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三度目勇者の異世界紀行  作者: 陽山純樹
第二話

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異変の終結

 俺達が接近することで魔物は迎え撃つ構えを見せた。同時、魔物の爪が俺達へ向けられ、さらに威圧的な魔力をこちらへ向けてきた。

 相対することで感じられる力はかなりの圧がある。騎士達がこれを真正面から受けて対峙していたのだとしたら、相当なプレッシャーだったろうと思った。


 なおかつ、戦えただけで目前の魔物を倒すことはできていない……俺達は山にいた魔物を倒せたが、むしろこれだけの力を持っていることの方が例外、ということなのかもしれない。

 つまり、それだけの力を有している魔物を生み出した魔族……それがロードガーデン近くにいたということ。この事実は非常に重いような気がする――


 考えながら俺は最前線で魔物へ踏み込んだ。既にヘレナは横手に回り、メルとフィリスは後方で魔法を撃つ準備を整える。

 次の瞬間、魔物の爪が俺へ差し向けられた。周囲の騎士達が反応できないであろう速度の攻撃――だが俺は、その軌道を読み切った。


 剣で爪を防ぎ、弾く。その間に魔物は吠えさらなる追撃を放とうとしたが、それより先に横手に回ったヘレナの剣が、魔物へ突き刺さった。

 苦悶の声を上げる魔物。そこへ追い打ちとしてフィリスの魔法が突き刺さる。頭部に直撃すると魔物は怯み、動きを止めた。


 最大の好機――俺は即座に剣を一閃し、魔物の首を斬った。確かな手応えと共に魔物の頭部が胴体から離れ――魔物は崩れ落ち、塵へと変わり始めた。

 ――周囲の騎士から完成が上がる。騎士達に犠牲者を出すことなく、魔物を倒すことに成功した。






 魔物討伐後、俺はリーダーと会話をしていた魔法使いと話をする。目的は情報交換だ。ちなみにリーダーの騎士は周辺を警戒するよう騎士に指示し、他に魔物がいないか確認作業を行っている。


「そうですか、同様の力を持った魔物が山にも……」

「仕事の障害だったから倒したけど」


 俺はそう述べると、魔法使いは一度頷く。


「山中まではまだ調査できていなかったので、場合によってはまずいことになっていたかもしれませんね」

「人間の魔力に反応して動いていたみたいだからな……仲間が確認した感じ、周囲に同様の魔物はいないし、魔族の気配もないそうだ」

「ひとまず危機は脱したかもしれないと……わかりました、今後どうするかは改めて騎士団の方で検討します」


 そう述べると魔法使いは俺へ頭を下げた。


「ご協力頂きありがとうございました」

「気にするな、これが勇者の役目だからな」


 そう言いつつ、俺は一つ確認を行った。


「あなたはロードガーデン周囲の状況に詳しいみたいだから尋ねるが、魔物の出現以外で町の周囲に異変などはあるか?」

「調査した限りはありません。これほどの魔物がいた以上は魔族がどこかにいたという可能性が高いとは思いますが……」


 魔法使いはそう言うと、懸念を示した。


「町中に魔族がいる可能性……それを完全に払拭できたわけではないことが、問題でしょうか。それに加え、天王会議ということから人がさらに多くなる……」

「今後は町中の警備について最大限の対応をするしかないな」


 俺の言葉に魔法使いは頷く。そうした反応に俺は、


「何かあれば手を貸すと騎士団の長には伝えておいてくれ」

「ありがとうございます……あなたの力を借りるような事態にならないよう、尽力します」


 というわけで会話は終了。俺はメルと顔を合わせて帰ろうということに。


「後は仕事が完了したと報告をして終わりかな」

「はい、少なくともロードガーデン周辺にいる魔物で天王会議を邪魔立てするような存在はいなくなったと考えていいでしょう。もちろん、町中に魔族がいる可能性はゼロではありませんが、天王会議前の時点で各国の騎士団も入り込みます。厳戒態勢であるため、悪さをすることは難しいと思います」


 メルの言葉に俺は頷き、


「よし、それじゃあ後は滞在期間中、いくらか仕事をしつつ天王会議を待つことにしよう――」






 その後、俺はラザロを下を訪れ事の一切を報告。


「ありがとう、これで天王会議まで憂いはなくなったか……」

「騎士団に所属する魔法使いは町中に魔族がいるかも、と懸念していたけど」

「そこは人が集まる以上、警戒する」

「何かあれば手を貸すよ」

「すまない……今後は周辺の警戒も厚くしよう。会議が無事に終了するまで、全力を尽くす」


 その言葉にはラザロの覚悟が含まれていた。この様子ならおそらく大丈夫だろう――そう考えつつ、


「俺は引き続き仲間と共に周辺の警戒はする。ただし、あくまで個人的に、だ。何かあれば報告させてもらう」

「ああ、すまない」

「……そうした中で一つ、訊いてもいいか?」

「何だ?」

「例えばロードガーデンの政治などを行う人間の中に、魔族と手を組むような人間がいる可能性は?」


 問い掛けにラザロは目を細め、


「そちらの懸念はもっともだ……様々な可能性を含め、対応させてもらう」


 彼の言葉を聞き、俺は宿へと戻ったのだった。


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