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いつまでも可愛くしてると思うなよ!  作者: みまり
いいかげんにしないと怒るからね!
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独りになって……⑦

 オレは切りかかってくる男の剣を軽々とかわし、神速の速さで走り抜ける。

 思ったとおり、襲撃者の剣捌きは正規に剣を習った者のそれであり、正確かつ綺麗なものだった。とうてい、街のごろつきや傭兵くずれとは思えない鋭さだ。

 けど、それだから、かえって剣筋がわかりやすい。オレの反応速度なら、かわすのは造作も無いことだった。


 切りかかってきた男の仮面から見える目が驚きで見開いている。

 まあ、それはそうだろう。


 通りすがりの不幸なやせっぽちの少年を血祭りに上げようとしたら、目にも留まらぬ速さで避けられたのだから面食らうのも当然だ。

 他の男達も襲撃の手を止めるほど、驚いている。


 チャンス到来。


 この機会を生かさない手はない。

 とにかく、まずは襲われている男の安全確保が第一優先だ。


 オレは一気に加速すると、囲んでいる男達の手前で跳躍する。なにしろ、今は男の格好だから下着が見える心配もないから、思う存分に動けるのだ。


 オレは襲撃者の手前まで走り込むと、そこで人間離れした跳躍を見せ、彼らの頭上で一回転すると、襲われていた男の前に降り立った。


「おっさんはマニトルさん? 助けは必要かな?」


 襲われていた男は突然ことに目を白黒させていたけど、オレの問いかけにぶんぶんと首を縦に振る。


「んじゃ、助けるけど、後でいろいろ教えてもらうよ」


 再び、凄い勢いで頷く。


「交渉成立だね」


 オレが、ほくそ笑みながら、すらりとテリオネシスの剣を引き抜くと、驚きから立ち直った襲撃者は、互いに目配せすると抜かりなくオレ達を取り囲んだ。

 さりげなく囲みの配置を考え、今度はオレに飛び越えられないように配慮しているようだ。


 いやいや、さすがのオレも、後ろのお荷物を背負って、この囲みを飛び越えるのは不可能だから。


 じゃ、どうするつもりだって?

 え?物理的に排除するだけですけど……。


 戦法はいたって簡単シンプルだ。

 オレは近づいてきた襲撃者に一瞬で間合いを詰め、剣の平でぶん殴る。そして、一瞬の間で元の位置、すなわちマニトルさんの防御に戻る。

 その繰り返しだ。


 連携してきても同じ。連携してきた二人ともぶん殴るだけ。


 え? 身も蓋もない雑な攻撃方法だって?

 いいじゃん、有効なら。敵をを倒しても、護る相手が殺されちゃ意味ないから、これが正解さ。


 そうこうしている内に、いつの間にかオレの単純なぐるだけ戦法のせいで襲撃者の大半は地に臥せっていた。ちゃんと手加減したから、死人は出てないはずだ。


 と、不意に後ろで指揮していたリーダー格の襲撃者が指笛を鳴らす。

 すると、彼らは一斉に後ずさり始める。

 どうやら、自分達に勝機がないと判断して撤退する気のようだ。


 おっと、逃がさないよ。

 一番近くで倒れている男の背中をどかりと踏んづける。


「ぐえっ」と情けない声を上げる暴漢の腕をねじ上げようと手を伸ばした刹那、きらりと光るものが目に入る。


 すっと後方に下がり、剣で叩き落すと、飛んできたのは短剣だった。顔を上げると投げつけたのは、さきほど指示を出したリーダーのようだ。

 と、その隙を突いて、足元にいた男が不恰好の態勢のまま、走って逃げ出す。


「あ、待て。こら」


 一瞬、追いかけようとしたけど、思い直して足を止める。


 後ろで尻餅をついて、あわあわしているマニトルさんを残して、この場を離れるわけにはいかなかった。撤退がマニトルさんからオレを遠ざける偽装かもしれないからだ。

 理由はわからないが、現に襲われているの訳なのだから、その身の安全を図ることが襲撃者を捕まえることより優先度は高い。


 ちらりと逃げた方向を見ると、すでに襲撃者の姿は跡形も無かった。

 手際といい、引き際といい、とても街のチンピラとは思えない良く訓練された集団だ。


 どこの連中だろう?

 オレは襲撃者の正体に頭を悩ませるのを止め、周囲の様子を警戒をしながら、マニトルさんに向き直る。


「大丈夫? 怪我してない?」


「あ……ああ、大丈夫だ。どこも怪我はしてない」


 マニトルさんはオレの問いにぼんやりと鸚鵡返しで答えた後、はっと気づいたように慌てて言った。


「た、助けてくれて、ありがとう。君は命の恩人だ!」


「どういたしまして。オレとしても、あんたに死なれちゃ困るんでね」


「……? それは、どういう意味だね。それよりも、あんたはどこの誰なんだ?」


 マニトルさんが怪訝そうな顔をしたので、


「オレはリデル……傭兵みたいなもんだ。あんたに聞きたいことがあって、ソルベさんの紹介で会いに来たんだ」


 今のオレの肩書きって何だろう。


 元皇女……いや偽皇女か。 


 そんなこと言えるはずもなく、無難に傭兵と言っておく。

 元傭兵だから、あながち間違いじゃないし。


「さっきもそんなこと言ってたな。ん? あんたが傭兵?」


 マニトルさんはオレのなりをじろじろと見つめる。


 まあ、ぱっと見ると、とても傭兵には見えないだろうからね。

 けど、先ほどの襲撃者とのやり取りのおかげで、一応は納得してくれたようだ。


「ソルベさんの紹介か……で、その傭兵さんが私に何を聞きたいんだね」


「いろいろ聞きたいことはあるんだけど、まずあんたを襲った連中は何者なんだい」


 当初の目的であるアルセム王国のことも勿論、聞きたかったけど、その前に何で襲われていたのか聞きたいのは当然だろう。

暑くなっらり寒くなったり、忙しい今日この頃です。

皆様も体調にはお気をつけください。


結局、夏の間にキャラ絵を描くという野望は達成されませんでした。

勢いで液タブ買うところでしたが、思いとどまって良かったかも(>_<)

いずれはリベンジしたいです!

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