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いつまでも可愛くしてると思うなよ!  作者: みまり
いいかげんにしないと怒るからね!
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帝都への帰還……②


「それにさ……疑うつもりないけど、オレを最初から皇女と認めていたのはクレイとその一族だけで、あとはトルペンの奴の根拠の無い勘だけだろう。自分が本当に皇女なのか信じられない気持ちも残っているのは事実だ」


「リデル、お前が皇女なのは間違いないことだ。そこに疑問を差し挟む余地はない」


 オレが本音をさらけ出すと、クレイも断固として「オレ=皇女」説を曲げなかった。


「クレイんとこの情報収集能力は確かに凄いと思うよ。だから、そこがオレを皇女だと言うんだから、たぶん間違いないと思う。けどさ……」


 オレを見つめるクレイの視線に、あえて受けて立つようにじっと見つめ返した。


「当の本人である親父は何て言ってたんだ?:


「そ、それは……」


 自信満々だったクレイが初めて言いよどむ。


「自分は皇帝じゃない!とか言ってたんだろ?」


 何となくオレにはわかっていた。

 あの親父が自分を元皇帝だと素直に認めることはないように思えたのだ。


「は、はっきりとはお認めにならなかったが、暗黙の了解はしていたんだ。だから、お前のこと俺に託したんだし……」


 慌てて反論するクレイにオレは追い討ちをかける。


「本人の言質も取れていないようじゃ、オレの皇女説も怪しいもんじゃないか」


「しかし、状況証拠ははっきりしているんだ。聖石の在り処の件だってある。あの方がデュラント四世陛下でいらっしゃったのは間違いないことだ」


「けど、絶対ではないだろう?」


「いや、絶対だ! この俺の人を見る目は確かで……」


「二人とも、お止しなさい。水掛け論になっていますよ」


 熱くなったオレとクレイの間にヒューがやんわりと入り込んで、水を差す。


「少し休憩しましょう。ソフィアさん、お茶を煎れてもらえますか」


「はい、すぐにでも」


 ソフィアもオレ達の言い争いに心を痛めていたようで、すぐにお茶の支度を始めた。



「さっきはごめん、クレイ」


 お茶を飲んで焼き菓子を食べて落ち着いたオレは、先ほどの言動を反省してクレイに謝る。


「いや、俺も大人気なかったと反省している、すまない」


「いいよ、こっちが悪かったんだから」


「そうじゃない、俺が……」


「やはり、二人は良く似ていますね」


 互いに自分の非を強く認め、謝り合うオレ達をヒューは可笑しそうにくすくす笑った。 


「にしても、少し気になる点はありますね」


 笑いを収めるとヒューは右手を顎にかけると考え込むような素振りを見せる。



「ヒュー、気になる点って?」


「ええ、偽皇女が何故、四世の『護りの紅玉』を持っていたかです」


「親父が無くした物をどこかで手に入れたんじゃないのか?」


「いえ、それはないと思います」


 オレの推論をヒューは簡単に否定する。


「どうして言い切れるんだ?」


「それはですね。デュラント四世陛下が在位中から御自身の『護りの紅玉』を紛失していたのではないかという説が有力だからです。と言いますか……」


 ヒューは多少躊躇しながら続ける。


「実際お持ちになられていなかったことは半ば公然の秘密でした。私もその話を師匠の随伴で宮中にいた時に何度か耳にしたことがありましたから」


 親父が『護りの紅玉』を持っていなかっただって。

 じゃあ、ガートルードが持っていたのは……。


「ですから、偽皇女が手にしているのは確かに本物の『護りの紅玉』かもしれませんが、デュラント四世陛下のものでない可能性が高いのではないかと思っています」


「本物だけど偽物ってこと?」


「そうなりますね。ただ、あれが四世陛下の紛失された『護りの紅玉』という可能性も全く無いとは言い切れませんが……」


 ヒューはそう言って話を締めくくった。


「で、今後の予定なんだが……」


 今まで黙ってヒューの話を聞いていたクレイが話題を変えるように口を開く。


「誰かさんは、すぐにでも宮殿に乗り込もうと考えているようだが、さすがにそれは無謀ってものだ。ユクを人質に取ったのが、その誰かの性格を読んでのものとしたら、まさに敵の思う壺だろう。ここは慎重を期した方が得策だ」


「私もクレイに同意しますね。ユクさんやシンシアさんの身は心配ですが、こちらが罠に嵌ってしまっては助けられるものも助けられなくなります」


 クレイとヒューはオレの強行策には反対のようだ。


 残るソフィアに目を向けると彼女は「私が意見を述べるのはおこがましいですが」と前置きしながらも、はっきりと言う。


「リデル様、私もクレイ様達の意見を支持します。現在、宮殿にはゴルドー商会の手の者が多く紛れ込ませてあります。その者達からの情報や協力が得られるようになってからでも遅くはないと思います。どうか、ここはご自重下さい」


 と言いながら頭を深々と下げる。


 オレ以外の全員が反対なら折れるしかなかった。

 それにみんなの言うことも、もっともだと思う。


「じゃあ、これから何をすればいいんだ?」


 オレが疑問の声を上げると、クレイは腕を組みながら答える。


「そうだな……さしあたって大神殿へ向おう。俺に考えがある」


お久しぶりです(>_<)

長い間、お休みして申し訳ありません。

体調不良や台風の被害などで更新ができませんでした。

本当は今日も厳しかったのですが、無理無理書いてますw

秋風邪は拗らせると長引きます。

皆様も、どうかお気をつけください。

もしかしたら、しばらく週一更新になるかもです。

ごめんなさいです。

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