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ますぷろ 〜ファンタジー世界で量産機しか乗れない俺だけど、プレイヤースキルで専用機やエース機や決戦兵器やドラゴン諸々全部ブッ飛ばす!〜  作者: 紫炎
第一部 強羅業の章

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018 よりどりみどり

「目標、タイフーン号。ガルバラン隊出るぞ」


 逃走するタイフーン号を取り囲もうと扇の陣を敷いて迫るゴーラ武天領軍。その中のサングリエ艦級の一隻からトール・ガルバランと三人の配下の機体も出撃していく。また、他の艦からも次々とアーマーダイバーが出てきており、その数は実に百に届こうかというほどであった。

 それはもはや一クランを相手にするような規模ではない。誰もが過剰と思うほどの戦力がそこにあった。


『壮観ですねトール隊長。しっかしゾッド兵団長閣下も民間のクラン相手にここまでやりますか』

「言うな。その民間に我々は一年逃げられ続け、接触するたびにやられてきた。失敗は許されんというあの方の決意の表れだろうよ」


 部下の言葉にトールがそう返す。

 トール・ガルバランは、ゴーラ武天領軍第七兵団に属する騎士のひとりだ。魔人将には及ばぬものの、隊長の任についている通りに一廉の実力は持っている。当然、今回の出撃に対して思うところはあるが、部下を嗜めたように己の心を律して出撃していた。


(確かに、船一隻しか持たないハンタークラン相手に過剰戦力としか思えないが……それでもここまで我らから逃げ切った相手だ。油断はできんさ)


 トールたちは半年前にゴーラ武天領より派遣された増援部隊だが、ここまでの彼らの探索は全て空振りで終わっていたため、直に風の機師団と対峙する機会もなかった。

 けれどもここ近々においてもオリジンダイバーの乗り手でもある魔人将ラガス・ヴェルーマンとオリジン狩りのダストマン兄弟を連続で退けている相手なのだ。単純に数の有利で押し切れる相手とはトールも思っていない。


(砲撃の有効射程範囲ギリギリまで距離をとっている。なかなかの操船技術。それに運良く命中した砲弾もアレを前には通らないか)


 今もまたゴーラ武天領軍側から撃たれた魔導砲弾によりタイフーン号で爆発が起きた……が、それは船にダメージを与えていなかった。何故ならばたった一機のアーマーダイバーが操るシールドドローンがすべて防いでいるためだ。


「鉄壁のジェット。見事なものだな。ラッキーショットでは揺らぎもしない。やはりアーマーダイバーで取り憑いて船の動きを抑えるのが最善か。しかし……ムッ」

『ヒギャッ』


 直後、トールの真横にいた部下の機体が撃ち抜かれて爆散した。


「ラルフ!? チッ、散開しろ。この距離で当たるのかよ」


 それはタイフーン号側からの狙撃だった。

 風の機師団のアーマーダイバー乗りの中では若干地味な評価ではあるが、彼らには狙撃型の乗り手もいる。


(シーリス・マスタングの乗るレッドアラームだったか。まったく良い仕事をする)


 レッドアラームはシールドタレットに守られたタイフーン号の甲板上で、狙いすまして撃ってきていた。対して自分達は高速移動しているといえ、まっすぐ直線上に進んでいた。この距離を狙えるのであれば、相手にしてみれば良い的だろう。

 もっとも本来であればタイフーン号が逃げ回りながら狙撃で数を減らし、リリの乗るフレーヌが制圧していくのがパターンではあるのだが……


(運悪く連中は飛獣の群れに当たってくれた。今もオリジンダイバーともう一機は飛獣を相手取ってる。千載一遇のチャンスではあるはずだが)


 トールが作戦前に得ていた情報ではそうだった。だからこそ難しくないミッションではあるのだろうという油断があったことは否めない。けれども時は移ろう。状況は刻一刻と変わっていく。


 ギュルルルル……


「む、なんの音だ……!?」


 下方より咆哮のような音を機体が検知した直後、


「ガッ」


 トールの機体は穴だらけとなり、乗り手の視界も意識も真っ赤に染め上げられた。そのままトールのフォーコンタイプは炎をあげながら竜雲海の中へと消えてゆき、そして……


 雲の中から青と黒の竜騎兵が姿を現した。




———————————




「はははっ」


 ルッタが笑う。まずは一機と。

 そこは敵陣のど真ん中。何故に彼がここにいるのかといえば、当然移動してやってきたからだ。

 ゴーラ武天領軍の姿を認めてすぐに動き出し、タイフーン号の逃走ルートを予測し、レーダーに引っかからないように出力を落として自由滑空の形で移動しながら、タイフーン号のルートを逆走するようにゴーラ武天領軍の方へと進んでいった。

 無論、量産機の速度など知れたものだが、相手はこちらに近づいてくるのだ。双方共に近づけ合うのであれば、その距離が縮まるのも当然早い。そうして敵陣の中心に近づいたところでルッタはテールブースターを発動させ、急上昇しながら真上にいる敵をガトリングガンで撃ったのだ。

 こうして一機撃墜したブルーバレットはテールブースターの勢いのままに敵陣の中心に躍り出る。普通に考えれば、それは蛮勇ですらないただの愚行。集中砲火を浴びて撃墜される未来しかない自殺行為だ。けれども


「良いね。よりどりみどりだ」


 ルッタは笑っていた。瞳を爛々と輝かせながら、獰猛な笑みを浮かべていた。そして狩人の目で眼下に並ぶ獲物たちを見て舌舐めずりをすると、ルッタはフットペダルを一気に踏み込んでブルーバレットを加速させたのである。

 よりどりみどり。俺の大好きなヒロインのセリフです。仲間思いの良い娘さんなんですよ。

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― 新着の感想 ―
どちらが狩る側かわからなくなってきましたねえw
あの赤くて格好良い強襲用のMSも健気で姐御肌なパイロットも好きですが、「娘さん」というには幾分お年をめさr(通信途絶
故あれば裏切りそうなヒロインがお好きなんですね…
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