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いつまでも可愛くしてると思うなよ!  作者: みまり
いいかげんにしないと怒るからね!
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再び……④

 街道をひたすら駆け続けて、ようやくアリスリーゼ市の市門が見えてくる。

 さすがに馬並みの速度で馬車を追い抜くわけにもいかず、それなりの速さで走ってきたので、思ったより時間が掛かってしまった。

 やはり、今夜はアリスリーゼに滞在しなければならなくなりそうだ。ただ、今回のオレの行動は、いろいろな意味で秘匿しなければならないこと(神具のことやトルペンの転移魔法など)が多過ぎるので、立ち寄るのは大神殿だけだ。

 なので、レイモンド統治官やレリオネラお祖母ちゃんには内緒の訪問となる。

 別に彼らに他意があったわけではなく、関わると迅速な行動が望めなくなる上、もしかしたらガートールードの息のかかった連中にこちらの行動がバレる可能性があったからだ。

 交易都市であるアリスリーゼにバール商会の手の者がいないわけが無かった。こちらのように瞬時に移動できる手段はないにしても、手紙など人を使ってやり取りできるので、用心を重ねた方がいいに決まっている。


 それに今回の主目的は、あくまでアエルを帝都まで連れて来ることにあった。お祖母ちゃん達と再会を喜び合う時間的余裕も無かったし、情報の漏洩を防ぐためにも立ち寄り先は限定せざる得なかったのだ。

 もちろん、アエルの代わりにレリネオラ皇太后を帝都に連れ帰って助力を乞うという選択肢もないではなかった。けれど、果たしてこの状況でレリオネラ皇太后がオレの味方をしてくれるかどうか不透明であったし、あの気位の高いお祖母様をわざわざ帝都に呼び寄せて危険な目に遭わせたくないという気持ちもあった。

 何だかんだ言いながら、オレはあの感情の起伏と思い込みの激しいお祖母様がけっこう好きだったのだ。



「おや、別嬪な嬢ちゃん。今日は独りなのかい? あの目立つ連れの男達とは一緒じゃないのかい」


 市門で入市管理官と手続きをしていると近くにいた門兵のおじさんが声を掛けてくる。

 どうやら、前回の入市に立ち会った者のようだ。


 オレの容姿は例のごとくだから、初めて会った人に強烈な印象を残すようで、ほぼ必ずと言っていいほど顔を覚えられてしまう。

 通常ならフードを被って周囲の好奇の目を遮るのだけど、入市の手続き中に顔を見せないわけにはいかないので、前回の訪問の際のことを覚えられていたのだ。


「あいにく、今日は独りなんだ」


「女の一人旅とは勇ましいな。いくら腕に自信があるとはいえ、あまり感心せんな」


「ありがとう、気をつけるよ」


 余計なお世話だったけど、優しげな口調から親切心で言ってくれたのがわかったので、オレはにこやかに返答した。


 「なんだ、あんた独りなのかい? だったら、俺達のチームに入らないか」


 「何、言ってんだ。お前んとこに入ったら冷や飯食いになるだけさ。俺達の傭兵団にしろよ」


 オレが単独で行動をしているのがわかると、入市手続き中の見るからに傭兵稼業の男達が一斉にオレへ声をかけてくる。

 どう考えたって、オレの容姿に目が眩んだ連中だ。


「冷や飯食いなんてさせねえよ。ちゃんと美味いもん腹いっぱい食わせてやっから」


「止めとけ、止めとけ。お前んとこじゃ、違う意味で腹が膨れるぜ」


「がはは、違いねえ」


 こ、こいつら、昼間から下ネタ全開にしやがって、周りの女性陣が白い目で見てるのに気付かないのか。

 一発ぶん殴ってやりたいところだけど、ここで騒ぎを起こすのは得策でないので、自重する。


「おい、お前達騒ぐんじゃない。周りの迷惑だぞ……君も通行証か紹介状があったら、早く出しなさい」


 実は、とうとうカンディアで傭兵団の整理が始まったせいで、アリスリーゼにもあぶれた連中が大挙押し寄せているようなのだ。

 なので、従来とは違い、帝国や各都市が発行する通行証や有力者の紹介状がなければ、入市には厳しい審査が行われることになっていた。


 しまった。急いで来たんで、傭兵の鑑札は持って来たけど、新しい通行証は手に入れてない。そんな悠長なことする暇もなかったし……。

 仕方ない、不本意だけどアレを使おう。


「持っていないなら、別室で審査を受けることになるが……」


「これで良いですか?」


 オレは懐から、プレート状の通行証を差し出す。


「どれ、拝見しよう…………なっ、これは!」


 入市管理官の顔色が変わる。


「何か問題でも?」


「いえ、問題ございません。どうぞ、お通りください」


 いきなり、直立不動で敬語になった入市管理官に、様子がわからない回りの者たちは目を白黒させる。


「ありがとう。じゃ、通らせてもらうね」


 オレは通行プレートを受け取ると、手続き中の傭兵連中を尻目に市内へと足を向けた。


「おい、どうしたんだ、あんた。顔が真っ青だぞ」


「あの娘っこ、何者だ?」


 オレの勧誘に失敗した傭兵連中が興味津々で管理官に理由を求める。


「お、お前達は知らなくていいことだ……ほら、さっさと手続きを再開しろ」


 傭兵連中を慌てて散開させてから、入市管理官は冷や汗をぬぐう。


「いったい、どうしたんだ?」


 先ほどの門兵が心配そうに尋ねる。


「いや、初めて見たよ。黒塗りの通行証なんて」


「何だ、それは?」


「ああ、大貴族専用の通行証さ……」


12月も半分、終わりましたね(-_-)

今年もあとあずかですが、頑張りたいと思います。


最近、読んでいる「なろう作品」のせいで、急にミリタリーSFが書きたくて困ってますw(書ける要素も才能も1ミリもないのですが……)


ちなみに、例の新作は専門家の意見を聞いたところ、「創作としては面白いけど、現実で考えるとね……」とのお答えをいただき、再検討中です。

SFも難しいけど、現代ものも難しいですね。

やはり、両方とも私には無理そうです(>_<)





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