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いつまでも可愛くしてると思うなよ!  作者: みまり
いいかげんにしないと怒るからね!
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独りになって……④

 隣の建物との隙間を抜けて進むと、オーデイルさんの言葉通り、奥には庭のある離れがあった。中庭なので、そう広くはないが色とりどりの草花が所狭しに咲いており、隅には小さな家庭菜園も見えた。

 ふと目を離れの方に向ければ、椅子に腰掛けた老人が庭の花をぼんやりと眺めている姿が目に入る。


「あの、すみません……」


 驚かせないようにゆっくり近づき、慎重に声をかけると老人はオレを見て、目を見開いた。


「こりゃ、たまげた。女神様がおる……とうとう、わしにもお迎えが来ちまったようじゃな」


 そう言ってオレに対して祈りを捧げようとしたので、慌てて止めに入る。


「ちょ、ちょっと待ってくれ。オレは普通の人間だ。女神様なんかじゃない」


「……お迎えじゃないのか?」


「ああ、そうだよ。お爺さんに聞きたいことがあって、ここに来たんだ」


 まだ、半信半疑みたいだけど、お迎えじゃないことだけは、わかってくれたようだ。


「オレの名前はリデル・フォルテ。お爺さんが知ってるデイル・フォルテの娘なんだ。お爺さんがソルベさんで間違いない?」


「おお、そうじゃ。わしがソルベだが、あんた……デイル・フォルテの、あの小さかったデイルの娘さんなのか?」


「うん、そうだよ。だから、親父の……デイルの小さい頃の話が聞きたくて、あんたに会いに来たんだ」


「ほう、そいつは、わざわざ大変じゃったの。それで、デイルは息災かの?」


 ようやくオレの言葉に納得したようで、ソルベ爺さんは警戒心を解いてくれる。


「あいにく、内戦で亡くなったんだ。なので、オレの知らない親父のことやオレの祖父のアデルについて知りたくてね。もし、知ってることがあったら教えて欲しいんだ」


「……まったく、おぬしは、顔は女神様のように綺麗なのに、口はたちの悪い傭兵のようじゃの。もう少し、上品に話せたら嫁の口が引く手あまたじゃったろうに……」


「言葉が汚くて悪かったね。育ちが悪かったせいだから、気にしないでくれ。それに、しばらくは嫁に行こうと思ってないから、余計なお世話だぞ。そんなことよりソルベ爺さん、オレの聞きたいことには答えてくれるのか?」


「デイルやアデルについてかの?」


「うん、些細なことでも何でもいいんだ」


 そうさのぉ、と呟きながらソルベ爺さんはオレの真剣な眼差しを受け、昔話をいろいろ話してくれた。




「――と、デイルについては、それくらいかの。わしに聞くよりもオーデイルに聞いた方がええじゃろ。幼馴染で小さい頃は一緒におったからのぉ。……ただ、そうじゃの。デイルは死んだ婆さんも含めて、当時のこの界隈の奥様連中には大人気だったのを覚えておるぞ」


 親父の奴、小さい頃から女にモテてたんだ。


 傭兵団にいた時も、妙齢のおば様から、それこそオレと同年代の女子からも密かに人気があったからな。

 あんなのがどうしてと、ずっと不思議に思っていたけど、子供の頃から女たらしだったんだ。

 もっとも、その裏人気もクレイが入団して根こそぎ奪われることになるのだけど。


「親父のことは、よくわかった。じゃあ、アデル……オレのお爺さんはどんな人だったんだ?」


 とにかく、デイルに関しては今まで以上の情報は得られそうになかったので、肝心のアデルのことを尋ねる。


「アデルか……あいつは一言で言えば只者ではなかったな。おそらく、元々は上位クラスの正規兵、もしかすると騎士であったかもしれん」 


「騎士……どうして、そう思ったんだ? 何か思い当たることでも?」


「そうさの、アデルは地方領主の傭兵をしていたなんてうそぶいていたが、とても信じられる話じゃあなかったの。あいつときたら、隠しきれない教養と品性があってな。とても下流階級の人間には見えんかった。それに奥さんのメグさんも清楚で上品で、うちの婆さんと比べたら雲泥の差じゃったの」


 爺さん、亡くなった奥さんが聞いたら気を悪くするぞ。


「ほんと、気立ての良い綺麗な人での。たぶん、元々は貴族の侍女か神殿に勤めていたんではないかと憶測してたものじゃ……ただ」


「ただ?」


「ここらの人間ではないようじゃったの」


「え? 何で、そう思ったんだ。根拠でもあるのか?」


「隠し通せると思っていたようじゃが、わしは二人がアルセム王国の出身じゃと確信しておった。なぜなら、二人とも、はっきりとアルセム訛りがあったからの」


 アルセム王国……ライノニアの南方に位置する大陸最古の王国だ。イオステリア帝国初代皇帝はアルセム王国出身だったらしく、歴代皇帝の皇妃がアルセム王国から嫁ぐことも多い。


「それにな、たいした仕事もせず息子に剣の稽古ばかり付けていた割りに、裕福な生活をしておったからの。よほどの蓄えがあったか、なにか秘密の資金源があったのだと、わしは睨んでおる」


 うちの親父も謎な人だけど、爺ちゃんは更に謎な人物のようだ。


「だが、それもデイルが5歳の頃に唐突に終わりを告げてのぉ。メグさんが病気で亡くなってしもうて……なんであんなに美しい女性が早死にせにゃならんのだ。うちの婆様なんぞ、つい最近まで元気にしておったと言うのに……」


 ……ソルベ爺さん、あんた死んだら、絶対亡くなった奥さんにしばかれると思うぞ。


お盆休みは満喫しましたが、ハードなスケジュールでへとへとに疲れました。

やはり、もう無理はできないと痛感してしまいました(>_<)

今後は安全マージンを高く設定しようと思いますw

無理せず、頑張ります!

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