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三度目勇者の異世界紀行  作者: 陽山純樹
第二話

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情報と判断

「天王達の情報網により、魔族が潜伏していないかなど情報を得ていくわけだが、俺達の方でも調べていく。といっても、今までとやることは変わらない。鍛錬をしつつ、道中に存在する魔物などを倒す……で、もし魔族がこの大陸に潜伏するとなったら、どこを選ぶのかを考えると――」

「天王達がいる国、というのは考えづらいですね」


 メルが発言。俺はそれに頷き、

「魔族も天王と関わる国というのは、攻め込む準備でもない限り潜伏は避けたいと考えているだろう……今はフリューレ王国への攻撃が失敗した以上、天王が治めている国に魔族がいる可能性は低いし、また同盟などを結んでいる国家も同じだろう」

「大陸の中で、下半分ほどは天王の国家と関係していますね」

「そうだな。だがその一方で、関係が薄い国もある……それが魔族の領域と海を挟んで面している湾岸諸国と、それに関連する国々。元々、商業国家が多く魔王側ともやりとりをしていたこともあって、中立性を保ってきた」

「そうですね」

「だからなのか、戦争に対する被害も、魔族の領域に近しいとはいえ少なかったはず」

「はい、それは間違いありません」


 と、メルは俺へ向け発言する。


「とはいえ魔王の動きはロードガーデンを制圧するために動いていました。湾岸諸国まで相手をしていたら、あの町を制圧できないと考え無視したといったところでしょうか」

「兵站をつなぐような経路では攻撃もあったみたいだけど……ともかく、そうした国は天王の影響が少ない。となったら、今の魔王復活に疑義を唱え、大陸にやってきた魔族も、そうした国々のどこかに隠れている可能性はないか?」

「十分ありそうだね」


 ヘレナが言う。俺は彼女の言葉に頷き返しつつ、


「だからこそ、進路は北で、天王が統治する国以外の場所……ただこうなると天王と手を組んだ意味はないのではないか? と疑問に思うところかもしれないが、天王の国々の影響力はある。情報網だって、きちんと持っている」

「あるいは、諜報員とかが潜入していたりする?」


 ヘレナが問う。俺はそれに肩をすくめ、


「まあ、そのくらいやっていてもおかしくはないな。けど、さすがに追求することはしないぞ。何か突っついて面倒事が起きたら洒落にならない」

「わかってるわかってる……で、ここで問題は」


 と、ヘレナは話題を変える。


「魔族を発見したとして、その魔族が果たして話を聞いてくれるのかどうか」

「……フィリス、名前とか聞いて魔王の側近と距離を置く魔族かどうか、わかるか?」

「うーん、正直そこはわからないかな」


 まあ彼女の方も年齢的に同胞を全て知っているわけではないだろうからな……ただ、


「ああ、フィリスに頼り切るわけじゃないから心配しないでくれ。ヘレナの懸念はもっともだが、こちらもちゃんと考えがある」

「本当?」

「ああ。ここは情報次第で判断する」

「情報……天王側から得られた情報を基に、判断するってこと?」

「それ以外でも現地で得られた情報で、だな。メル、どう思う?」

「難しいとは思いますが、不可能ではないでしょう」


 と、メルは俺の言葉に応じる。


「私やトキヤは、これまで魔族と戦ってきました。だからこそ、魔族の動きについてもある程度理解できます。そして今、魔王と側近は非常に強硬的です。潜伏している魔族がいるとしたら、攻撃準備を進めていることでしょう」

「俺が三度目の召喚されて以降、魔族と戦ってきたわけだが、魔王の指示に従って魔族は動いていたし、色々と実験をやっていた。さらに、エルフや神族をも味方に引き込んでいる。フリューレ王国で戦力大きく減らされたことで大きく後退したが、強硬的な動きをしている魔族側は、諦めないはずだ」


 俺の言葉にメル達は一斉に頷いた。そこだけは、間違いない……誰もが認めている。


「そういった動きをしているかどうかは調べればある程度見えてくるはず……正直、共闘できる魔族を探しているけど、いないかもしれない……ただ、魔族が潜伏して攻撃準備をしているというのは止める必要があるし、どちらにせよ俺達のやることは変わらないから、旅に支障はない」

「そうですね……手を結べる可能性を模索しつつ、もし大陸を攻撃しているとわかれば即座に撃滅……ですか。考えることは多くなりましたが、トキヤの言うとおりやることは変わっていません」

「そうだな……あと、もう一つ」


 と、俺は一つの推測を述べる。


「もし手を結べる魔族……共闘できる魔族がいるとしたら、案外見つかる可能性もある」

「それは何故ですか?」

「フィリスのように、無理矢理戦地に連れてこられたケースがあることに加え、それなりの地位にいた魔族が反発しこの大陸にやってきているとしたら……今の魔族の方針からすると、裏切り者に近いよな?」

「見方によってはそうですね」

「だからこそ、魔族同士で抗争が起きるかもしれない……この大陸で戦うならはた迷惑な話ではあるが、もしかするとそうしたケースによって共闘できる魔族が見つかるかもしれない――」


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