4-4 関係各所への伝達
トリーシャの妊娠関連の話については、男子メンバーは医師から改めて話を聞いてもらうことになった。
そして、仕事も引き継ぎをしてお休みに。
「元気な赤ちゃん産まれたら見せに来てね」
とジンジャーは笑ってくれたし、学園長は素っ気なく了承してくれたけど、その代わりに後日人気で中々予約の取れないと噂の職人さんの手掛けた子供用オモチャを送ってくれたから祝福してくれてるんだと思う。
大臣補佐としての仕事も休むために、体調の良い日にケイトに引き継ぎをしに行った。
仕事が増えるのにケイトはトリーシャの妊娠を心からお祝いしてくれた。良い子!
「是非キングにも会って行ってください!」
とケイトがニコニコというので、もう一人の上司であるキングにも会いに行ったところ……
「え…………何この美猫!?」
そう、キングが凶悪な目つきの恐るべきデブ猫であったのは過去の話。
「みー」
この国の真の主人として相応しい品格を持った神々しいイケメン猫になっていた。
目元を圧迫していた贅肉も取れて、涼やかな目付きになっている。
クイーンも変わらない美しさでその側に控えていた。
二匹は仲睦まじく玉座で寛いでいた。
その脇には、目尻を下げて愛猫たちを見守る国王がいた。
「なるほど……この誕生はめでたい。王室からも後で祝いを贈るとしよう。キング達も結婚してからそれなりに経つし、そろそろ子をもうけても良いのではないか?王室の未来を担う後継を作っておくのは国の上に立つものとしての責務で……」
国王は何故か途中からキング達に話しかけ始めた。
王室の未来を担うのは人間ではなく猫達らしい。
この国大丈夫かしら……猫達が妙に賢いからなんとかなるの?
トリーシャは考えるのをやめた。
そして、報告しなくてはいけない人はもちろん他にもいる。
義父母だ。
「どうしましょう……仕事は大事をとって早めに休む為にあちこちに言ったけど、安定期に入るまで黙ってたらダメかしら」
妊娠の初期は流産しやすいのだ。
拙い前世の知識だが、七分の一か八分の一くらいの確率で遺伝子上の問題でどうしても育たない……みたいな話があったはず。
その場合は妊婦がどれだけ頑張ってお腹を大事にしてもどうしようもない。
「ここは物語の中の話なんだから、お願いだから都合よく何もかも良い感じになって欲しいわ」
トリーシャは久々にあの怪しいフレアお婆さんに貰った耳飾りを取り出して装着した。
もう、願掛けでもなんでも良いから頑張るのよ!
お腹に手を当てて心の中で励ます。
まだ初期で小さ過ぎてお腹を蹴ってくるなんて事はないけど、優しく撫でていると少し気分が落ち着いてきた。
「セオドアにまずは相談よね……でも私のお願いを言うとなんでも聞いてくれちゃうからなぁ」
トリーシャは夜になってから、おずおずと切り出す。
「あの、貴方のご両親にはいつ伝えれば良いかしらね」
「ん?妊娠のことですか?それならもう少し待ったほうが良いでしょう。ドルシーが勝手なことをしてトリーシャさんを困らせるなと言ってましたし」
ドルシー!!
セオドアに先に釘を刺してくれていたようだ。女の友情を噛み締めて、トリーシャは自分のことに専念することにした。
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