閑話 特級ポーションを作ろうと試していたら王子が邪魔してきて逆らったら逆ギレされて迫られて、息も絶え絶えの状況に追い込まれてしまいました
「うーーーーん」
私は悩んでいた。
薬品を色々代えてみるが中々上手くいかない。
「なんだ、リーナ! まだやっているのか?」
夜遅く私の実験室にやってきたエドの眉が上がった。
「だって全然出来ないんだもの」
私が少し膨れて言うと
「ああ、もう、リーナ、昨日も夜遅くまでしていたんだろう。少しは休まないと駄目だ。サラ! 何しているんだ。リーナを休ませないと駄目だろう!」
「申し訳ありません。止めるようにお話ししたんですけど、どうしてもリーナ様は休まないってだだをこねられるんです。これからは殿下にすぐに連絡します」
サラが余計な事を言い出してくれた。
「そうだな。そうしてくれ」
その後エドによって強引に私は寝室に帰らされた。
「特級ポーションが作れないかしらね」
話は元々王妃様の一言から始まった。
王宮に部屋をもらって私が中級と上級の大半のポーションを作るようになると、あっという間にそのポーションが倉庫からはみ出すほど出来てしまった。
素材も大半を使ってしまって、
「パウリーナちゃん、作りすぎては駄目よ!」
王妃様から注意されてしまった。
そうかと言って私が再び初級ポーションを作ってしまうと、やっと皆が真剣に初級ポーションを作る努力を始めたのが駄目になるからと初級ポーションも作らせてもらえなかった。
その結果、私はとても暇を持て余すようになってしまった。
そんな時だ。
王妃様が言い出してくれたのだ。
何でも、昔は上級ポーションの上に更に特級ポーションなる物があって、下手したら死人まで蘇らせられたらしい。
まあ、死人を蘇らせるというのは眉唾物だと思うけれど……
私は学園の教授達とも色々相談してやっているんだけど、中々上手くいかなかった。
それで王宮に帰ってきてからも色々と実験しているんだけど、エドに見つかって早々にベッドに追いやられてしまったのだ。
まだまだ研究する体力は余裕があるのに!
私は不満だった。
そうだ。今度は実験用具をエドに隠れて寝室に持ち込んでやろう!
私が良いことを考えついたんだけど……
「リーナ、何をしているんだ」
翌日エドに隠れて寝室で実験していたらがエドがいきなり入ってきて驚いた。
「ちょっと、エド、何故あなたが淑女の寝室に入って来てるのよ! 噂になって、私がお嫁に行けなくなったらどうしてくれるのよ」
私は常識の範囲で男に注意したはずだった。
「はああああ! そうなったら俺が責任取ってリーナを娶るから問題ないだろ! と言うか、俺はリーナの婚約者だから全然問題ないはずじゃ無いか!」
エドが切れだしたんだけど、
「はああああ! いくら婚約者と雖も勝手に寝室に入ってくるのはおかしいわよ」
「何でだ? 俺は別にリーナに夜這いに来られても全然問題ないぞ」
「私はあるわよ。それでなくても今でもエドと噂されているのに、これ以上変な噂流されたらどうするのよ」
「良いだろう。別に。俺達は婚約者なんだから。というか、ひょっとして俺以外の男のところに嫁に行くつもりじゃないだろうな」
なんかエドが逆ギレしだしたんだけど……
そして、ずんずん私に近付いてきたんだけど……
「いりや、ちょっと、止めてよ」
抵抗しようとする私の唇をエドが奪ってくれた。
ええええ!
私は口の中をエドの強引な舌で絡められて、息が出来なくなった……
ちょっと、エド、離してったら!
必死にエドを離そうとしたらますますエドが私を抱きしめてくれたんだけど……
いや、ちょっと待って……もう息が続かない……
「エドガルド! 何をしているのです」
気絶しそうになった時だ。
やっと焦ったサラが王妃様を呼んできてくれた。
それまで私はエドに唇をむさぼられてもう私の意識は完全に飛んでしまう寸前だった。
その日は私は息も絶え絶えになっていて当然の如くそれ以上は実験が続けられなかった。
そして、その日以降、やたらとエドが私にキスしてくるようになったんだけど……
もう研究どころではなかった。
私はエドからできるだけ離れようとしたんだけど、クラスも一緒、行き帰りも同じ。住んでいる所も同じと逃げられなかった。
ロッテン先生の前でまで、エドがイチャイチャしてくれたんだけど……本当になんとかしてほしかった。
「パウリーナさん! あなたは筆頭聖女候補なのです。なのに、なんですか? あのような破廉恥なことをして! あなたはそれでも聖女ですか? 判っているのですか?」
延々怒られ続けたんだけど……いや、待って! 悪いのは全部エドだから!
私はキスされただけで……
「流されるあなたが悪いのです!」
ロッテン先生はとりつく島が無かった。
「私が王太子殿下に逆らえる訳ないでしょう。どう思う。サラ?」
延々怒られた後に私はサラに文句を言ったら
「まあ、我慢出来ない殿下も殿下だけど……あなたも殿下を無碍にしすぎなんじゃない。たまには二人でいちゃいちゃしてみなさいよ」
「何言っているのよ。今でも十二分にイチャイチャしているわよ。こうなったら大聖堂に逃げだそうかな」
私がそう言い出したときだ。
なんかさっきから必死にサラが後ろを見ろと合図しているんだけど……何なのよ!
私はそこにニコニコ笑っているエドを見つけた。
いや、この笑顔は黒い笑顔だ。
絶対にやばい!
「あっ、私、ロッテン先生に呼ばれていたんだ」
私が逃げだそうとしたときだ。
「リーナ、目が泳いでいるぞ。そんな嘘は良いから、さあ、馬車に乗って帰ろうか?」
「えっ、いや、エド、私はまだ実験があって」
「実験よりもまず、俺に何か言うことがあるんじゃ無いかな」
「えっ、いや、何もないわよ」
「まあ、良い。さあ馬車に乗ろうか」
「あの、サラ」
「私は馭者台に行きます」
「ちょっと、さ……」
私はエドに馬車に連れ込まれて、2人だけの馬車の中でエドに抱きしめられてキス攻めに遭ったのだ。そして、二度と勝手にエドに隠れて大聖堂に行こうとしたり、部屋で実験したりしないと約束するまで離してくれなかった。私の生命エネルギーは極限まで減らされて王宮に着いたときはもう息も絶え絶えで、その日は実験も出来なかった。
ここまで読んで頂いて有り難うございます。
私にしては思い切って書いたと思うラブシーン???でした。
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