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難攻不落の魔王城へようこそ~デバフは不要と勇者パーティーを追い出された黒魔導士、魔王軍の最高幹部に迎えられる~【Web版】  作者: 御鷹穂積
第五章◇勇者に憧れた黒魔導士の魔王軍参謀が、伝説に挑む話

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299◇全天祭典競技最終段階『血戦領域魔王城』21/その力の名は




 狼の如き雄叫びが響く。

 一般的な【人狼】の三倍ほどの巨躯を誇る大狼男。

 男気溢れる剛力の武人。


「よくぞ呼んでくれた参謀殿!!」


 『難攻不落の魔王城』第四層フロアボス――【人狼の首領】マルコシアス。


 彼の雄叫びに呼応するように、遠吠えを上げる者がいた。


 猛禽を思わせる巨大な翼と、大型四足獣の体躯を持つ亜獣。

 己だけでなく、仲間にも『不可視化』を付与できるという、特異な固有魔法を持つ。


 僕に軽く顔を寄せてくる彼の頬あたりを、そっと撫でる。


 『難攻不落の魔王城』第一層副官魔物――【不可視の殺戮者】グラシャラボラス。

 

 そんな彼の横には、三つ首の大型【黒妖犬】の姿があった。


「参謀殿に召喚される時は、いつだって死闘の最中(さなか)ですな」


 首の一つが楽しげに言う。

 魔王城に挑む者達を、最初に出迎える者。侵入者を焼き尽くす獄炎を操る者。


 『難攻不落の魔王城』第一層フロアボス――【地獄の番犬】ナベリウス。


「我らが王の戦いでもある。私も死霊の全てを投入するとしよう」


 どこか青白く不健康な印象を受ける面貌とは対照的に、彼を包む騎士鎧の下は鍛え抜かれている。

 それは、彼自身の剣の腕を見れば明らか。


 その上で、彼自身は死者を操ることに長けた術者でもあるのだ。

 この時代では、倒した冒険者の魔力体(アバター)を使役する。


 『難攻不落の魔王城』第二層フロアボス――【死霊統べし勇将】キマリス。


「最強の魔王相手に、この毒矢がどれだけ通じるかは分かりませんが……死力を尽くします」


 露出の多い身軽な衣装の上に外套を纏うは、切れ長の眼をしたダークエルフの美女。


 弓の腕前だけでなく、恐ろしいのは矢に塗られた毒だ。この腐蝕の矢によって敵が弱まったところをキマリスさんが襲い、死霊化するというのが、第二層における定番の流れ。


 『難攻不落の魔王城』第二層副官魔物――【闇疵の狩人】レラージェ。


 フェニクスとの第十層戦から協力してくれた、最初期の契約者たち。

 彼らだけではない。


 金色の毛髪に、隠された瞳、鋭い牙。血を操る人間を超越した生き物。


 『難攻不落の魔王城』第三層副官魔物――【串刺し令嬢】ハーゲンティ。


 青みを帯びた波打つ金の長髪に、宝石のように煌めく下半身の鱗。


 『難攻不落の魔王城』第六層フロアボス――【水域の支配者】ウェパル。


 彼女は己が生み出した水球の中を泳いでいるが、それは非常に巨大。

 それもその筈。中にはもう一体の魔物がいるからだ。


 巨大鯨を思わせる巨体を誇る鮫の亜獣。


 『難攻不落の魔王城』第六層副官魔物――【海の怪物】フォルネウス。


 鳥のきぐるみを着た鳥人、というユニークな格好の紳士。


 『難攻不落の魔王城』第七層フロアボス【雄弁なる鶫公】カイム。


 巨大な烏の亜獣にして、アガレスとはまた異なった空間転移の使い手。


 『難攻不落の魔王城』第七層副官魔物――【怪盗烏】ラウム。


 白い髪と鱗を持つ半人半蛇(ラミア)にして、石化の魔眼を持つ参謀直属の配下。


 『難攻不落の魔王城』第十層所属――【魔眼の暗殺者】ボティス。


 既に退場した者を除く、我が魔王軍の主戦力。


 それに加え、『初級・始まりのダンジョン』にて縁を結んだ者たち。


 ――【零騎なる弓兵】オロバス。


 ――【寛大なる賢君】ロノウェ。


 タッグトーナメントにおいてレメと共に戦い、レイドでレメゲトンと共に戦った者。


 ――【銀砂の豪腕】ベリト。


 当初はレイド限定ということで、契約を交わした者達。


 ――【深き森の射手】ストラス。


 ――【絶世の勇者】エリー。


 この全天祭典競技において、レメに何かを見出し縁を結んだ者達。


 『南の魔王城』四天王――【火炎の操者】アイム。


 『南の魔王城』所属――【炎の槍術士】アミー。


 全員が、『難攻不落の魔王城』参謀レメゲトンとの契約をよしとしてくれた者達。


 その全員を、同時に召喚した。

 今この瞬間でなければ実現出来ぬ荒業だが、今出来るのならそれでいい。


「敵は最強の魔王だ。だが臆することはない」


 黒魔術を準備、展開。

 全ての星に向かって放つ。


「貴様らには、やつを護る赤き星々への対処を頼みたい。一つ一つが【魔王】に匹敵する魔力量を誇っているが、ただそれだけのこと(、、、、、、、)だ」


 他ならぬ師匠が示してくれたのだ。

 フルカスさんの魔法具を枯らした、あの黒魔術で気づきをくれた。


 魔法に黒魔法は掛けられない。

 だが、師匠の星々は角の一部という実体を持っている。


 そして、魔力とは全ての源。当然、命の源でもある。

 師匠本人には黒魔術を通せなくても、無数に分割した星の一つ一つならば、僕の黒魔術を通せるのではないか。


 通したところで、全てに終わり()を押し付けるほどの魔力は割けない。

 そんなことをしたら、僕の魔力がどれだけ失われてしまうことか。


 だから、弱めるのは――強者が破壊できるギリギリまでで、いい。

 その強者を、僕は喚び出すことが出来るのだから。


 師匠の強さは、個としての極地に達しているように思う。

 鎧角や黒魔術だけではない。

 四大属性に関しても師匠は群を抜いている。

 白魔法にしたってそうだ。

 僕に角を定着させたのとは別の秘術の類も、まだまだ隠し持っているだろう。


 だがこの星々に限っては、彼の弟子によって、攻略法が編み出されてしまった。

 普通にやっては勝てない相手? そんな相手こそ、僕の役目だ。


 敵を弱くして、味方を勝たせる。


「無論、この星の掃討が終わった暁には、最強の魔王と戦う機会が得られるだろう」


 一部の好戦的な者達が、喜びの声を上げる。


「貴様らには黒魔術師がついている。弱体化した【魔王】の軍勢など、敵ではない。存分に暴れ、巡る星々を――ことごとく破壊しろ」


 この場にいる者達は、僕の力を知ってくれているからこそ、僕の判断を疑わない。

 違う。己自身の頭で検証した上で、信じてくれるのだ。


 その、なんとありがたきこと。


 そして、この場にはまだまだ頼れる者達がいる。


「【嵐の勇者】、【炎の勇者】、【湖の勇者】よ――合わせろ(、、、、)


 この三人には、それだけで充分。

 フォラスは指示するまでもなく他の仲間達に合流し、魔王二人も好きに動くだろう。


「魔王様。参りましょう」


「うむ」


 様々な場所で共に戦い、時に争ってきた者達が。

 今日この場においては、最強の魔王を倒す為の仲間。


 この縁こそが、僕が師匠に勝つ為の鍵。


 たった一人で、世界の(いただき)に立ってしまった師のところまで。

 みんなの力を結集して、辿り着いてみせる。


 そして、勝つのだ。

 それこそが、僕にとっての――。


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◇『魔女と魔性と魔宝の楽園』◇

・書籍版①発売中(サーガフォレスト)大判小説
・コミック版、企画も進行中

i798260/


◇『骨骸の剣聖が死を遂げる』◇

・書籍版発売中(DREノベルス)大判小説
・コミック版、企画進行中
i799587/


◇『難攻不落の魔王城へようこそ』◇

・書籍版①~③発売中(GAノベル)大判小説
・コミック版①~⑧発売中(ガンガンコミックスUP!)
i781730/


◇『復讐完遂者の人生二周目異世界譚』シリーズ◇

・書籍版①~④発売中(GCノベルズ)大判小説
・コミック版①~⑦発売中(ライドコミックス)
i793341/
― 新着の感想 ―
[気になる点] レメゲトンが大量に配下を召喚したのに異様に強い魔人のベヌウが召喚されませんでしたァーってなるのか、フェニックスを退場させてから正体バレバレのベヌウを召喚するのか楽しみw あとエリー…
[良い点] 毎回戦闘が熱すぎる! [一言] 最初は★2にして様子見って感じだったけど、フェニックス戦から今までずっと★5維持、そして今日読んだ分で決めた 単行本買うわ! 冷めたおっさんに熱量を注い…
[良い点] 全員よびも最初は考えたけど除外してた でもそうなんだよなー集団の力をレメゲトンとするなら、絶対的強者喚ぶより正しいんですよね (しれっと入り込む四天王) そしてまさかレメゲトンが自分を黒…
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