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いつまでも可愛くしてると思うなよ!  作者: みまり
いいかげんにしないと怒るからね!
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思わぬ再会……⑤

「何とそれでは、ちまたで話題になっている皇女様とはリデル殿のことだったのですね。いやはや、それは驚きです」


「まあ、いろいろと成り行きでね。ただ、それもちょっと怪しくなってきたんだけど……」


 オレがルマを出てから、帝都で皇女になるまでの経緯を、かいつまんで話すと、ラドベルクは頷きながら真剣に聞いてくれた。


「やはり、あの時、貴女は人とは違う運命さだめを持った御方だと感じたのは間違いではなかったようですね。私の戦士の勘は正しかったというわけです」


 そう言えば、ラドベルクはルマで別れる時にも、オレに高貴さや尊い気を感じるとか、訳のわからない事を言って、無理やりオレに騎士の叙勲をさせたんだっけ。

 偶然だろうけど、結果的にラドベルクの読みどおりになってしまったので、この思い込みを覆すのは困難に違いない。


「ねえ、パパ。私、どうしよう……」


「ん、どうした。イエナ?」


 急に動揺し始めたイエナにラドベルクが心配げに声をかける。


「私、処罰されちゃうのかな。それとも牢屋に入れられちゃう?」


「どうして、そう思うんだね?」


 包み込むような優しさでラドベルクが尋ねる。


「だって私、皇女様に抱きついちゃったんだよ。ただで済むわけないよ」


 まあ、一般人なら普通そう思うよね。仮にも皇女の身体に許可無く触れたのだから。

 けど、ラドベルクは目を細めると笑顔で言った。


「大丈夫だ、イエナ。私たちの良く知るリデル殿なら、イエナにそんな酷いことをしたりしないさ」

 

 そうでしょう? という目をオレに向ける。


「イエナ、お父さんの言うとおりだよ。今のオレは公人ではなく私人だから大丈夫さ。つまり今のイエナはオレの可愛い妹分って訳で、手を繋いだり抱きついたりしたって、全然問題にならないから」


 オレがイエナを安心させるように言ってやると、ようやく安堵の表情を見せる。


「そっか……良かったぁ。ありがとう、リデルお姉さん。あ、皇女様って呼ばなきゃいけなかった?」


「いや、今までどおり、リデルって呼んでくれて構わないよ。ただ、公人のときは周りがうるさいから、気をつけてね」


「うん、わかった」


 元気を取り戻したイエナを優しげに見つめたラドベルクは、視線の色を改めるとオレの方へ向ける。


「して、リデル殿。帝都は今、どのような状況にあるのですかな?」


「あ、やっぱり、そう思うよね」


「ええ、私がいくら世情に疎いとはいえ、さすがにわかります。何より、皇宮にいるべき貴女が隠れるように私と会っている状況に疑問を抱かない方が無理と言うものでしょう」


 まったくの話だ。

 ラドベルクは卑下するが、正式に学問を学んでいないだけで、彼は決して無学な訳ではない。むしろ、成人してから独学で勉強した分、一般人より教養が高いと言えた。

 伊達に『武闘王』と尊敬されている人物ではない。


「巻き込みたくないから聞かないでくれ……って言い訳は通用しないよね」


 ラドベルクの真剣な眼差しにオレは降参する。


「まず、簡単に現在の帝都とオレの状況を説明するよ。質問や意見は、その後に聞くから」


 オレはアルスリーゼ行きの話と帝都で起こった政変についてラドベルクに、ありのままを語った。



「なるほど、状況はよくわかりました。けれど、私の取り得る選択肢には些かの変更もありません。何故なら、私が仕える人物はリデル殿であってアリシア皇女ではないからです」


 話を聞き終えたラドベルクは静かにそう宣言する。

 後ろでヒューが大きく頷いてるの見えたが、いったいどういうつもりだ?


「ちょ、ちょっと待ってくれ。気持ちは嬉しいけど、状況は予断を許さないんだ。ましてや、貴方にはイエナもいる。安易な決断はするな」


 オレが慌ててラドベルクを説得にかかるが、応じる気配はない。


「もちろん、イエナのためにギリギリのところまで命を捨てない努力はいたします。しかし、貴女への助力も私にとって崇高な使命なのです。このような状況だからこそ、私は貴女の役に立ちたいと思っているのです」


 正直、ラドベルクの参戦はむちゃくちゃ嬉しいし、戦力の大幅アップになるだろう。けど、それ故に危険が伴うし、その好意に甘えていいのかという屈託もある。


「リデル、横からすみません。一言いいですか?」


 思い悩むオレにヒューが横合いから優しい声で口を挟む。


「リデルは気に病む必要はないのです」


 ヒューの言葉にオレは怪訝そうな顔になる。


「私もそうなのですが、自らの意思でリデルを助けようとしているだけで……言わば私たちの一方的な我がままを押し通しているのも同然なのです。ですから。リデルが気にすることはないのです」


 そうは言っても、人間一人の人生だ。簡単に納得するわけには……ちょっとラドベルクさん、ヒューの発言に我が意を得たりなんて顔しないでよ。


 って言うか、この二人って見た目は真逆だけど、根本的には同じ発想の持ち主かもしれない。



短めでごめんなさい。

何とか週ニ更新を確保できました(>_<)

今、ちょっとした空いた時間があると、最初から読み直しています。

誤字報告機能は作者も使えるので、とっても便利です。

ちょこちょこと修正しています。


あと、感想・レビューは書き続ける励みになるので、いただけたらなぁと切に願います。

(書いていて不安になるので……)

それでは、また週末更新でお会いしましょうw

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