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いつまでも可愛くしてると思うなよ!  作者: みまり
〇〇なんて今さらオレが言えるかよ!
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プロローグ

……今まで誰にも負けたことがなかった。


 悔しさを(にじ)ませながら相手を睨みつけると、申し訳なさそうに彼女は言った。


(われ)に負けたからとて、恥じる必要はないぞ」


 怒りと情けなさで頬が熱くなるのが自分でもわかった。

 けれど、彼女に決して勝てないことは身をもって知ったばかりだ。


「いや、言い方が適切ではなかったかの……お主が弱かったのではないのだ。我は少々、この世界の(ことわり)に反する身の上であっての」


 風が金色の髪をそよがせると、ほつれた髪を煩げに押さえ、彼女は続けた。


「どうだ、もう悪さをせぬと誓ってくれれば、これ以上どうこうするつもりはないのだ……」


「わかった。あんたの(しもべ)となり、そのめいに従おう……」


 その言葉に彼女は明らかに狼狽する。


「な……そんなつもりはないぞ。いや、それは困る」


「もう決めた」


 彼女は一瞬、途方にくれた顔をしたが、小首をかしげて少し思案すると明るい口調で言った。


「そうか……それではお主を僕としよう。ただし、お主には今までどおりの生活を続けてもらう」


「それでは僕とは言えないのじゃないか?」


「まぁ、聞け。その代わり、毎年この日にここで会い、一年悪さをしなかったという報告をすることを命じよう。どうだ、できるか?」


「たやすいことだ」


「よし、決まりだ」


 そう言って、子どものように笑った彼女に…………一瞬、見惚れた。


第二部開始しました。

頑張りますので、よろしくお願いします。


舞台となっているアネストリア大陸の地図を友人のKnIghtさんに作ってもらったので掲載します。KnIghtさんありがとね。


挿絵(By みてみん)



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