表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつまでも可愛くしてると思うなよ!  作者: みまり
いいかげんにしないと怒るからね!
431/655

思わぬ再会……④

◇◆◇◆


 人目につかないように裏道を進みヒューに案内されたのは、またしてもクレイ絡みのゴルドー商会の倉庫だった。辺りに注意を払い、中に入ると倉庫の奥には、告げられたとおり懐かしい人物の顔が見える。

 どうやら、座っても壊れない椅子が見当たらなかったらしく、直接床に腰を下ろしているようだ。


 オレが声をかけるより早く、隣に立っていた人影が矢のように飛んできてオレに抱きついた。


「リデルお姉さん、会いたかった!」


 オレは面食らいながらも、その頭を優しく撫でる。


「イエナ、元気そうだね。オレも会えて嬉しいよ」


 そして、その肩越しに見える、のそりと立ち上がった大きな男にも声をかける。


「ラドベルク、久しぶり。ルマ以来だね」


 それは、ルマの武闘大会無差別級優勝者で、武闘王の二つ名を持つラドベルク・ウォルハンその人であった。そして、オレに抱きついているのは、もちろん彼の養女のイエナだ。


「ご無沙汰しております、リデル殿。息災のようで何よりです」


「うん、いろいろとあったけど、何とかね。でも、それより何で帝都に? 武闘大会を引退して田舎でイエナと一緒にのんびり暮らすんじゃなかったのか」


 帝都で再会できたのは嬉しかったけど、合点がいかなくて思わず聞き返してしまう。


「リデル殿、よもやお忘れではあるまいか? この命はイエナのもので渡せませんが、貴女にいただいた多大なるご恩に報いるために貴女の剣になろうと誓ったではありませんか」


 そ、そんな話もあったね、確かに。


 でも、あの時はそうしないと場の空気が治まらない雰囲気だったし、本気で主従の誓いを結んだわけじゃないから。

 そもそも、その時のオレは皇女なんかではなく一介の傭兵に過ぎなかったわけで、形だけ整えばラドベルクも諦めるだろうというクレイの意見を入れたに過ぎない。

 って言うか、まさかラドベルクの奴、オレが皇女になったのを知って、約束を果たすためにやって来たわけじゃ……。


「ルマの例の件が落ち着いたあと、すぐにでも貴女の元に、はせ参じようとしたのですが、行方が全くわからず、ずっと消息を探していたところ、アーキス将軍から文をいただいたのです」


 そうか、アーキス将軍の仕業か!


「それによると、リデル殿が帝都に居を構えているとの話。さらに会いたければ皇宮に行けばよいとだけ助言され、意味がわからぬまま、帝都にやって来た次第で……」


 良かった。さすがに、アーキス将軍もオレが皇女だとは告げなかったようだ。


「ところが実際に皇宮でリデルの名を出しても門前払いになってしまい、肝心のアーキス将軍に会おうにも緊急な要件があるとかで取り次いでもらえず……ほとほと困り果ててしまったのです」


 まったく間が悪いと言う他ない。

 政変の前にはデイブレイクの部下でオレとも気心の知れた門兵がいて、リデルの名を告げる者が来るとそれとなくオレやシンシアに知らせてくれたのだけど、あの一件でガートルードの息のかかった者と配置換えになっていたので、アーキスのおっさんの思惑は外れてしまったわけだ。

 たぶん、アーキス将軍自身も政変の対応に追われ、ラドベルクどころでは無くなったのだろう。


 前から思っていたけど、ラドベルクってめちゃくちゃ運が悪いんじゃなかろうか。ルマの一件のように最終的には何とか丸く収まるようなので、全くの不幸体質ではないと思うが、紆余曲折が多すぎる気がする。


「で、帝都の中央街で途方に暮れているのを、偶然通りかかった私が見つけたのです。何しろ、この体格です。目立つなと言う方が間違っています」


 ヒューがニコニコしながら、再会の経緯を説明する。

 どうやら、先ほど説明したヒューの表の仕事、貴族への御呼ばれの帰り道の出来事だったらしい。


「偶然に出会えたことは僥倖でしたが、そのあとが大変でした。ラドベルク殿と一緒に居る限り目立たないように行動するのは不可能ですから」


 そりゃそうだ。この図体じゃ下手に変装しようものなら、かえって悪目立ちしてしまうだろう。でも、ヒュー、君自身もかなり目立ってるから他人のことは言えないと思う。


「ですので、ラドベルク親子には帝都観光を装ってもらいながら、クレイの手の者の力を借りて、ようやくこの倉庫にお連れしたのです」


「その……ヒュー、苦労かけてごめん」


 ヒューの大変さが想像できてしまい、思わず頭が下がる。


「いやあ、居るだけで目立つってのも考えものだな」 


「リデル、貴女も同類です。ラドベルクも貴女にだけは言われたくないと思いますよ」


「いやいや、オレは変装すれば誤魔化せるから」


「リデルの場合は姿形ではなく行動がですね……まあ良いです」


 ヒュー、諦めるなよ。それじゃ、オレの行動に問題があるように聞こえるぞ。


「リデル、そろそろ、事情について詳しく教えてもらえまいか。私としては何が何だか、さっぱりわからないのだが」 


 話についていけないラドベルクが申し訳なさそうに聞いてくる。


「リデル、ここは……」


「わかってる。全て話すよ」


 オレは今までのことをラドベルクに話すことにした。


前回は更新をお休みして申し訳ありませんでした。

インフルではなかったのですが、風邪をひいたようで寝込んでました。


あと、いつまでたっても血統裁判にたどりつかないので、章名を変更しました。

ごめんなさい(>_<)

毎年、二月は時間的に余裕があるのですが、本年は超忙しそうで気が重いです。

また週一更新になったらすみません。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=687025585&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ