表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三度目勇者の異世界紀行  作者: 陽山純樹
第二話

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

141/143

魔族の領域

 そして――俺は仲間と共にロードガーデンを離れることとなった。天王と顔を合わせ新たな目標ができたわけだが……これまでと同様に魔物や魔族を見つけたら討伐を行う。そして天王達と協力して情報を集める……ここがこれまでと大きな違いだ。


 問題は、どこを目指して旅をするかということなのだが……ロードガーデンを出発する前に、俺達は話し合った。その結果、ひとまず魔族がいる領域へ近づくことにした。


「魔王の城に行くためには海を越えないといけないんだけど」


 歩きながら俺はそう呟く……今はロードガーデンを離れ、隣国へ足を踏み入れた形。ロードガーデンは多数の国と国境を接しており、天王の国以外にも直接繋がっている。


 フリューレ王国では騒動があったけれど、他の国はエルフや竜族に神族……なので、さすがに問題ないだろうと判断。よって、人間が統治する国へ足を踏み入れた。


「当然ながら国交があるわけじゃないから、船だってどこからか調達するか、乗せてもらう船を探すしかない」

「二十年前の時はどうしたの?」


 尋ねたのはヘレナ。俺は彼女を見返し、


「天王達の支援を受けた。それで魔族がいる大陸へ渡り、魔王の城へ踏み込んだ」


 俺の説明を受けヘレナは「なるほど」と答える。と、ここでメルが、


「魔族の領域に関する情報はありますか?」

「うーん……そう言われると、ちょっと曖昧なところがあるかも」

「なら、説明しましょうか?」


 ヘレナは頷いた。俺もなんとなくメルの言葉に耳を傾けることにする……二十年前の話なので、ちょっと曖昧な部分もあるためだ。


「魔族の領域は海を隔てており、湾岸に存在する諸国は常日頃警戒を続けています。魔王復活を察知したのもそうした監視によるものであり、現在も諸国の海軍が魔族の動向を監視しているはずです」

「当たり前だけど、行き来している船はないんだよね?」

「はい……元々、魔族は破壊と荒廃を司る存在。多少の人数なら問題はありませんが、国ができるほど結集した場合、周囲に影響を及ぼしてしまいます。だからこそ多種族から敬遠されてきた経緯があり、だからこそ海を隔てた場所に魔族の領域が存在している」


 そう述べると、メルは一度フィリスを見つつ、話を続ける。


「魔族の領域である場所は、島と呼ぶには大きいですが、大陸と呼ぶには小さいといった規模の土地です。ただ、魔王の居城である城とその周辺には村や町がありますが、それ以外の場所は開拓されていないような未開の地であるようです」


 そう告げた後、メルはフィリスへ問う。


「現在もそういう状況で良いですか?」

「うん、合ってるよ」

「わかりました……歴史的な背景を考えると、魔族は半ば大陸を追い出され、そちらに移った……魔族側としては追い出された恨みがあるわけですが、かといって一切国交がなかったわけではありません。勇者が魔族を討伐するなど、勇者トキヤが来る前でも、交易なども多少ですが行っていました」

「でも魔王が滅んで国交は断絶した……ってこと?」

「はい、そういった見解で間違いないかと……トキヤが乗った船は軍船でしたが、それは魔族側もトキヤのことを警戒した結果、単に上陸するだけなら、交易船などを用いれば以前なら可能でした」


 ……ならば今はどうか、というのは愚問であった。


「そして十年前の戦争……結果として魔族と大陸の種族達は完全に断絶しました。それこそ、二十年前のように交易するまでになるのは、相当な時間が必要となるでしょう」

「……魔族達は現在も攻撃を仕掛けてきているけど」


 ふいにヘレナが声を発する。


「それは十年前の戦争の続きをやるため、ってことでいいの?」

「魔王が復活したことの審議を含め、現時点では不明です。フリューレ王国への攻撃が誰の仕業なのかを含め、現時点ではわからないことが多すぎますね」

「……もし、魔王以外の何者かが動いているとしたら」


 俺が口を開くと、仲間達はこちらを注目した。


「そこに魔王の意思が存在していないとなったら、たぶんこれは魔王の大いなる意思だ、という風に説明して押し通しているんだろうな」

「もしそうであれば、その事実を暴けば……」

「少なくとも、現在攻撃を仕掛けている勢力は潰えるだろうな……ただ」


 と、俺は肩をすくめる。


「それを知るには結局、魔王の城へ踏み込まなければならない……やっぱり何か事情を知る魔族を探した方が、良いかもしれない」

「話が最初に戻りましたね」


 メルが言うと俺は首肯……さて、ならばどうするべきなのか。


「当面は天王側からの情報待ちではあるが、一応動き方については考えがある」

「ロードガーデンからこちらに進んだのには理由が?」

「ああ」


 返事と共に、俺は仲間達へ説明を始めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ