おまけのお話
みまりです。ご無沙汰しております。完結してから丸々一年が過ぎました。連載時はお読みいただき本当にありがとうございました。
さて、最近某覇権アニメの登場人物の名前の由来でネットが盛り上がっているのを見ました。やはり、作者としてはいろんな想いを込めて名付けているんだなと共感した次第です。
という訳で、今明かされる『いつ可』のキャラの名前の由来。作者、自らが暴露していく体裁となっておりますw
まず主人公の『リデル』ですが、ずばり『不思議の国のアリス』のモデルとなった『アリス・リデル』だったりします。リデルの本当の名前である『アリシア』は『アリス』をもじったもので、つまり『アリシア=リデル』という盛大なネタバレをかましている訳ですね。バレるかなぁと思ってましたが、最後まで指摘されることはありませんでした。いや、優しい読者の皆さまは、わかっていてスルーしてくださったのかも……。
ちなみに最初の案では『リデル・ハート』でした。ところがイギリスの軍事評論家に同姓同名の方がいたので、『リデル・フォルテ』に変更となった経緯があります。
次に相方の『クレイ・ハーグリーブス』ですが、アリス・リデルの旦那さんが『レジナルド・ハーグリーヴズ』だったので、そこからちなんで付けました。『クレイ』は別の作品の主人公用に考えていたものを採用しました。今、これを書いていて気付きましたが、『ス』じゃなくて『ズ』だったんだ、勘違いしてた。
『ヒュー・ルーウイック』は由来の無いオリジナルです。というのも彼にはモデルとなった人物(作品でも『キース・ディアル』という名前で登場)がいたため、オリジナルの名前となりました。彼は私の執筆の相談役のような存在でしたが、若くして亡くなり本作の結末を見ていません。それだけが心残りです。ちなみに先に上げた『リデル・ハート』の件も彼の指摘でした。理系でSFにも造詣が深く、次回作の予定だったSF作品『広報艦へようこそ』が頓挫したのも彼の急逝が要因となっています。故人のご冥福をお祈り申し上げます。
カイロニアの変態公子『レオン・アルベルト』の由来はイギリスのヴィクトリア女王の第4王子『レオポルド・ジョージ・アルバート』が元ネタです。彼は学生時代アリスリデルと恋仲だったと噂されている人物です。大変聡明で学者顔負けだったそうなのでレオンとは正反対ですが……。
ライノニアの俺様公子『アルフレート・エドワース』はレオポルドのお兄さんで後にエドワード7世になる『アルバート・エドワード』が元ネタ。
次に大魔法使いトルペン先生こと『カール・トルペン』の由来は、不思議の国のアリスの作者『ルイス・キャロル』です。彼の本名は『チャールズ・ドジソン』と言い、そこから英名のチャールズをドイツ名のカールに、日本語のドジ(ドジっ子のドジですね)からスペイン語の『トルぺ』をもじって『トルペン』と付けました。
後は簡単に書きますね。
リデルの母親『ロニーナ』はアリスの母親『ロリーナ』から。さすがに『ロリ』は(別の意味で)不味いだろうと『ロニーナ』に変更。
敵対キャラの『皇帝イーディス』はアリスの妹『イーディス』から。ちなみにアリスの姉は母と同じ『ロリーナ』です。
イクスの妹『エクシィ(アレクサンドラ)』はルイスキャロルのお気に入りの被写体だった『クシー』こと『アレクサンドラ・キッチン』から。ルイスは彼女がお気に入りで「良い写真を撮りたければ、クシーをカメラの前に置きさえすればいい」と言っていたほどだそうです。
皇女候補生の先生だった『プリケット先生』はアリス家の家庭教師から。一説ではアリス家とルイスキャロルが不仲になった原因が、ルイスが子どもたちを餌に彼女に言い寄ったという根も葉もない噂があったからというものがあるそうです。本作でトルペン先生が講義に参加していたのは、そういう背景を参考にしています。
とまあ、いろいろ書きましたがネーミングというものに作者がいかにこだわっているかの一端がわかっていただけたかと思います。
時には変な名前と思うかもしれませんが、そこに作者の強い思い入れがあるかもしれませんので、大目に見てあげてくださいw
そして、最後に宣伝になってしまい申し訳ありませんが、新作『迷宮はミラクル! ~朝起きたら地味キャラのボクが魔王にTSしてたので幼馴染とS級迷宮を攻略します~』を公開中です。もし、よろしければ読んでいただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。
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