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ますぷろ 〜ファンタジー世界で量産機しか乗れない俺だけど、プレイヤースキルで専用機やエース機や決戦兵器やドラゴン諸々全部ブッ飛ばす!〜  作者: 紫炎
第一部 島喰らいの章

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064 スタリオン

ダビスタのスタリオンの意味を初めて知った今日この頃。なるほどなー

 アンカース奪還作戦は当初の目的通りに群れのボスであるランクA飛獣クィーンビーを討伐、その後に天導核を取り戻して天領を浮上させて島内の飛獣たちも島から追い出したことで概ね完了となった。

 一方で今回の戦いで得られたアルティメット研究会の情報だが、首謀者と見られるヒムラの死によって貴重な情報ソースを失いはしたものの、作戦以前に比べれば得られたものは非常に多かった。それが今後に活かせるか否かはこれからのザイゼンの行動次第となるだろうが。

 そして、そこからハンター軍団は天導核へと通じる領都の血脈路入り口の防衛組と、外からの雲海船の受け入れのために廃墟となった港町の復旧組へと分かれて活動し始めることとなり、その一週間後に強行軍であったハンター軍団より遅れて、復興のための船団がアンカース天領へとたどり着いたのである。


「あー、イシカワー。よーやく見つけたー」

「「「みーつけたー」」」


 そして、やってきた雲海船の中にはイシカワのクランの船もあった。


「あれー。お前ら、来たのかよ」


 港にいたイシカワがやってきたメンバーを見て驚いた顔をしている。一方でその横にいるルッタはクランメンバーが自分と同じぐらいの『低身長の女の子』しかいないことに驚いていた。


「えーと、この人……たちって、イシカワさんのクランメンバー?」

「あ、ああ」


 ルッタの問いに若干頬をひきつらせてイシカワが頷いた。


「全員子供?」

「そう見えるんだけどなー。こいつら獣人の中でも小さい鼠人族って種族なんだよ」

「鼠人族? みんな俺ぐらいなんだけど」

「同胞? 違うね?」

「子供」「子供だ」「男の子だ」「チュウ?」「チュウ!」


 トテトテとルッタの周囲を回りながら、鼠人族の女の子たちがそんなことを言う。


「あーどうも。俺は風の機師団のルッタ・レゾンです」

「私はシーリスだ」

「リリだよ」

「はいな。どーもー、ウチはニードルラッツの団長ネズ・ネズミー言います。此度はうちのイシカワが迷惑かけまして」

「かけてねーっつーの」


 鼠人族のメンバーの中でも若干ふくよかな体格をしている少女(?)の言葉に、イシカワが顔をしかめてそんな言葉を返す。その様子にシーリスが眉をひそめて口を開く。


「ねえ、イシカワ。彼女たちってアンタのハーレム……じゃないわよね?」


 イシカワのここまでの行動を見れば彼が童貞であることは容易に分かる。三十を越えて魔法使いにはなれなかったが、ロボット乗りにはなれたとルッタも聞いていた。十二のお子様相手に何を言っているのだろうか、このトッツキおっさんは。


「アホか。んなわけあるか。大体こいつらには悪いがそういう対象には見れねえよ。実年齢を知っててもなぁ」

「ハハーン。イシカワはウチらが総出でアプローチしてもゼンッゼンその気にならんからねぇ」

「ハッ、んなの最初だけじゃねえか。童貞童貞って揶揄いやがって。大体お前ら男遊び激し過ぎんだよ。もう六人も子供作って一族の元に戻ってったよなぁ。悪いとは言わねえけど、天領渡り歩くたびに男作ってるってのはさー。俺も男だしキッツイもんがあるっての」

「あ」


 途中でシーリスが何かに気付いた顔をした。


「それにこいつら、酒癖悪いし、俺も毎回記憶なくなるぐらい飲まされるからなぁ」


 その言葉に「うわぁ」と言いながらシーリスが顔を引き攣らせていく。それから意を決して口を開こうとして……


「あー、ねえイシカワさぁ。アンタ」

「チュ」

「う」


 ネズに睨まれて言葉が止まる。強面で通っているシーリスであっても一歩引かざるを得ない迫力がそこにあった。その様子にルッタが首を傾げる。


「シーリス姉、どうしたの?」

「……いや、なんでもない。知らない。あたしは知りたくない。あいつが将来的に辞めたメンバーの子供を見た時にどう思うかは気になるが……ルッタ、アーマーダイバー乗りの鉄則だよ。見えてる機雷には近付かない」


 シーリスは知っている。鼠人族は恵まれない身体能力ゆえに強い個体を群れの雄として囲う習性があることを。それはどちらかと言えばハーレムというよりはアマゾネス的なあり様であることを。だから分かってしまった。あの童貞(自称)は知らぬうちに別の意味で異世界の、異文化の洗礼を受けていたのだということを。

 なおアマゾネス的と言っても実際に食っていたのは200年ぐらい前までで今はそんな風習は(多分)残っていないので安心だ。


「イシカワほどのアーマーダイバー乗りで、高出力型も扱える魔力持ち。なるほど、鼠人族は異邦人狙いでアキレア店に協力しているってわけか。ルッタも気を付けな……と言っても子供には操縦技術は引き継がれないから連中の標的にはならないだろうけど」

「うん? なんだか知らないけど分かったよ」


 大人の話は分からない。ルッタくんはお子様である。だからこの話はここでお終いなんだ。


「チュウ。それでイシカワがここにいるのは、ネズたちを待ってたから?」

「いや、お前らが来るとは思ってなかったからな。ジナン大天領への連絡船に言伝をお願いしちまったよ」


 今回やってきた復旧船団は、アンカース天領奪還の報を聞いてやってきたのではなく、作戦が成功することを見込んで先行でやってきた船団だ。

 失敗している様であれば引き返すことを前提としていたが、その船団にネズたちも混ざってやってきたようなのだ。


「今回はこいつらの見送りだ。もうここを出るんだと」

「え? 帰んの? 復旧はともかく報酬の支払いだってこれからやないの?」


 その言葉に「全くだよねぇ」と言って、近づいてくる男がいた。


「あ、ラインさんに艦長とザイゼンさん」


 ルッタの言う通りにラインが、その後ろにはギア、ザイゼンのふたりが付いてやってきていた。


「やあ、みんな。船団のリーダーとも話をしていてちょっと遅くなった。ごめんね。そちらの彼女たちは……イシカワのガールフレンドかな?」

「クランメンバーだよ。で、こっちがうちのリーダーのネズ団長だ」

「よろしゅう」

「おや、鼠人族の方か。よろしく。イシカワには世話になったよ」


 ラインがそう言って挨拶をする……が、イシカワとメンバーをチラチラと見て「ああ」と呟いて何かを察したようだった。ラインも鼠人族の習性を知っていたのであった。

 またしても何も知らないイシカワさん。

 鼠人族は一族で子供を育てますので、身重になったらネズミー族のホームに戻って入れ替えで新しい人を寄越します。貴族ではない高魔力持ち。非常に優秀な種馬です。愛は……まあネズさんはあるんじゃないですかね。ネズさんとゴールインできたらオチバレすると思うよ。


…………

……


 おかしいな。イシカワは気付いてないけど彼の望みって実はすでに叶ってるんだよっていう渾身のギャグ回のつもりが取り返しのつかないことになってる気がする。

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― 新着の感想 ―
[一言] これはギャグではなく、お労わしいのではないだろうか?
[一言] どうバレるのかね?何年後かに「初めましてパパ」って取り敢えず6人くらい娘が訪ねて来そうだけど。 その前にネタばらしして結婚?はアルティメット同好会が危険かな。 ザイゼンの例だとハーフも狙われ…
[一言] 起こってることは番が出来たねおめでとう、ではあるんだけど、 それが狩人の立場か獲物の立場かで祝うか憐れむか分かれちゃうよね……名無、イシカワ。
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