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ますぷろ 〜ファンタジー世界で量産機しか乗れない俺だけど、プレイヤースキルで専用機やエース機や決戦兵器やドラゴン諸々全部ブッ飛ばす!〜  作者: 紫炎
第一部 強羅業の章

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021 蹂躙

「あはっ」


 ルッタが笑う。機体が縦横無尽に動き回り、銃声が木霊し、敵が次々と落ちていく。

 前世の記憶からゾーンに入った……というような言葉がルッタの脳裏に思い浮かんだが、実際には特別なことなど起きてはいない。ただ、ルッタの性能がようやく『正しく機能した』だけのこと。

 ゴーラ武天領軍の騎士トールの機体を落として竜雲海上に飛び出した時もそうだ。

 ルッタは直後に周囲の部隊から狙い撃ちされることとなったが、その時点ですでにガルバラン隊の機体の一機にワイヤーアンカーを巻き付けており、それを巻き取る形で空中で予測できない回避行動をとって再び竜雲海の中に沈んでいった。

 なまじ優秀であった彼らの狙いは素直で、狙いが逸れた弾に当たるということもなく、また逃げたブルーバレットを追う形で降ろされた射線上にいたガルバラン隊の残存機体は味方に撃たれて大破した。

 それだけでゴーラ武天領軍内で動揺が走り、わずかに動きが止まったが、次の瞬間にはルッタのガトリングガンが竜雲海内から再度火を噴き始めた。

 基本は指切り1秒で10連射。或いはまとめて薙ぎ倒すために長く撃つこともあるが、残弾数は千発。狙いが正確であれば百機は倒せるだろう。もちろんそんな計算通りに行くはずもない……が、それでもルッタの射撃によってゴーラ武天領軍の機体がバタバタと落ちていく。

 索敵モードに変えたツノ割れの頭部から与えられる情報は敵の位置を正確に伝えており、ルッタのエイム力であれば中距離までなら見えずとも当てられるだけの実力があった。


『畜生。量産機なのになんであんなに弾が出んだよ?』

『避け続けて弾切れを狙って……うわぁああ!?』


 加えて、彼らはノートリア遺跡でルッタが手に入れたガトリングガンを知らない。量産機相応の魔力であれば、このような射撃はすぐに尽きてしまうはず……そう考えて距離を詰めたゴーラ武天領軍の機体は終わらぬ鋼鉄の雨に翻弄されていく。


『クソッ。弾は終わらないと見て動け。アレの見た目からして取り回しが悪い。回り込んで背後から』

「タラちゃん」

「キーー!」


 さらにはガトリングガンを両手で持つことで解放された右のタクティカルアームには全自動魔導散弾銃が握られており、それはタラの意思によって迫る敵に狙いを定めていく。


『タクティカルアームの散弾銃が動いた?』

『なんで、予備の腕で狙え……ギャアア!?』


 ガトリングガンの反動を利用した小刻みな回避と、本来あり得ぬタクティカルアームでの狙い撃ち。

 普通に考えてタクティカルアームを使って魔導銃を固定砲台代わりに使うことがあっても、乗り手がひとりである以上、使える腕は二本のみでそれ以上はまともに操作できないはずなのだ。

 アーマーダイバーの仕様上、二人乗りで操作というのも基本想定できない。だからブルーバレット内にいるタラも彼らには想定外のもので、またルッタの誘導に従っての射撃であればある程度の技量を持つタラが外す事はそうそうなく、遠近中距離のすべてが完全にルッタたちの間合いとなっていた。


「キーー」


 あまりにも圧倒的な戦況に、仲間になって良かったとタラは改めて思う。一方でルッタの方も、この戦いの前にポーンビーやナイトビーとの戦闘を経験できていたことに安堵していた。


(クィーンビーの兵隊、あいつらを相手にしていて良かったなぁ。おかげで勘どころは間違えない)


 風見一樹の記憶の中にあった世界。アサルトセルの戦場。あの蜂たちによる仮想アーマーダイバー戦を経て錆落としもできたルッタは、ようやくそこにたどり着いたという感覚があった。


『竜鱗陣形!』

「ふーん。盾を並べてファランクス陣形? まあ確かにガトリングは通らないけど。タラちゃん、散弾銃を腰部に戻してガトリング装備、前面に固定して」

「キーー」


 よし来た任せてとタラが興奮の声をあげてタクティカルアームでガトリングガンを構え、ルッタは左右の腰部にマウントしてある白牙剣と黒牙剣を両手に持った。


『なんだ。あのでかい機関銃をタクティカルアームに持たせて』

『だが撃ち続けている』

『弾は通らん。盾は構え続けろ』

『剣だ。腰の二本の剣を持ったぞ。近接戦を挑もうというのか?』

『は? 合体して大剣になった!?』

「テールブースター発動。チェンソーモードで吶喊!」


 反撃させぬようにガトリングガンの牽制は止めず、そのまま合体した大牙剣をチェンソーモードに変えてブルーバレットが突撃する。


「固まってんなら、諸共斬り裂くまでだ。ランクA飛獣以上の硬さがあるなら防げるだろうけどねぇ!」


 そして一閃。竜鱗陣形と呼ばれた陣形のままに彼らの機体の胴が真っ二つに斬り裂かれた。


『盾ごと十機まとめて斬った!?』

『なんて出鱈目だ』


 ゴーラ武天領軍の乗り手の実力はハンターで言えばランクCからDクラスはある。決して弱兵というわけではないが、操縦技術、戦いの駆け引き、また何よりも対人戦における経験量の差が如実に現れていた。


『だが踏み込みすぎたな。戦艦をぶつけろ。質量で潰す』


 ブルーバレットへと巨大な影が近づいてくる。それはゴーラ武天領軍の軍用サングリエ艦級よりも大きな、大型の熊の名を冠する軍用ウルス艦級。大型飛獣相手への衝角攻撃を得意とした質量の塊はブルーバレットへと突撃し……


「うん? アーマーダイバーでもチャージできる……というよりは飛獣よりもチャージ量が多い。流れる魔力が素直だから? まあ考えるのは後でいいか。テールブースターはチャージ中だけど、相手が来てくれるなら」

『アイツ、避けずに正面から突撃した!?』

『馬鹿が。死ねぇええ……あ?』


 直後に放たれるのは紅の炎と緑の放電が混ざり合ってできた巨大な光の刃。明らかに先ほどの斬撃よりも強化されているソレがゴーラ武天領軍の戦艦を一撃で、真っ二つに切り裂いた。


「戦艦ぶった斬るのには流石に魔導砲弾二発は使うか。残弾ゼロ。この戦闘中に一発は再チャージできると良いけど」


 そして、竜雲海の中へと沈む船の残骸を尻目にルッタはその場を離れ、再び狩りに戻ったのであった。

お願い、死なないでゴーラ武天領軍!

あんたたちが今ここで倒れたら、ゴーラ武天領の未来はどうなっちゃうの?

戦力はまだ残ってる。ここを耐えれば、風の機師団に勝てるんだから!


次回?「ゴーラ武天領軍死す」デュエルスタンバイ!

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― 新着の感想 ―
ゴラ之内くん! 兵隊は皆さんやっぱり顎が尖ってるんですかね?
なんだ、ただのヒュージブレード(リチャージ可)か ……とんでもねぇな
次回タイトルが全てを物語っているなw
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