍のアーマーダイバーもいたが、オリジンダイバーの末路を見て勝てないと悟ったのか、心が折れたのか、彼らは距離をとって牽制する程度の攻撃しかしてこなくなっていた。

 ルッタはそれらをさばきながら移動し続けていたのだが、気がつけばいつの間にか追ってきていたはずのゴーラ武天領軍の機体は一機もいなくなっていた。


(離れてる? それもタイフーン号の向かった先にいた機体もこっち側に近づかないように迂回して戻っていってるような……)


 頭部パーツを索敵モードに変えて周囲を調べてみたところ、そんな反応があった。


(これってどういうこと? まさかリリ姉……は大丈夫だろうから、タイフーン号が拿捕されたとか?)


 ルッタはリリがグラン・クラーケと戦っていたことを知らなかったが、何があってもリリとフレーヌだけならば大丈夫だろうとは考えていた。

 リリは強さの本質はオールマイティなことだ。強さにこだわりはあっても一時の勝ちに固執しないし、退く時は退く。最適解に辿り着くための能力に長けているとでもいうべきか。クィーンビー戦では無茶を重ねたが、アレはタイフーン号の防衛戦が長くはもたない可能性を危惧してのものだった。

 なので問題が起きた可能性があるとすればタイフーン号の方だ。シーリスの狙撃の腕前とジェットの防衛能力は承知しているが、それでも囲まれてしまえば守り切るのは難しい。

 そう考えて、若干の焦りが生まれたルッタの耳に『ルッタ。聞こえる?』と通信機からの声が届いた。その声はシーリスのもので、魔力レーダーにもレッドアラームが近づいてくることが示されていた。


「ああ、シーリス姉。良かった。無事みたいだね」

『そっちもね。ずいぶんとやったようじゃない』

「まーねー」

「キーキー」


 ルッタと、ついでにタラが呑気にそう答えているが『ずいぶんと』などという言葉ひとつで片付くほどルッタの実績はヌルいものではない。

 後にこの戦いの『クリムゾンシャーク』の生き残りによってふたつ名のひとつである鮫殺しの意味が別の意味に上書きされることとなったし、今回の件で青い竜戦士に追いかけ回される悪夢を見るようになったり、青い機体を見ただけで吐き出す騎士たちが多数出たことから第七兵団を量産機単機で壊滅させた『悪魔の子』『ナイトメア』の二つ名なども追加されることとなる。もちろん現時点のルッタにとっては預かり知らぬことであるが。


「それでシーリス姉。なんか連中、退いてくんだけど。シーリス姉が来たってことは一区切りついたってこと?」

『その認識で合ってるよルッタ。ほら、あっちを見てみなよ』

「うん?」


 シーリスの機体レッドアラームが指差した先へとルッタが視線を向けると、かなり離れた距離に船団のような影があるのに気付いた。


「ゴーラの増援? いや、違うか」


 索敵モードに変えた頭部パーツの視野倍率を操作して改めて確認すると、近づいてくる雲海船の中にタイフーン号とフレーヌもいるのが確認できた。また、共に移動している戦艦に掲げられている軍旗に描かれているのは燕を象った紋章だ。それがヘヴラト聖天領のものであることはルッタも知っていた。


「もしかして、ヘヴラト聖天領軍が来てくれたの?」

『そういうことだよ。どうもリリもゴーラ武天領軍と戦っているところに接触して、ゴーラもゴネたけど結局は退くことになったみたいだね』

「へぇ。よく退いたね?」

『戦力が同等以上ならともかく、あっちはもう死に体だったみたいだからねぇ。あんたのおかげで』


 オリジンダイバー部隊が健在であったならば、或いは百機のアーマーダイバーが残っているならばまだしも、ゴーラ武天領軍の戦力はすでに半数以下。グラン・クラーケがいたとしても負ける以外の選択が見えない状況ではさすがにゾッドも退くしかなかった。


「ふーん。けど、なんでヘヴラト聖天領軍が来たの? そういう予定はなかったよね。偶然?」

「キーキー?」


 首を傾げるルッタとタラにシーリスは『いんや』と返す。


『あたしもちょっと聞いただけだけど、アンカース天領の件があっちに届いていたらしいんだよね。んで、シェーラ大天領に駐屯していたヘヴラト第五兵団がソレを受けてやってきたってわけ』

「第五兵団? よく軍が動いたね。ウチがヘヴラトにコネがあるとは聞いてたけどさただの一クランに対してさ」

「キー?」


 いくら風の機師団がヘヴラト聖天領と繋がりがあるとはいえ、あの規模の軍隊が動くとはルッタも思っていなかった。

 対してシーリスは、そんなルッタの反応に苦笑しつつも種明かしを口にする。


「だってヘヴラト第五兵団の兵団長はギア艦長の奥さんだからね」

「へ?」


 そして、ルッタは目を丸くした。


「艦長って結婚してたの?」


 してたのである。

 風の機師団とヘヴラト聖天領の繋がりは奥さんが兵団長とはまた別のものです。どちらかというとまだ名前しか出てないジャヴァの方が深い関係があったりする。

 繋がりができた時の事件で打ちのめされてメソメソイジイジしていたギアに奥さんの母性本能がくすぐられてくっ付いています。

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― 新着の感想 ―
結婚してたのかってのもそうだけど奥さんもバリバリに武闘派なのか
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