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いつまでも可愛くしてると思うなよ!  作者: みまり
いいかげんにしないと怒るからね!
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帝国図書館……②


「あれほど、館内は走るなと言っておいたのに、まったく騒々しい男だ……さて、リデルさんと言ったかね? 私は当館の館長代理のサウルス・ヴィオラと申す者だ。ノルティの友人だそうだね」


 そうか……てっきり館長かと思っていたけど、正式には館長代理なのか。元もとの館長は内乱時に逃げ出したって聞いた気もする。

 どう見ても研究者で、施設の管理運営に不向きに思えるのも当然のことか。


「うん、改めて名乗るけど、オレはリデル・フォルテ。ノルティとは仲良くさせてもらってるんだ」


「リデル……フォルテさん。ふむ、あの娘に友達が出来たとは寡聞にして知らなかった。不思議なこともあるものだ」


 一人娘に友達が出来たことを不思議だと言うあんたも相当不思議な人だと思うけどね。


「さらに妙なことをラルフ君は口走っていたな」


「妙なこと?」


「君の事を皇女殿下と呼んでいたように聞こえたが」


 呆れた。

 この人、ノルティや助手君から何も聞かされてないのか?

 一応、12班のみんなに身内以外には口外しないようお願いしていたけど、父親なら当然聞いていると思っていたのに。いや、聞いていても適当に聞き流していた公算が高いな。


 まったく、世情に疎いといか浮世離れしているというか……。

 ま、偽皇女疑惑が出ている現状で、皇女を名乗ってこの人を混乱させても悪いので、口を濁して答える。


「まあ、細かいことは気にしないでよ」


「ふむ、別に私は構わんが……」


 ノルティパパことサウルス館長は呆気なく納得する。

 ホント、適当だな。


「それで君は私に何か言いたいことがあったのではないかね」


 それだ!


「えと……ここに来た理由はノルティの行方を探しているんで、心当たりを尋ねようと思っていたからなんだ。けど、その前にぜひ、あんたに言いたいことがあるんだ」


「言ってみたまえ」


「じゃ、言うけど。あんた、一人娘のノルティに無関心すぎるぞ!」


 ノルティの生い立ちを聞く限り、衣食住と本だけ与えて、あとは放ったらかしに近い。

 小さい頃はさすがに面倒を見てくれる人を雇っていたらしいけど、自分で何でもできるようになると、それさえも打ち切っている。

 オレも他人のことは言えないけど、かなり厳しい生育環境だと思う。


 ノルティのオレに対する極度の愛情表現も、それに起因するものだとオレは思っている。

 なので、多少の行き過ぎは大目に見てきたけど、だんだんエスカレートしてきて、ちょっと困っている。それに、もうずいぶん会っていないので、次に会う時が密かに怖くなっていたりもした。


「別に特段、あのノルティのことに無関心なわけではないが……」


「とてもそう思えないけど」


「いや、そうではなく……研究以外の全てに無関心なだけなのだ」


 もっと駄目な人間ひとだったよ、この人。


「よくそれでノルティが生まれたな」


 そもそも亡くなったノルティのお母さんは、こんな奴のどこに惚れたんだろう。


「ノルティの母親は私の助手をしてくれていてね。仕事も出来て、家事も万能で、実に有能な女性だったよ。裕福な商家の娘で、女性でありながら私塾で高等教育も受けていたし、あれほどの才女には他でお目にかかったことがない」


 そこまで優秀なら、逆に何でこんな男の助手に甘んじていたか不思議でならない。

 確かに女性が活躍する場は限定されているが、それでもその能力を生かせる場所は他にもあるはずだ。


「ひょっとして、奥さんの方が積極的だったの?」


「いや、よくわからないが、ずっと甲斐甲斐しく世話をしてくれるので、この仕事が好きなんだろうと思っていたら、ある日突然キレて『結婚してくれなきゃ辞める』と言うんだ」


「ま、まさか……」


「彼女に辞められたら困るので結婚したんだ」


 ちょっと目の前がくらくらしてきた。


「ノルティのことは?」


「彼女が全て責任を持つから子供が欲しいと。迷惑はかけないからと言うんで、つくったんだが、彼女は産後の肥立ちが悪く亡くなってしまってね」


 何てことだ。

 この人は研究ばかりしていて、普通の恋愛や家族愛ってものに無縁で生きてきたのだ。


 もしかして……。


「サウルスさんはノルティのこと大事に思ってないんじゃ……」 


「そんなことはありません!」


 いきなり、ティーセットを持ったラルフさんが部屋に入ってきて叫んだ。

 どうやら立ち聞きしていたらしい。


「……ラルフ君? お客様に失礼ではないか」


「先生は黙っていてください……女神様、いえ皇女殿下。先生は、奥様やノルティのことに関心が無いように言ってますが、そんなことはありません」


「ラルフ君……」


「前に勤めていた方に聞いたんです。奥様が亡くなった時は大事な研究が手につかないほどだったそうですし……」


「……止めるんだ」


「ノルティが赤ちゃんの頃は、命より大事な研究を全て休止してお世話なさってたんですから」


 何だ、ちゃんと愛情を持っていたんじゃないか。ちょっと安心した。


「それに、先生が研究に没頭するのは、奥様が何よりも先生の研究が完成するのを楽しみにしていたからなんですよ」


 サウルス館長は決まりが悪そうに黙り込んでいる。


 そうか……何でノルティがトルペンを慕う理由がわかった気がする。


 二人はよく似ているんだ。

何故だか、忙しいです(>_<)

来月になったら、一段落するかなぁ。

いや、年末に向けて一層忙しくなるに違いない……。

皆様も、体調管理にはお気をつけください。

私は、すでに怪しいですけどw、

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