表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつまでも可愛くしてると思うなよ!  作者: みまり
いつまでも可愛くしてると思うなよ!
71/655

エピローグ

「あのさ……聞きにくいんだけど、みんな、オレのこと変に思わないの?」


 後方にルマが見えなくなった頃、オレはふと疑問に思って聞いてみた。


「どういう意味ですか?」


 オレの隣を並んで走るヒューが小首を傾げる。


「いや、だから。男なのに女みたいな振る舞いをしてさ」

「でも、今は女性だから当たり前じゃないですか?」

「それはそうだけど、中身が男とわかって気持ち悪くない?」

「……だって、リデルはリデルでしょう。違いはありませんよ」


 意外そうにヒューが言う。


「私もそう思います。でも、女らしい振る舞いをしているとは、到底思えませんが……」


 馬車から顔を出してソフィアが同意する。


 そ、そうなの……。


「何を悩んでるんだ。この俺がお前を変に思う奴を近づけさせるわけないじゃないか」


 クレイが御者台から苦笑しながら言う。


惚気(のろけ)ですか? そういう発言をするから誤解を招くんですよ」


 くすくすとヒューが笑う。

 ヒューの言葉を無視して、クレイがオレに尋ねる。


「それとも、リデル。お前自身、女になって中身が変わったのか?」


 オレ自身……。

 どうなんだろう、正直よくわからない。


 確かにクレイの見方が少し変わったことは認める。

 それが一時的なものなのか、ずっと続くものなのか……本当のところわからない。

 不安を感じないと言ったら嘘になる。


 でも、くよくよ考えても仕方ない。

 オレはオレなんだし、思ったとおり生きていくしかないじゃないか。


 そう思うことにした。




「いくら考えても、オレはオレだし…………それより、クレイ。オレ、ちょっと走ってくるから、後は頼む。行くよ、リーリム!」


 オレは勢いよく馬を走らせる。


「おい、長旅なんだから、ほどほどにしとけよ――――」


 クレイの忠告があっという間に後方に聞き流される。


 オレは手綱をしっかり握ると、ひたすら前方を見つめ、リーリムを走らせた。


 心の奥底の迷う心を吹き飛ばすように、心地よい風を身体いっぱいに受けながら……。


第一部 完


第一部完結です。

これほど長い作品を書いたのは初めてなので、行き届かない部分も多々あったと思います。

それでも最後まで読んで下さった貴方に心より感謝いたします。

本当にありがとうございました。           

                        みまり


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=687025585&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ